BSプレミアムにて2023年1月28日(土)午後5:06より放送(全41話)BSプレミアムHP
概要
グラナダ版「シャーロック・ホームズの冒険」はサー・アーサー・コナン・ドイルのミステリ小説を原作としたテレビドラマシリーズ。
主役のシャーロック・ホームズを名優ジェレミー・ブレットが演じた。180cmを越すすらりとした長身に、ヘイゼルの大きな目が印象的な彼の容貌は、多くのファンが思い描くホームズ像にぴったりだった。
シェイクスピア俳優として舞台で鍛えられた演技力に加え、ゴシックな役柄を多く演じてきたジェレミーは、ガス灯と馬車の19世紀末ロンドンに自然になじんだ。ジェレミーは声を高く張り上げ、しなやかな動きで大仰な身振りを見せる外連味たっぷりの演技でホームズのエキセントリックな性格を表現。「最高のシャーロック・ホームズ」と絶賛された。
本シリーズの制作にあたっては、可能な限り原作の設定や描写を遵守し、また緻密な歴史考証を背景とした演出が行われた。
最もわかりやすい例としてはホームズの服装が挙げられる。
一般的にはディア・ストーカー(鹿撃ち帽)にインバネスコートでイメージされるホームズだが、このスタイルが原作で描写されたことはほとんどない。これは事件のために郊外へ旅行する場面に添えられた、シドニー・パジェットの挿絵による印象が大きい。また、曲木のパイプも舞台化の際に取り入れられたものである。
そのため本シリーズのホームズは、普段はシルクハットにブラックコートという、当時のロンドンの街中にふさわしい服装に徹しており、パイプも原作通りのストレートなものを使用している。
ホームズを演じたジェレミーも徹底的に原作を分析し、彼の性格はもちろん、話し方のクセや感情表現、仕草まで完璧に再現して見せた。
「ハ!」と吐き捨てながら手を振り回す、考え事をするときに両手の指の先を合わせる、ワクワクと楽しげな様子のときに両手をこすり合わせるなどなど、細かな点までまさにホームズそのものである。
ホームズの相棒、ワトソンも本シリーズでは原作通り、ホームズが頼るにふさわしい、知性と勇気を兼ね備えた人物として描かれた。
それまでは主役を引き立たせるため、愚鈍で滑稽、ホームズの活躍をただただ称賛する人物として矮小化されることが多かったワトソンだが、これ以降は対等なパートナーとして登場するようになったことからも、本シリーズの影響の大きさがうかがえる。青年時代のハンサムで颯爽としたワトソンを演じたデビッド・バーク、壮年期を迎えて包容力と威厳の増したワトソンを演じたエドワード・ハードウィックは、ともに視聴者から絶大な支持を得た。
こうした製作者たちの誠実で妥協のない姿勢は、一級のホルメジアン(シャーロッキアン)たちからも高い評価を得た。
番組のヒットは新たなホームズファンの獲得にも貢献した。原作本は飛躍的に売り上げを伸ばし、ロンドンのホームズ・ソサエティーは会員数を二倍にした。
しかし製作期間が10年と言う長期に及ぶ中、ジェレミーの持病(心臓病)が悪化。そのためシリーズ最末期には、シャーロックは出番を兄マイクロフトとワトソンに譲り、ほとんど登場しなくなってしまった。ジェレミーは多くの人に惜しまれながら、1995年、61歳という若さで第6シーズン終了後に死去。18本の未映像化作品を残して本シリーズは終了した。
英国が誇る作品の映像化であり、シリーズが長く続いたこともあって、この『シャーロック・ホームズの冒険』には、当時のスターはもちろん、後に有名になった役者も、端役で出演している姿が多くみられる。
「ショスコム荘」では若き日のジュード・ロウが馬の世話係の若者役を演じている。
シリーズの終盤「犯人は二人」ではハリー・ポッターシリーズの魔法省大臣コーネリウス・オズワルド・ファッジ役のロバート・ハーディが、恐喝王チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートンを怪演。
「三破風館」ではワトソン役のエドワード・ハードウィックの実の娘が出演している。
本シリーズは日本でもNHKにより紹介された。
日本でもなじみ深いホームズの活躍は、ドラマの質の高さもあって大好評を博し、シリーズ完結後も繰り返し放送される大ヒット作となった。
吹き替えを担当したベテラン俳優露口茂の声はジェレミーよりやや低く、演技もエキセントリックなジェレミーに比べると落ち着いたものとなっている。一方、露口独特のクールな口調により、ホームズのシニカルで気取り屋な面が強調された。
NHK版は、元々1時間の番組が、放送枠に合わせ45分に編集されたため、やや説明不足な展開や、唐突な場面の切り替えなどがある。また、放送上問題があるとみられる部分も多くカットされている。DVD化にあたって、これらのカット部分についても吹き替えが収録されたが、露口がすでに事実上の引退状態にあったため代役があてがわれ、違和感の残るものとなってしまった。
