キメラ(バイオハザード)
きめら
作中に登場する犯罪組織「製薬会社アンブレラ」が作り出した生物兵器の1つ。
生物の遺伝子を変質させる「T-ウイルス」を用いて開発された。
人間とハエの遺伝子をウイルスを媒介にして融合させるというおぞましい実験で生み出され、その製法からギリシャ神話に登場する合成獣「キメラ」の名をコードネームに付けられた。
昆虫の繁殖力を生物兵器の効率良い量産に応用するために研究されたもので、生まれた幼体はハエと同じ成長速度(約2週間)で成体になるが、知能もハエ並みにしか発達しなかったため正式採用は見送られている。
ベースは人間と同じ体型だが、体表は毛の生えた黒い外骨格に覆われている。
手足は所々に赤い筋繊維がむき出しで、右手の先端には鎌のような一本の爪に変化。
頭部は上アゴは人間と同じ形状の歯だが、下アゴにはハエのような食髭に変化している他、用途は不明だがみぞおちの辺りに牙の付いた丸い口のようなものがある。
リメイク版では、なんと口が大きく裂けて下顎がだらんとぶら下がっている。
背中には未発達の6本の節足と翅があり、胴体は肋骨がむき出しで、腹部もより昆虫じみた形状となった。
また、プレイヤーキャラクターから攻撃を受けた際に身体からウジをまき散らしながら吹き飛ぶなど、リメイクによる映像のリアルさも相まって全シリーズのクリーチャーの中でも一二を争うほどグロテスクである。
身体能力だけならハンター以上で、瞬時に天井まで跳躍し、獲物の頭上から鎌状の爪で切りつけてくる。
また、マグナム弾でも一発では仕留められないほど生命力も高い。
反面、ハンターの首刈りのような即死攻撃もなく、攻撃も単調なため避けて進むこともそう難しくはない。
リメイク版では膝を曲げて中腰の姿勢になった他、地面に這いつくばって移動することもあり、その場合は足元を狙わないとプレイヤーの攻撃は当たらない。
また、天井からキャラクターを吊り上げて首を切り裂く即死攻撃も追加されたが、ボタン連打で回避できる上に攻撃が単調なのも変わっていないため、総合的な脅威度はハンターよりも下である。
ただし、通気口などの狭い場所からいきなり現れ、攻撃を受けたらまた逃げ込むためなかなか倒せないことが多い。
(リメイク版スタッフのコメントでは、実際のハエのように追い払ってはまた近づいてくる鬱陶しさを表現して、ゲームの終盤を盛り上げる要素にしているとのこと)
今でこそ単に「人間とハエを融合させた怪物」という設定のクリーチャーだが、初代PS版の設定(バイオハザード パーフェクトガイド等)はさらにグロテスクで、なんとハエの遺伝子を組み込んだ受精卵を人間の女性の子宮に戻して出産させるという方法で生み出されたとなっている。
本来この手の異種交雑交配では受精はしても着床出来ない(他に起き得るものでは犬と猫、カブトムシとカナブン等も種が違うので交雑種は産まれない、ライオンとトラ(ネコ科)、犬と狼(イヌ科)等一部近縁種は可能な場合もある)のだが、T-ウィルスはその制限を取り払ってしまう性質を持っている。
また、他のクリーチャーの設定もむしろリメイク版より詳細かつマニアックに記されている。
新ハード参入のための試験的なゲームだった初代バイオが思わぬ人気を博したため、リメイクの際に大衆向けにするため表現を抑えたのかもしれない・・・
アレクシア・アシュフォード、ノビスタドール、ヴェルデューゴ、U-3、ディレック・C・シモンズ。
ザ・フライ…蝿人間が登場する映画。同作に登場するクリーチャーが元人間であり、実験中の事故で蝿の能力と人間の知能を併せ持ったクリーチャーへと変貌する等、どちらかと言えばイレギュラーミュータントに近い。