概要
映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』に登場するギガノトサウルスの愛称。
インジェン社のライバル企業であるバイオシン社が生み出したクローン恐竜の一頭で、バイオシン社本部があるイタリア・ドロミーティ山脈の「バイオシン・サンクチュアリ」にて飼育されている。
全長15.5m・体高5.5m・体重9tに達する巨体を誇り、普段は保護区内で放し飼いにされている鹿を餌としながら、保護区における頂点捕食者として君臨しており、後に移送されてきたレクシィをも凌ぐ強さを誇る。
劇中終盤、バイオシン社が製作するも殺処分しようとしたハイブリッドイナゴ達によって引き起こされた山火事の際、オーウェン達の前に現れると、彼らに執拗に襲い掛かる。
余談
ギガの登場は、アラン・グラントを演じたサム・ニールのSNSでの投稿から明かされていた。
監督であるコリン・トレヴォロウによると、『バットマン』の悪役・ジョーカーのようなキャラクターとして造形したらしく、「世界が燃えるさまを見たいと思っている」など、非常に攻撃的な性格となっているらしい。
過去作品での扱い
ギガノトサウルスは第1作『ジュラシック・パーク』が放映された1993年からわずか2年後の1995年に命名されたばかりの恐竜で、命名から27年目にして遂に銀幕デビューを果たした。
一応は第4作『ジュラシック・ワールド』のハイブリッド種インドミナス・レックスのDNA組成の一つに組み込まれているという設定で、ゲーム作品にもちょくちょく登場していたが、アロサウルスやカルノタウルスなどに比べると不遇な扱いだった。
実際の学説との差
他の恐竜の例に漏れず、ギガノトサウルスもまた実際の学説とは異なる設定で描かれている。
先行公開された白亜紀当時の映像でレクシィの元となったとされるティラノサウルスと一騎打ちを繰り広げるシーンがあるが、まず両種は棲息地もだが棲息した時代が3000万年も離れている。
外見においても、先行登場となった『ジュラシック・ワールド・エヴォリューション』では一般的な復元がなされているが、本作では背中に鮫の背鰭に似た隆起と鱗による高いクレストが見られ、むしろアクロカントサウルスに近い体型となっている。
(※ちなみにバイオシン社はインジェン社やマスラニ・グローバルとは異なり、見てくれよりもリアリティを重視したクローン製作を行っており、プロローグでの白亜紀の光景でも同じ姿なので、決して特別にチューンナップされたわけではない)
また、作中においても最後の闘い(後述)以外ではレクシィを圧倒しているが、実際に両種が闘った場合はティラノの圧勝と研究者間では評されており、本作の日本版パンフレット内の「Real Dinosaurs」というコーナーでも「純粋なスペックだけでいえば文字通りティラノサウルスの無双状態で、現状ではティラノサウルスより強いのは創作だけの話だろう。」と断じられている(一応、「両者の違いは、獲物や狩りの方法の違いにそれぞれ適応したものであり、本来はそこに生物としての優劣はない」とフォローされている)。ギガノトサウルスが弱いのではなくティラノサウルスが強すぎるだけなのだが。
以下、ネタバレ注意
オーウェンらを襲おうとするも一度は追い払われるが、後に山火事から避難しようとするオーウェン及びグラント博士ら一行の前に現れたレクシィに続いて出現し、そのままレクシィと再び対峙し睨み合いながら咆哮を交わし合う。
それを見たグラント博士はこう呟いた。
「小物には用無しか。」
その言葉通り、両者は足元のグラント博士らなど無視して戦いを開始。激闘の末、一枚上手な戦い方でレクシィを叩き伏せて下し、再びグラント博士らを襲おうと一行の前に立ち塞がる。だが、グラント博士らを救うべく飛行パイロットのケイラ・ワッツが放った照明弾に注意を引かれ、偶然その方向に他の恐竜と同じく山火事から逃れるため居合わせていたテリジノサウルスとも目が合い、レクシィに続く次の相手としてテリジノサウルスとも激突する。だがその戦いの最中、背後で叩き伏せられ気絶していたレクシィがケイラの操縦する脱出ヘリコプターのライトを目に当てられて復活したことで戦況が一変。レクシィとテリジノサウルスに挟み撃ちにされる形となり、突進してきたレクシィに首に噛みつかれてそのままテリジノサウルスの方へ押し飛ばされ、それを両手で受け止めたテリジノサウルスの鋭い鉤爪に串刺しにされて倒された。