概要
コンピュータゲームの中でも特定の既存キャラクターが登場したり操作できたりすることを売りとしたゲームはキャラゲーと呼ばれる。キャラゲーにはその原作となるキャラクターのファンからほぼ無条件に需要を得られることから、主にゲーム業界黎明期を中心に大量に製造された。
ところが、それらの多くは後述する要因の数々によって、ゲームとしてまともに遊べ無い出来のクソのようなゲーム、クソゲーの烙印を押されてしまう。そのような現状が結局今日まで続いていることから、徐々にこの言葉が生み出されていった。
要因
多くのキャラゲーがクソゲーの判定に泣いた要因としては以下の2パターンが考えられ、それによってクソゲーとしての様相も変わって来る。
①原作レイプ型
特にコンピューターゲームそのものの黎明期によく見られた、制作側の「とりあえずゲームにあのキャラを出して売れば売れる」という安易な考えが仇となり、そもそも原作となる作品のことを名前以外に知っているのかどうか怪しいような駄作が出来上がったタイプ。
例:「E.T. The Extra-Terrestrial」、「CITY ADVENTURE タッチ MYSTERY OF TRIANGLE」、「ビビッドレッド・オペレーション Hyper Intimate Power」など
②単純クソゲー型
キャラゲーとしてどうこう以前にそもそも1つのゲームとしての完成度が低く、逆に対象となったキャラクターのファンからすれば存在そのものを恨まれたりすることは無いタイプ。
例:「キテレツ大百科」、「TMNETWORK LIVE IN POWERBOWL」、「涼宮ハルヒの激動」など
具体例(追記大募集)
●E.T. The Extra-Terrestrial
発売 | 1982年 |
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開発 | ATARI |
販売 | ATARI |
対応機種 | ATARI2800 |
E.T.のもう一つの地球?
スティーブンスピルバーグ監督の名作映画をATARIがわざわざ版権まできちんと取ってゲーム化……したはよかったのだが、その際の版権料とクリスマス商戦のための無茶納期に苦しめられた結果、アメリカ史上最悪のクソゲーが生まれた。
内容からして「仲間の宇宙船からはぐれたE.T.が仲間を呼ぶため宇宙船のパーツを探す」というE.T.らしいようでらしくないものだが、レトロクソゲーのお約束でそういう説明は説明書に以外全く無い。オープニングの一枚絵はともかくゲーム本編のE.T.はパックマンに足を書き足したような低レベルなグラであるし、時間経過で減る体力が尽きると何故かエリオットとE.T.が融合して延命する誰得演出付き。更には粗製乱造の影響で起動すらしないものも多く出回っていた。
このゲームが全米最凶のクソゲー扱いされているのはゲームそのものの出来というよりアタリショックの元凶・象徴扱いされたり「不良在庫が砂漠に捨てられている」という都市伝説がまさかの真実だったりしたことによる背景事情的な要因が大きいのだが、それを差し置いてもなんで版権が取れたのかすら不思議なクソゲーに仕上がっている。
キャラゲーはクソゲーなのか?
海外ではスパイダーマンやバットマンなど、製作者側の原作愛に溢れる上ゲームとしての完成度も優れ、原作ファンと一般ゲーマー双方の評価も高く、また数多くの賞も受賞しているゲームも非常に多い。
日本製品でも戦略性が高いキャプテン翼(FC版)や原作のIFを楽しめるタッチ(AVGの方)、原作の面影はないがアクションゲームとして楽しいグーニーズなど良作・名作は数え上げれば枚挙にいとまがない。
無論前述の通りそういった作品ばかりではないが、それはキャラゲー以外でも同じであり、「キャラゲーはクソゲー」という考え自体が偏見そのものであると言える。
……にもかかわらず、そのような意識が日本人に強く根付いているのは、数多く漫画・アニメの商品化権を持つがために作品自体の知名度・人気に頼った数多のクソゲーを生み出し、なけなしのお小遣いやお年玉をはたいたチビっ子たちを絶望させてきた日本最大手おもちゃ会社によるものが大きいとの見解もある。無論この意見自体も偏見そのものではあるが。