概要
幻の平成VSシリーズ第6作目の没案『ゴジラVSキングゴクウ』に登場予定だった怪獣。
1994年当時、ゴジラシリーズのプロデューサーだった富山省吾はキングギドラ、モスラ、ラドン、メカゴジラと有名どころの怪獣を出し尽くしてしまい、新しい怪獣とゴジラが対決する映画を企画していた。
出すならやはり新怪獣がいいとして、当時人気を博していた猿回しの太郎・次郎兄弟にインスパイアされ、猿の怪獣として考えられたのがこのキングゴクウであった。
しかし製作が長引いてしまったハリウッド版ゴジラがどのような話になるのか判明していなかった時期だったため、もしかしたら権利関係で何か起きるかもしれないとの危惧があったのと、内容が『キングコング対ゴジラ』に一部類似する点があるところ、猿の怪獣であるがゆえに『キングコング』の二番煎じと言われるのを避けたいと言う製作側の意向もあって、没になってしまった。
しかし、後述するが「地球と宇宙を行き来するパノラミックな戦闘」「九州でゴジラとバトル」といったアイデアは第6作として製作された『ゴジラVSスペースゴジラ』に受け継がれることとなったのである。
ゴジラVSキングゴクウのあらすじ
猿の次郎は人間にその頭の良さを買われて国際宇宙プロジェクト「プロジェクト・ゴクウ」のパイロットに任命された。
次郎は無事に任務を遂行し地球に帰還するが、偶然宇宙から持ち帰った超パワーを持った石「ムーンストーン」を飲み込んでしまい怪獣化、キングゴクウとなってしまった。
そのころ、九州にゴジラが出現。キングゴクウこと次郎は仲間の猿たちと猿まわし劇場を守るためにゴジラと戦うことを決意する。一方、木星圏から地球に超怪獣カイザーギドラが接近していた。
カイザーギドラの接近を察知したゴジラとキングゴクウは協力して迎え撃ち、富士山麓での激しい戦いの末これを打ち破ったのだった。
キングゴクウのスペック
身長100m、体重不明、年齢3歳。
宇宙開発プロジェクトのパイロットに選ばれた猿まわし劇場の天才猿、次郎が宇宙から持ち帰ったムーンストーンを誤飲し怪獣になったもの。
ニホンザルの怪獣だが顔は赤くはなく男前。また腕が長く、全身はキンシコウのように金色でふわふわとした毛並みに覆われている。
非常に高い知能を活かした頭脳戦と、ひと飛び300メートルの俊敏さが武器。走るときは変異前のニホンザルと同じく四足歩行となる。
道具を使った攻撃はできないが俊敏さをウリにした機動力は脅威で、ゴジラの攻撃を片っ端から避けてしまう。
また、人間だがボスと慕っている太郎の言うことは何でも聞くという習性がある。