製作スタッフ(監督・脚本・演出は各話に記載)
原作:サー・アーサー・コナン・ドイル
製作:マイケル・コックス/ジューン・ウィンダム・デービス
音楽:パトリック・ゴワーズ
制作:英グラナダ・テレビジョン
放送:英国ITVネットワーク/NHK
NHK日本語版スタッフ
翻訳:額田やえ子(「サセックスの吸血鬼」:宇津木道子)
演出:蕨南勝之
制作:テレシス
登場人物
★以下、人物名(演者・NHK版声優/追加収録版の声優)
シャーロック・ホームズ(演:ジェレミー・ブレット 声:露口茂/諸角憲一)
世界で最も著名で有能な私立探偵にして、世界唯一の諮問探偵。レストレード警部などからは嫉妬からかやや否定的で皮肉な態度をとられることもあるが、スコットランドヤードでも彼の才能は深く尊敬されていてクリスマスパーティーに呼ばれるほどである。(「ボール箱」より)
原作では怜悧な頭脳に正義感の強さを兼ね備え、時には人情への機微も窺えるものの、傲慢で気取り屋、かつ独善的な人物という印象が強い。対してドラマでは人情家としての一面が強調され、また兄が所持する父親の拡大鏡に執着したり、(「金縁の鼻眼鏡」)ワトソンへのクリスマスプレゼントに悩まされたりと(「ボール箱」)お茶目な部分を多く見せている。
ジョン・H・ワトソン(初代・第1第2シリーズ)(演:デビッド・バーク 声:長門裕之/金尾哲夫/立木文彦)
インド(原作ではアフガニスタン)で軍医として従軍していたが、部隊が敵の急襲を受けた際に足に傷を負い、傷病兵となりイギリス本国へ送還される。物価高のロンドンで部屋代を節約するためにルームシェアを視野に入れ、新たな下宿先を探していた所を、研修医時代の友人の紹介により、同じくシェアリング目的で同居相手を探していたホームズと出会うことになる。そして2人が共同で探し出した下宿先がベーカー街221番Bであった。
相当の変人で良い同居人とは口が裂けても言えないホームズの性格も受け入れ、彼の無茶な要求にもほぼ黙って付き合う寛大な性格の持ち主。
しばしば不思議な行動を取る同居人に興味を持ち、彼の素性を知って後は、自らホームズのパートナーとなり、伝記作家として数々の事件を記録し発表していく。
演者のデビッド・バークは「家族と過ごす時間を持ちたい」という理由から「最後の事件」を最後に降板した。彼の後を受け継ぎ、エドワード・ハードウィックが壮年期のワトソンを演じることになる。
ジョン・H・ワトソン(2代目・第3~第6シリーズ)(演:エドワード・ハードウィック 声:福田豊土]/園江治/宝亀克寿)
原作ではメアリー・モースタン嬢と結婚し(「四つの署名」)医師として開業、ベーカー街を去るが、ドラマでは夫人について描かれておらず独身のまま。
ホームズが「最後の事件」でのモリアーティとの対決から再びベーカー街へ戻るまでには数年間のブランクがある。このため若々しく元気なバークのワトソンから、円熟味を増して落ち着いたハードウィックのワトソンへの交代は、この劇中での時間経過に丁度良くあてはまり、視聴者にも自然に受け入れられた。
ハドスン夫人(演:ロザリー・ウィリアムズ 声:竹口安芸子)
ホームズとワトソンが下宿するベーカー街221番Bの女将さん。世話好きでお茶目な、かわいいおばあさんである。
当初は頑固で自分勝手なうえ、部屋を荒らしまくるホームズに悲鳴を上げていた。しかし次第に慣れ、彼の奇矯なふるまいを軽くあしらい、そればかりか仕事にも積極的に協力するようになっていく。
マイクロフト・ホームズ(演:チャールズ・グレイ 声:松村達雄 9話から:久米明)
年の離れたホームズの兄。弟シャーロックより頭脳明晰だが、探偵としては最も必要な行動力に欠けるというのが兄弟一致の見解。だがドラマでは弟を助けて様々な活躍をみせる。風変わりなディオゲネス・クラブの創立メンバー。数字に明るいため政府の重要な会計監査のポストに就きホームズに「マイクロフトは政府そのもの」と言わしめる。(ギリシャ語通訳)
父親の遺品の拡大鏡を携帯しており、それを見たホームズが「皮肉なものだ」とため息をつく場面もあった。(「金縁の鼻眼鏡」)
各シーズン別作品リスト、及び各作品の解説
第1シーズン(『シャーロック・ホームズの冒険』The Adventures of Sherlock Holmesより)
テレビ版構成:ジョン・ホークスワーク
製作:マイケル・コックス
製作補佐:スチュワート・ドウティ
第1話「ボヘミアの醜聞」(A Scandal In Bohemia)
ホームズが後々まで「あの人」と呼ぶ、エレーナ・アドラーが登場する。声優陣も豪華な顔ぶれの記念すべき第一回。
<あらすじ>
ボヘミア国王の依頼でホームズとワトソンは王にとって不都合な写真の回収にのり出す。
