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ダリュナル

だりゅなる

田中芳樹の小説『アルスラーン戦記』のメインキャラクターであるダリューンとナルサスをカップリングとして扱っている作品につけられる、腐向けカップリングタグ。
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概要

田中芳樹小説アルスラーン戦記』のメインキャラクターであるダリューンナルサスをカップリングとして扱っている作品につけられる、腐向けカップリングタグ。荒川弘版以前は「ダルナル」の表記が多かった。

カップリング属性としては「ニコイチ」「親友」「戦友」「幼馴染」などが該当する。また、主人公陣営において武勇と智略という両分野を担う“最強の戦士”と“最高の軍師”という強烈なバディ感も魅力である。


物語冒頭、主人公であるパルス王太子アルスラーンは、黒衣の騎士ダリューンに伴われて戦場から脱出する。これからどうすべきかと途方に暮れるアルスラーンに、ダリューンは近隣のバシュル山に隠棲する旧友ナルサスを頼るよう助言し、ふたりを引き合わせる。三年ぶりの再会を果たしたダリューンに勧められ、またアルスラーンの人柄を認めたナルサスは、その幕下に加わり尽力することを誓う。

王都奪還の長い旅路は、旧くからの友情を保っていた雄将ダリューンと智将ナルサスの両名が、アルスラーンのもとにそろったこのときから始まるのであった。


そもそも『アルスラーン戦記』は王太子アルスラーンの名を冠するとはいえ、彼が智勇を発揮して活躍する話ではない。その役を担うのは、主として彼の配下たちである。そしてアルスラーン配下筆頭たるダリューンとナルサスの痛快な活躍劇機微を読みあう軽妙なやりとりは、作品そのものの魅力のひとつとなっている。


二次創作の傾向としては、軽口を飛ばし合いながら信頼しあう、自立した親友どうし、あるいはお互いを知り尽くした熟年夫婦の雰囲気を描く作品が多い。また原作で直接描かれている時間軸にこだわらず、エクバターナでの少年時代、アンドラゴラス三世治世下の宮廷時代を舞台とした作品も見られる。


腐向け二次創作を投稿する際は、一般ユーザーとの棲み分けのために、『アルスラーン戦記』タグを使用する事は避け、『アル戦【腐】』タグを使用する事が望ましい。 → 参考:棲み分けタグ


関係性

王太子の両翼として

作中では、ダリューンナルサス連名で現れることが多く、またダリューンとナルサスを指してアルスラーンの両の翼に等しい」という表現が頻出する。味方のみならず敵からも「ダリューンとナルサス」あるいは「雄将と智将」と並び称され、この両者がついているからこそアルスラーン政権を打ち倒すのは困難である、という見方をされることもしばしばである。

他国もうらやむハイスペックな彼らは、当然ながら自分と相手の能力のほどを認め、かつお互いに絶対的な信頼を寄せている。そのためダリューンはナルサスを、ナルサスはダリューンを褒める言葉をしばしば口にする。

  • 「私の友人で、私の知るかぎり、あれほど智略にとんだ男はおりません」(1巻1章2節)
  • 「ダリューンのような勇者は千人にひとりもおりません」(1巻2章5節)
  • 「切りぬける策はあるのか、ナルサス。いや、おぬしに対して、これは失礼な質問だった。所詮、ラジェンドラのような小策士は、おぬしのような賢者の掌で踊っているにすぎぬな」(3巻2章1節)
  • 「ダリューンは、もうすこし自分を高く評価してよいのだが、まあ、そこがこの男のよいところか」友人の美点が、単なる豪勇などにあるのではないことを、ナルサスは知っていた。(5巻4章5節)

悪友として

親友」よりは「悪友」と称されることが多いものの、ふたりは旧くから個人的に友誼を結んだ友人同士であり、そのテンポのよいやりとり親しげかつ円滑な意思疎通に関する描写が、彼らの意気投合ぶりを伝える。

そもそもバシュル山で再会したのは実に三年ぶりで、その間ダリューンは遠い異国へ赴いていた。だが大げさに喜ぶというよりは、ついこの間別れてきたかのような自然な会話が成立しており、この点でもスマートで成熟した大人同士の関係がうかがえる。

一方で、王都奪還後は、ダリューンがナルサスの邸宅を訪れている様子が頻繁に描かれるから、その親密さを読み取ることができるだろう。


また稀代の軍師として活躍するナルサスは絵を描くことを甚く愛好しているが、その画才は壊滅的であるというのが作中の評価である。ナルサスを敬愛するエラムですら「ナルサスさまが絵まで天才でいらしたら、かえって救いがありません。あの方は、絵はあれくらいでちょうどいいのです」(3巻1章2節)と微妙な表現をするが、ダリューンはそれを唯一はっきりとこき下ろせる立場の人間として設定されている。


