概要
田中芳樹の小説『アルスラーン戦記』のメインキャラクターであるギーヴとナルサスをカップリングとして扱っている作品につけられる、腐向けカップリングタグ。
物語序盤、女神官ファランギースに心を奪われた旅の楽士ギーヴは、彼女に同行して王太子アルスラーンに助勢する。すでに王太子麾下にあった黒衣の騎士ダリューンは身元のはっきりしない彼を訝しむが、ナルサスは特に疑うこともなく彼の同行を認める。以降、ギーヴはアルスラーンに従い、また軍師として一行の指針を定めるナルサスの指図を受けながら行動することになる。
腐向け二次創作を投稿する際は、一般ユーザーとの棲み分けのために、『アルスラーン戦記』タグを使用する事は避け、『アル戦【腐】』タグを使用する事が望ましい。 → 参考:棲み分けタグ
関係性
旧来の権威に反発する反逆性の持ち主であるギーヴとナルサスは、以後なにかとつるんで王太子のために働き勲功を挙げる。旧来の友人でもなく、家族でもなく、主従でもなく、同じ主君に仕えているということ以外立場上の共通点がないのに性質が似通っているこの両名は、ソウルメイトのようでもある。
「あの男と、これだけ長いつきあいになるとは、正直、思わなかった」「五年ていどのものだぞ」「五十年にも思えるよ、おれには」(15巻3章2節、ナルサスとダリューンの会話。あの男とはギーヴのこと)
似たもの同士
ギーヴは作中でファランギースに「悪鬼(デーヴ)」と揶揄され、ナルサスも周辺諸国に恐れられるあまり「大陸公路の悪魔」の異名をとる。
原作者である田中芳樹は、『アルスラーン戦記読本』の中でギーヴについて「メフィストフェレス的な役割をナルサスと分担してもらおう、という思惑がありました」と語っている。つまりナルサスとギーヴは「似たもの同士」であり、本来ひとりであったものがふたりに分かれたようなものであると言える。
流浪の楽士と不動の軍師
単独行動を好むギーヴは身軽で旅慣れており、なにかと身動きの取りづらいナルサスの依頼(命令ではない)を受けて各地を巡ることがある。4巻「汗血公路」でギーヴが事前の承諾なくアルスラーンのもとを離れたのは、ナルサスが情報収集のための密偵を必要としていたことが理由のひとつであった。
第二部(8巻「仮面兵団」以降)ではナルサスが宮廷画家兼副宰相、ギーヴが巡検使を拝命するため、この傾向はさらに強まる。ファランギースとエクバターナの湖上祭を楽しむ機会を逃すことに文句を言いながらも、エラムやジャスワントとともに厳冬のチュルクへ旅したのもナルサスの依頼によってである。ギーヴが王都に戻った際には、ふたりが妓館で情報交換をする場面も描かれる。 → 参考:パシリ
パルスの芸術家(?)
ギーヴは「流浪の楽士」→「宮廷楽士」、ナルサスは「未来の宮廷画家」→「宮廷画家」であり、いずれも一流ではないにせよ、芸術にかかわる型のキャラクターである。ヒルメスが彼らを「へぼ楽士」「へぼ画家」と罵ることについて、ギーヴはそれほど気にしていないようだが、ナルサスは恨みに思っているようである。
二次創作の傾向
斜に構えたものの見方をするキャラクター同士なので、お互いに強い感情を向け合うよりは、同じ時間や考えを共有することそのものを楽しむ関係性を描いた作品が多い。
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