変装しエレーナ・アドラーの屋敷に乗り込んだホームズは火事を装い写真のありかを見つけることに成功、意気揚々とベーカー街に帰還するが・・・。
初放送時間 英国:1984年4月24日21時/日本:1985年4月13日22時30分
監督:ポール・アネット
脚色:アレキサンダー・バロン
美術:マイケル・グライムズ マーガレット・クームズ ティム・ワイルディング
<出演>
エレーナ・アドラー(演:ゲイル・ハニカット 声:三林京子)
ボヘミア国王(演:ウルフ・カーラー 声:内藤武敏])他
第2話「踊る人形」(The Dancing Men)
子供のいたずら書きのような「踊る人形」は、実は犯罪者の暗号で、そこには恐ろしい意味があった。暗号物の原点と言われ、ミステリ史上の観点からも評価の高い一遍。
<あらすじ>
ホームズとワトスンは、ヒルトン・キュービット氏から妻がおびえる「踊る人形」について相談を受ける。二人は「踊る人形」の謎をとくため、ノーフォークの荘園へ出発する。
ヒルトン・キュービットの愛妻、エルシーは絵文字の件でひどく怯えていた。ホームズはその絵文字がアルファベットを置き換えた暗号文であると推理、さっそく解読を始める。
やがて事件は思わぬ展開を見せるのだった。
第3話「海軍条約事件」(The Naval Treaty)
季節に合わせ、ホームズが胸ポケットに黄色い花を挿した白い麻のスーツと言う、爽やかな印象の夏服を披露している。
原作でもホームズの茶目っ気を表すポイントとなっている、クライマックスの朝食場面だが、当初監督はこれをカットしようとしていた。しかし他ならぬジェレミーの猛反対により、名場面が実現した。
第4話「美しき自転車乗り」(The Solitary Cyclist)
第5話「まがった男」(The Crooked Man)
第6話「まだらの紐」(The Speckled Band)
ホームズに詳しくない人でも、これと”バスカビル”なら何となく知っている、と言うほど有名な物語。ホームズがロープを伝ってきた「何か」を一打ちするクライマックスシーンが、見事に再現されている。
第7話「青い紅玉」(The Blue Carbuncle)
クリスマスに起きた事件。ホームズが哀れな犯人に対し、”愛と寛容の日”にかこつけて寛大な処置をとる。ワトソンのフォローも相まって、物語の幕引きが特に後味の良いものとなっている。
第2シーズン(『シャーロック・ホームズの冒険』The Adventures of Sherlock Holmesより)
第8話「ぶなの木屋敷の怪」(The Copper Beeches)
第9話「ギリシャ語通訳」(The Greek Interpreter)
ギリシャ語通訳では、兄のマイクロフト・ホームズが初登場。
英国一風変わりなクラブ「ディオゲネスクラブ」も登場して、原作同様、奥の応接室以外では一切の発言や交流は禁じられている。
物語の展開は、引導を渡す人物が原作と異なっており、「シャーロック・ホームズは女性に手厳しい」という点を強調した形となっている。
第10話「ノーウッドの建築業者」(The Norwood Builder)
イタチのような姿のレストレード警部(演:コリン・ジェボンズ)が初登場する。
ホームズが立てている推理とは、ことごとく異なる事実が浮かぶ事件で、珍しくホームズが弱音を吐露する場面があり、そんな彼を励ますワトソンとの友情が垣間見られる逸話である。
そして、レストレード警部が発見した、ある証拠がきっかけとなり、ホームズは俄然、活気を取り戻すのである。
第11話「入院患者」(The Resident Patient)
第12話「赤髪連盟」(The Red-Headed League)
前代未聞の「赤髪連盟」の秘密の裏には周到に練られた犯罪が隠されていた。
ヨーロッパでは赤い髪の持ち主に対し、無知や偏見から歴史的に酷い差別が行われてきたという背景があり、それが事件を成立させるうえで重要なファクターとなっている。
<あらすじ>
ワトソンが見せられた新聞の赤毛連盟員募集は奇妙なものだった。
「アメリカ、ペンシルバニア、レバノンの故エゼキア・ホプキンスの遺産を原資とした組合で、形だけの勤務で、週に4ポンドの給与を得る資格がある組合員の欠員が1名発生。21歳以上で、心身共に健全な赤毛の男性ならだれでも応募資格あり。本人が応募すること。月曜日11時に、フリート通り、ポープズコート 7リーグの事務所のダンカン・ロスまで。」
赤毛の質屋店主リチャード・ウィルソンは、新聞広告の「赤髪連盟」という団体の欠員募集の記事を、店の使用人であるヴィンセント・スポールディングから教えられ、半信半疑で応募する。担当者のダンカン・ロスに気に入られ、早速採用となったウィルソンは「4時間、大英百科事典を書き写す」という簡単すぎる仕事をこなし、多額の報酬を受け取る。
