概要
クレムリン(ロシア語:Кремль、ラテン文字表記:Kreml'、英語:Kremlin)は、ロシア連邦の首都であるモスクワにある宮殿。1990年12月に赤の広場と共に世界遺産に認定されている。
宮殿の位置および利用
首都のモスクワに流れるモスクワ川沿いにある旧ロシア帝国の宮殿及び旧ソ連の党中央委員会の本部の通称であり、現在は大統領府の通称である。
正面には赤の広場がある。赤はロシア語においては「美しい」といった意味があり、美しい広場の意味である。15世紀頃に広場として作られ、17世紀に整備された。
歴史
現在のものは1366年に第4代モスクワ大公ドミトリイ・ドンスコイにより、石造りの城塞として建設された。
15世紀ごろには招聘されたイタリア人によりゴシック風に改められたらしいが、基本は東ローマ帝国の城砦がモデルである。
後にモスクワ公王(大公、またはモスクワのローマ皇帝、旧ロシア皇帝)の居城となったものの、ロマノフ家のピョートル1世の時代にサンクトペテルブルクに遷都したため、この宮殿は離宮扱いであったと思われる。なおナポレオンのロシア遠征により一部損傷するも宮殿は改築・補修された。
ロシア革命の時にレーニンが『党本部』及び『書記長』の事務所としてこの宮殿を選び脚光を浴びた。
このロシア革命後から『クレムリンの壁』が赤くなった。かつて「大クレムリン宮殿」の壁飾りには連邦を示す「СССР」が書かれていたが、現在は4つの『双頭の鷲』(ロシア帝国時代の紋章)が描かれている。
余談
怪獣総進撃ではラドンの襲撃を受け、衝撃波で宮殿が吹き飛ばされた。
関連タグ
クレムリン(表記ゆれ)
ロシア モスクワ大公国 ロシア皇帝国 ロシア帝国 ソビエト連邦
参照
付録
この項目はおまけである。
存在する宮殿
- グラノヴィータヤ宮殿(多稜宮)
現存中最も古い宮殿、イタリア人の設計。現在は公式行事などに用いられる。
- テレムノイ宮殿(チェレムノイ宮殿)
ロシア皇帝の御所。16世紀に元の建物が建築され、17世紀に4階建てに増築し、19世紀に下部を改築されている。
- クレムリン大宮殿(大クレムリン宮殿)
19世紀の一部破壊後に作られた宮殿、国家的祝典や条約調印の会場などに利用されている。
- 国立クレムリン宮殿(旧クレムリン大会宮殿)
第二次世界大戦後のソビエト連邦時代に作られた宮殿。党大会の場所や国際会議場として使用。
- ロシア大統領府
ソ連最高会議幹部会館、ソビエト連邦初期に建築された。
- ロシア大統領官邸
ロシア帝国時代には元老院、ソビエト連邦時代には閣僚会議館として用いられていた宮殿であり、18世紀終わりから19世紀はじめに建築された。
- 武器庫(武器宮殿、アルジェイナヤ・パラータ)
この宮殿も19世紀に造られたものである。もともと別の宮殿が建築されており、美術館として使用されていたものの、19世紀にもとあった宮殿は破壊され、再建されたと思われる。
- アルセナール(旧兵器庫)
元々は兵器庫であったらしいが、現在ではクレムリン警備隊の兵舎である。
クレムリンの外壁の搭の名称
- クタフィヤ塔
- トロイツカヤ(至聖三者)塔
- コメンダンツカヤ(司令官)塔
- オルジェイナヤ(武器庫)塔
- ホロヴィツカヤ(松林)塔
- ヴォドヴズヴォドナヤ(揚水)塔
- ブラゴヴェシチェンスカヤ(受胎告知)塔
- タイニツカヤ(秘密)塔
- 第一ベズイミャンナヤ(無名)塔
- 第二ベズイミャンナヤ(無名)塔
- ペトロフスカヤ塔
- モスクヴォレツカヤ塔(旧ペクレミシェフスカヤ塔)
- コンスタンチノ・エレニンスカヤ塔
- ナバトナヤ(警鐘)塔
- スパスカヤ(救世主、旧フローロフスカヤ)塔……クレムリンと赤の広場を結ぶため、一番格式の高い塔とされ、高さ約74mの偉容を誇り、時計塔となっており時計の文字盤は直径6.12m、重量25t。赤の広場からスパスカヤ塔の下にあるスパスキエ門に入ると、大統領官邸と大統領府に続く。
- ツァールスカヤ(皇帝)塔
- セナツカヤ(元老院)塔
- ニコリスカヤ塔
- ウグロヴァーヤ・アルセナーリャ(角の兵器庫)塔
- スレドニャーヤ・アルセナーリャ(中央兵器庫)塔