エラムは面と向かって口には出さないが、ダリューンは遠慮なく口にする。それでもナルサスとの友誼がこわれないのは、ふたりが信頼しあっているからだろう、とエラムは思う。(6巻2章3節)


加えて、作者である田中芳樹は本編外の外伝としてダリューンが絹の国へ向かったときの話を、短編「東方巡歴」として発表している。この中でダリューンは、のちに恋愛関係になる星涼公主と出会う。

この星涼公主と出会ったとき、ダリューンは彼女の口調を聞いてナルサスを連想する。またナルサスの話題で彼女に「学者か、武人か」と問われたときに、ダリューンは画家だ」と答える。友情あるいは好意を示すにしても、なんとも回りくどい表現方法である。


原作者のコメントに見えるダリューンの「悪の魅力」

原作者である田中芳樹は、ダリューンについて次のように話している。


強くて勇ましくてそこそこ頭もよくて……と見ていくとね、「悪の魅力」ってのが全然ないキャラなんですよ(笑)。だから一面だけ見ると、「いい人」で終わっちゃう。ただ、なにしろ相方とからむととたんに性格が悪くなる、というところで救われてますね。(「『アルスラーン戦記』人名事典」、『アルスラーン戦記読本』)


ここでいう相方とはすなわちナルサスのことである。このコメントから、原作者は一見超人的で人間離れしているダリューンの“人間的”魅力を、あえてナルサスとの会話に現れる性格の悪さで表現していることがわかる。

ナルサスと会話しているときのダリューンが最もいきいきとしているように見えるのも当然と言えるだろう。


幼馴染として

以上のような関係性が1巻発売当時(1986年)より執筆され続けていたが、14巻発売(2014年)に至って、ふたりが二十五年来の幼馴染であることが本文中に明示され、一部のファンを驚かせた。作中の年月日を踏まえて逆算するとダリューンが7歳、ナルサスが6歳のときに友人になったと推測できる。

幼少時の彼らが「蛇王ごっこ」に興じ、王宮の侍従たちを驚かせてヴァフリーズに叱られたという微笑ましいエピソードも、14巻に描かれている。

途中で別れていた期間もあるとはいえ、ダリューンとナルサスが共にした時間の長さは、5巻にある指文字での会話シーンからも読み取れる。


外見

ダリューンは一貫して黒髪」「黒衣の騎士と表現されているが、ナルサスに関しては「つれ(ダリューン)にくらべてやや背の低いほう」、「ダリューンの頭髪が、その黒衣の一部分をなすような黒髪であるのに比べると、ナルサスの頭髪は色が淡い」と、ダリューンを基準とした比較によって外見を表現されることが多い。松竹配給で劇場版OVA版が世に出るまで(~1991年)は、これらの描写をファンが各自の解釈で再現したファンアートが主流であった。

松竹配給の映画OVA版では、神村幸子キャラクターデザインを担当。ダリューンは黒髪短髪、ナルサスは長い茶髪を結わえた髪型となる。以後、荒川弘版が連載開始するまで(~2013年)は、このデザインに依拠したファンアートが多く創作された。

荒川弘版発表以降は、ダリューンは三国志演義の武将を思わせる黒髪長髪、ナルサスは長い金髪を結わえた白人らしい風貌となる。これをアニメ化した日5版(2015年~)では動画映えするようさらに鮮やかな彩色がなされ、現在Pixivにおいて発表されているファンアートの多くは、荒川弘版のキャラクターデザインをもとに創作されたものとなっている。


関連年表(パルス暦)

293年ダリューン誕生。
294年ナルサス、ダイラム領主テオスの子として誕生。生母とともにエクバターナへ移住。
300年ダリューン(7)とナルサス(6)、このころ友人になる。
304年ナルサス(10)、ダイラム領主テオスのもとへ引き取られる。
315年テオス急死。ナルサス(21)、ダイラム領主家を継ぐ。シンドゥラ、トゥラーン、チュルクの三国が同盟を結んでパルスに攻め寄せるが、ナルサスの智略とダリューン(22)らの活躍で撃退する。ナルサス、アンドラゴラス三世に認められ宮廷書記官として宮廷に仕える。
317年ダリューン(24)、修好使節の護衛隊長として絹の国へ赴く。ナルサス(23)、宮廷を永久追放されバシュル山で隠棲する。
320年ダリューン(27)、絹の国から帰国。アトロパテネの会戦。ダリューン、アルスラーン(14)を助けてナルサスの山荘を訪問する。ナルサス(26)、アルスラーンに仕える。

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田中芳樹 荒川弘 アルスラーン戦記

二次創作 アル戦【腐】

ダリューン ナルサス(アルスラーン戦記)

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