ところがある日彼が出勤すると突如、赤髪連盟は解散・消滅しており事務所はもぬけの殻になっていた・・・。
第13話「最後の事件」(The Final Problem)
人知れずロンドンの悪党たちを支配し、数々の事件の裏で暗躍していたモリアーティ教授が、自分の仕事を妨害し続けてきたホームズを暗殺すべく動き出す。心理的・頭脳的な駆け引きを経て、ホームズはスイス・ライヘンバッハの滝で教授と最後の対決に挑む。
ロンドンを脱出しようとするホームズと、それを阻もうとするモリアーティ教授の読み合いは、ゲーム理論のお手本として知られている。
<あらすじ>
「モナ・リザ盗難事件」の捜査を依頼され 見事、犯人のメンドーサをとらえたホームズは勲章を授与されたが、一方で事件の黒幕ジェームズ・モリアーティ教授の逆鱗に触れる。
追い詰められたモリアーティ教授はホームズと面会・宣戦布告し、ならずものにホームズを襲わせるがすべて失敗。命からがらホームズはワトソンとともにロンドンを脱出する。モリアーティ教授は特別列車を仕立てホームズたちを追い、ついにライヘンバッハの滝でホームズとモリアーティ教授は、命を懸けた最後の戦いに挑む。
監督:アラン・グリント
脚色:ジョン・ホークスワース
美術:ティム・ワイルディング
<出演>
ジェームズ・モリアーティ教授(演:エリック・ポーター 声:南原宏治)他
立ち込めた暗雲
第1、第2シーズンの出来に満足したプロデューサーのマイケル・コックスが、作品の将来に自信を得て一線を引き、エグゼクティブプロデューサーとなったとたん、グラナダは製作費を大幅にカットするという悪手に出た。
さらにジェレミーは愛する妻ジョアンと死別し、その影響で双極性障害が悪化する。悪いことにこの辛い時期と「最後の事件」の撮影が重なったうえ、プライベートでも友人である、ワトソン役のデビッド・バークが降板を決めるなど、ジェレミーにショックを与える出来事が重なった。
この中で一つの救いだったのが、デビッドとその妻アンナが、ワトソン役の後任となるエドワード・ハードウィックと昔からの友人であったことである。デビッドは自身を以ってエドワードをワトソン役に推薦し、ジェレミーにもそのように話した。ジェレミーもエドワードとは面識があったため賛成した。グラナダも早速コンタクトをとった。こうしてワトソンがワトソンを選んだ交代劇はスムーズにまとまった。
第3シーズン(『シャーロック・ホームズの帰還』The Return of Sherlock Holmesより)
第14話「空き家の怪事件」(The Empty House)
この回からワトスン役はエドワード・ハードウィックに交代した。
ライヘンバッハの滝の死の淵から奇跡的に帰還したホームズはワトソンと再会。モリアーティ教授の残党で最も危険な人物、セバスチャン・モラン大佐と対決する。
死んだと思っていたホームズが突然目の前に現れ、肝を潰して失神するワトソン、流石にやりすぎたと狼狽えた様子を見せるホームズ、案外ノリノリで危険な役割を引き受けるハドソン夫人と見どころ満載。
<あらすじ>
ロナルド・アデア卿が不可解きわまりない謎の死を遂げる。ワトソンも事件にかかわるが謎は解けない。そんな中、ライヘンバッハの滝で死んだと思われていたホームズが、変装して再びロンドンに戻ってくる。彼はモリアーティ教授の残党の報復を逃れるため各地を転々としていたのだ。
ワトスンは、古本屋の主人の変装を解いたホームズと再会し、喜びを分かち合う。
二人は、モリアーティ一教授の最も残忍で凶暴な残党、セバスチャン・モラン大佐と対決するため夜のロンドンの街へと出発する。空き家で待ち受ける二人の前に現れたモラン大佐。彼が手にする得物は他でもない、ロナルド・アデア卿を無きものにした組み立て式の恐ろしい空気銃だった・・・。
第15(18)話「修道院屋敷」(The Abbey Grange)
別題:アヴェ農園
「僕は若い頃、何度か失敗したことがある。その時に思ったんだ。英国の法よりも、己の良心に従おうとね。」
法よりも自らが信じる正義を重んじるという、ホームズ独特の倫理観が色濃く表れたエピソード。もしも事あれば、ともに大きな罪を負うことになるとわかっていながら、あえてワトソンを巻き込むホームズ。常識的な紳士であるワトソンが、それを承知の上で協力する。二人が互いに寄せる信頼感が、物語に厚みを増している。
「ワトスンとハードウィックのどちらも、紳士たるにふさわしい。」ジェレミーは Gentleman of the jury(陪審員の皆さん)というセリフの最初の単語を Genlte man とわざと区切ることで、ホームズのベストパートナーであるワトソンと、新たな相棒となったハードウィックに対する敬意を表現した。
第16(17)話「マスグレーブ家の儀式書」(The Musgrave Ritual)
第17(16)話「第二の血痕」(The Second Stain)
危うく火事を出しかけるホームズ&ワトソン、僅かな時間のうちに書簡を探し出そうと現場を探る緊迫感溢れる場面、まさに瀬戸際、ギリギリ崖っぷちで披露するホームズの手技など、視聴者を飽きさせない展開。ラストシーンで見せるホームズのガッツポーズでも有名。
第18(19)話「もう一つの顔」(The Man with the Twisted Lip)
邦訳題「唇のねじれた男」
第19(15)話「プライオリ・スクール」(The Priory School)
第20話「六つのナポレオン」(The Six Napoleons)
第4シーズン(『シャーロック・ホームズの帰還』The Return of Sherlock Holmesより)
第21(23)話「悪魔の足」(The Devil's Foot)
「悪魔の足」の実験を行ったホームズが、珍しくワトソンを「ジョン!」とファーストネームで呼び「こんな危険な実験に君を巻き込むなんて」と真摯に詫びる。
この頃、長年患っていた双極性障害が悪化したジェレミーが、発作的に髪を自分で切ってしまったため、ホームズの前髪がギザギザ、全体にベリーショートになっている。
コカイン愛好家(中毒患者)として知られるホームズが、砂浜に注射器を埋めて悪癖を断ち切るオリジナルシーンが挿入されている。これはジェレミーのアイディアによるもので、ジェレミーは事前にホームズの版権を保持していたドイルの次女、ジーンに連絡を取り、快諾を得た。ジェレミーはホームズのこの悪癖についての描写がやり過ぎだと感じていた。また若い視聴者に対し、ホームズは薬に頼ったりしないというメッセージを送りたかったと語っている。
第22話「銀星号事件」(Silver Blaze)
第23(24)話「ウィステリア荘」(Wisteria Lodge)
第24(25)話「ブルース・パーティントン設計書」(The Bruce-Partington Plans)
第25(21)話「四人の署名」(The Sign of Four)NHK放送時は前後編。
第26話「バスカビル家の犬」(The Hound of the Baskervilles)NHK放送時は前後編。
第5シーズン(『シャーロック・ホームズの事件簿』The Casebook of Sherlock Holmesより)
第27話「レディ・フランシスの失踪」(The Disappearance of Lady Frances Carfax)
才気煥発な女性ながら、上流階級ゆえに自由な生き方を許されないレディ・フランシスの苦しみが描かれている。原作では救出後、順調な回復ぶりを見せるレディ・フランシスだが、グラナダ版では廃人同様となってしまう。棺の中身を察することができなかったホームズも、失敗したと呟き、沈鬱な表情を見せている。
第28(29)話「ソア橋のなぞ」(The Problem of Thor Bridge)
依頼人が金鉱王ギブソンから、家庭教師のミス・ダンバーに変更されている。
トリックの検証実験として、何気ない流れで自分の銃を川に沈められてしまうワトソン。「私の銃は!(my revolver, Holmes!)」と思わず一言。
劇中にホームズがアーチェリーを撃つ場面があり、ここで初めてジェレミーが左利きだと気付いたファンも多い。
- アーチェリーはジェレミーの幼いころからの趣味でもある。
第29(28)話「ボスコム渓谷の惨劇」(The Boscombe Valley Mystery)
第30(31)話「高名の依頼人」(The Illustrious Client)
ホームズ曰く「オーストリアの殺人鬼」ことグルーナー男爵が登場。彼の陰謀を阻止するべく、犯罪目的の結婚を阻もうとするホームズを、強漢に襲わせ重傷を負わせる。
第31(30)話「ショスコム荘」(Shoscombe Old Place)
厩舎を舞台に重要人物が行方不明・傲慢で気難しい馬主・マジックの種明かしのような結末など「銀星号事件」を彷彿とさせる。
<あらすじ>
ショスコム荘のサー・ロバート・ノーバートンは、有り金すべてを自身の競走馬ショスコム・プリンスに賭けチャンピオン・ステークスで優勝させて全ての借財を清算しようとしていた。
そんな中、ショスコム荘の調教師ジョン・メイスンから相談を受けたホームズ。
仲の良かったサー・ロバートと姉のレディ・ビアトレス・フォルダーは突然 不仲となり挨拶もしないという。
さらに突然、屋敷の炉の中から人間の骨(大腿部上部骨瘤)が発見されたという。サー・ロバートとひと悶着あった金貸しのサミュエル・ブルーワーが失踪し事態は一層混迷を極める。
ホームズ・ワトソンは現地に赴き捜査を始める。
ホームズたちは湖の近くでレディ・ビアトリスの愛犬ショスコム・スパニエルを散歩させるサンディ・ベインと出会い 古い礼拝堂のことを教えられる。
礼拝堂には人のいた気配があり周囲にはトラばさみが仕掛けられるなどただならぬ空気が漂っていた・・・。
<出演>
サー・ロバート・ノーバートン(演:ロビン・エリス 声:佐々木功)
レディ・ビアトリス・フォルダー(演:エリザベス・ウィーバー 声:藤波京子)他
第32話「這う人」(The Creeping Man)
<あらすじ>
自然科学者ロジャー・プレスベリ教授は、自分の娘ほど年の離れたモーフィー教授の娘と婚約した。一方、教授の娘イーディスは、深夜に寝室の窓の外に怪しい人影を目撃する。プレスベリ教授は月夜に夢でも見たのだろうと取りあわないが、イーディスの婚約者ジャック・ベネットは彼女が嘘をついているとは思えずホームズに相談する。
第33(34)話「犯人は二人」(The Master Blackmailer)
モリアーティ教授以来の強敵、恐喝王ミルバートンが登場。ハリー・ポッターシリーズの魔法省大臣ファッジ役でおなじみのロバート・ハーディが怪演している。
上流階級に潜り込み、女性たちの過去の過ちに付け込んで大金を巻き上げる、唾棄すべき男ミルバートン。
ことが恐喝であるため事件を表沙汰にできないホームズは、ミルバートンに対して屈辱的な交渉しかまっとうな解決手段を持てない。結局、悪党に鉄槌を下したのは復讐者であり、その人物に共感するホームズとワトソンは、復讐者を守るために行動する。
大いなる真の正義を実現するためには、多少の道徳にもとる行為や犯罪行為も辞さないという、ホームズの独特な思想が物語を貫く。クライマックスでホームズは「正義」を象徴するギリシャの女神、アテナの胸像を打ち壊している。
<あらすじ>
ホームズは 某侯爵未亡人から富豪専門の恐喝王の存在を知らされる。
「今後 被害にあう人たちを救って欲しい」という侯爵未亡人の願いに心を打たれたホームズは依頼を引き受ける。手掛かりは手帳に書かれた「C・A・M(=悪魔)」のみ。
ドーキング大佐とシャーロッテ・マイルズ令嬢の婚約が破談になり、絶望の大佐は銃ですべてを終わらせる。
ドーキング大佐は亡くなる直前にホームズに依頼しようとして手紙を残していた。
ポータが手紙を持参、レストレード警部がそれを尾行しベーカー街221Bへやってくる。
手掛かりをもとに捜査を開始したホームズはやがて恐喝王の正体がチャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン(=C・A・M)であることにたどり着く。
次の被害者がレディ・エヴァ・ブラックウェルであることを知ったホームズは、彼女を救うべくミルヴァートンと対決するが、相手の方が上手であり為す術がない。
最後の手段として、ホームズはワトソンとともにハムステッドヒースの屋敷に赴きミルヴァートンの留守中に侵入、不都合な手紙を処分しようとするが、そこに意外な人物が現れる……。
監督:ピーター・ハモンド
脚色:ジェレミー・ポール
製作:ジェーン・ウィンダム・デービス
<出演>
チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン(演:ロバート・ハーディ 声:田中明夫)
レディ・ダイアナ・スインステッド(演:ノーマ・ウエスト 声:池田昌子)
レディ・エヴァ・ブラックウェル(演:セリーナ・ゴードン 声:玉川沙巳子)
レストレード警部(演:コリン・ジェボンズ 声:川辺久造) 他
第34(33)話「サセックスの吸血鬼」(The Last Vampyre)
原作を大幅に改編して「ある種の人間は、催眠術のような方法でスポンジのように相手の精気を吸い取る才能を有する」という観点で「吸血鬼は実在する」というストーリーになっている。
<あらすじ>
ホームズとワトスンは、サセックスにあるワトソンの旧友ファーガスンの屋敷をたずねる。
村ではストクトンという新参者が「吸血鬼である」といううわさが流れ不穏な空気が漂っていた。時同じくしてインフルエンザが猛威を振るいワトソンは診察・治療を頼まれる。
ホームズはストクトンとともに彼の先祖が棲んでいたという廃墟を訪れ、生気を吸い取られるような奇妙な体験をする。
第35話「未婚の貴族」(The Eligible Bachelor)
原作「独身の貴族(または『花嫁失踪事件』)に「覆面の下宿人」の要素が組み込まれ「捜査の依頼主であるロバート・セント・サイモン卿は実は加害者だった」という原作とは異なるストーリーになっている。全体的にゴシックホラーめいた怪奇的な演出が、やや過剰なまでに施されており、原作ファンからの評判は芳しくない。
<あらすじ>
危険を求めて、夢遊病者のように夜の街を徘徊するホームズは、当初サイモン卿の花嫁失踪事件にはあまり興味を抱かず「黒いベールの女性(=アグネス・ノースコート)」に心奪われていく。
「姉のヘレナ・ノースコートを見つけてほしい」というアグネスの願いに、ホームズは行動を開始する。事件の鍵を握る女優のフローラ・ミラーに面会するホームズだったが、情報は得られず、フローラはサイモン卿に劇場で襲われ命を落とす。
一方、行方の分からなくなっていた花嫁ヘンリエッタは、危険をかえりみずサイモン卿の城グレーブルに足を踏み入れていた・・・。
第6シーズン(『シャーロック・ホームズの思い出』The Memoirs of Sherlock Holmesより)
第36話「三破風館」(The Three Gables)
<あらすじ>
ホームズはボクサーのスティーブ・ディクシーに「ハーロウに近づくな」と警告を受ける。
ハーロウの「三破風館」の老女主人から依頼を受けていたホームズは、事件の背後に何かあるとにらみ調査に乗り出す。ホームズは情報屋のラングデール・パイクに会い、事件の黒幕が絶世の美女・イザドラ・クラインであることを知る。
ドイツ砂糖王の未亡人で社交界の花形、イザドラ・クラインは、その美貌で若きローモンド公爵の愛を勝ち取る。結婚を望まない公爵の母から相談を受けたホームズは「過去の醜聞を暴露すれば婚約を破談にできる」と約束する。
監督:ピーター・ハモンド
脚色:ジュレミー・ポール
美術:マイケル・ヤング
<出演>
イザドラ・クライン(演:クローディーヌ・オージェ 声:田島令子)
情報屋ラングデール・パイク(演:ピーター・ウィンガート 声:小松方正)他
第37話「瀕死の探偵」(The Dying Detective)
映画「タイタニック」で、ホワイト・スター・ライン経営者のブルース・イズメイ役や、「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」のチェンバレン博士役で印象的な演技を見せたジョナサン・ハイドが、熱病の研究者カルバートン・スミスを演じている。
<あらすじ>
アデレード・サベッジ夫人から、夫ビクターのアヘン中毒の件で相談を受けたホームズだが「医者のワトソンの領域」として関心を示さない。
しかしビクターの様態が急変、いとこのカルバートン・スミスが専門とする珍しい熱病で死亡するという事態を受け、ホームズは周到に練られた事件であると確信する。
遺言ですべての財産がカルバートン・スミスの物となり、アデレード未亡人とその子たちは路頭に迷うこととなる。ホームズはスミスの屋敷を訪れ、公然と彼を面罵する。
数日後、ホームズ宛にローデシアたばこの入った小包が届くのだが、開封後、彼は瀕死の重態になってしまう。狼狽したハドソン夫人はワトソンを呼ぶ。しかしホームズは診察を拒否、カルバートン・スミスを連れてきてほしいとワトソンに頼むのだが・・・。
監督:セーラ・へリングス
脚色:T・R・ボウエン
美術:クリストファー・トルーラブ
<出演>
ビクター・サベッジ(演:リチャード・ボネビル 声:池田秀一)
アデレード・サベッジ(演:スザンナ・ハーカー 声:萩尾みどり)
カルバートン・スミス(演:ジョナサン・ハイド 声:有川博)他
第38(40)話「金縁の鼻眼鏡」(The Golden Pince-Nez)
ワトソン役のハードウィックが映画「永遠の愛に生きて」の撮影中だったため、ワトソンの代わりに兄マイクロフトが登場し捜査を共にする。
本来、自分が(職業的にも)譲られるべきだった父の拡大鏡を持っている兄に大して、「皮肉なものだなぁ」と愚痴ったり、ホームズの推理原則ともいえる父の言葉を確かめ合ったりと、原作にはなかったホームズ兄弟の関係性が垣間見られる話となっている。
また、事件自体も気難しく自分勝手な屋敷主人、癖のある家政婦、隠し部屋のトリックにそこから出てくる犯人など「ノーウッドの建築士」事件を彷彿とさせる。
そして、ドラマ版では共通した流れとなっているが、「悪しきことをした人物に対する、当然の報い」が最後に待っているのである。
<あらすじ>
コーラム教授の秘書・ウイロビー・スミスが何者かに襲われ非業の死を遂げる。手には犯人のものと思われる「金縁の鼻眼鏡」が握られていた。
スコットランドヤードのホプキンズ警部はシャーロック・ホームズに捜査協力を依頼、兄マイクロフトとともにコーラム教授の屋敷へと調査に向かう。
兄マイクロフトの助言と、彼がこぼしたかぎたばこに残された足跡から、ホームズは消去法で「犯人はまだ屋敷の中にいる」と確信する。
監督:ピーター・ハモンド
脚色:ゲーリー・ホプキンズ
美術:マイケル・ヤング
<出演>
コーラム教授/セルゲイ(演:フランク・フィンレイ 声:宮部昭夫)
ホプキンズ警部(演:ナイジェル・プラナー 声:樋浦勉)
スーザン・タールトン(演:ナタリー・モース 声:麻生侑里)他
第39(38)話「赤い輪」(The Red Circle)
<あらすじ>
「英雄の名はジェナーロ、敵役の名はジョルジアーノ。二人はともにエミリアを愛した」
冒頭、ワトソンの詩のようなフレーズで「赤い輪」の事件は幕を開ける。
ハドソン夫人の友人、ウォーレン夫人は、2週間外出しようとしない下宿人の件でホームズに相談に来た。
「ハドソンさんは、ぼくが2週間引きこもりでも気にしないでしょ」と言い放つホームズ。
ホワイトスター号でアメリカからわたってきた下宿人エミリア・ルッカは、夫のジェナーロとともにイタリアの秘密結社「赤い輪」から逃げてイギリスにやってきたところだった。
アメリカからの逃避行、二人には「赤い輪」のボスで「黒いジョルジアーノ」の血に染まった魔の手が迫っていた。
二人をかくまったエンリコ・フィルマー二は、ジョルジアーノに殺されてしまう。
そこにピンカートン探偵社のレバートンが渡英し捜査に加わる。
事件は思わぬ顛末を迎えることとなった。
放送時間:英国・1994年3月28日21時/日本・1994年7月29日20時
監督:セーラ・へリングス
脚色:ジェレミー・ポール
美術:クリストファー・ぺムゼル
<出演>
ウォーレン夫人(演:ベティ・マースデン 声:今井和子)
ミスター・ウォーレン(演:ケネス・コナー 声:山野史人)
黒いジョルジアーノ(演:ジョン・ハラム 声:大塚周夫)
グレグズン警部(演:トム・チャドボン 声:江角英明)他
第40(41)話「マザランの宝石」(The Mazarin Stone (with The Three Garridebs)
「三人ガリデブ」の話とあわせ、一つの物語に仕立てられている。ジェレミー・ブレット体調不良のため、弟シャーロックに代わり兄マイクロフトが登場している。
<あらすじ>
マザラン枢機卿にちなんで名づけられたという、100カラットのダイヤモンド「マザランの宝石」が博物館から盗まれた。政府は極秘捜査をシャーロック・ホームズに依頼しようとするが、あいにくシャーロックはロンドンを離れており、代わりに彼の兄、マイクロフトが捜査を引き受ける。
最後に博物館を出たのはネルグレット・シルビアス伯爵だったが、警部は警視総監から「その線は深追いするな」と言われたという。マイクロフトは以前から遺恨のあるならず者のシルビアス伯爵こそが犯人だと確信する。
時を同じくして、ワトソンは恩師のガリデブが巻き込まれた、奇妙な遺産相続の絡む「三人ガリデブ」事件を捜査することになる。
調べるうちに、関係者のジョン・ガリデブの正体が、本名ウィンターという前科持ちで、ガリデブ家の前の下宿人で宝石職人の、故ロジャー・プレズベリの下で働いていたことが明らかになる。
監督:ピーター・ハモンド
脚色:ゲーリー・ホプキンズ
美術:クリストファー・トルーラブ
<出演>
ネルグレット・シルビアス伯爵(演:ジョン・フィンチ 声:中野誠也)
ジョン・ガリデブ(=ウィンター)(演:ギャバン・オハリヒー 声:田中正彦)
アグネス・ガリデブ(演:フィリス・カルバート 声:水城蘭子)
ネイザン・ガリデブ(演:セバスチャン・ショー 声:松村彦次郎)
エミリア・ガリデブ(演:バーバラ・ヒックス 声:波沼輝江)
ジェンキンズ(演:マイケル・ウィン 声:天田益男)
第41(39)話「ボール箱」(The Cardboard Box)
原作は「不倫のにおいがする」としてイギリス本国では評判芳しくない。箱に入れられた耳もグロテスクであり、少々気味の悪いお話となっている。
但し、最後の場面で発するホームズの発言は、原作同様であり、2022年現在ですら、明確な答えが出ていない、人間の抱える矛盾なのである。
<あらすじ>
スーザン・カッシングから妹のメアリーを探してほしいと相談されたホームズは単なる家出人の捜索に興味を示さず「人探しの相談所でもあたればいいでしょ」と冷たい。
しかしクリスマス前にスーザン・カッシングのうちに小さなボール箱が届き、開けてみるとそこには切り取られた耳がふたつはいっていた事でスコットランドヤードは連続墓荒らし事件との関係を憂慮、ホーキンズ警部から相談を受けたホームズは捜査に乗り出す。
監督:セーラ・へリングス
脚色:ウィリアム・ハンブル
美術:マイケル・ヤング
<出演>
スーザン・カッシング(演:ジョアンナ・デビッド 声:吉野由樹子)
セーラ・カッシング(演:デボラ・フィンドレー 声:宗方智子)
ジム・ブラウナー(演:キアラン・ハインズ 声:銀河万丈)
マーセル・ジャコテット(演:ティアリー・ハーコート)
メアリー・ブラウナー(演:ルーシー・ホワイブロー 声:佐々木優子)
ホーキンズ警部(演:トム・チャドボン 声:江角英明)他
関連イラスト
別名・表記ゆれ
グラナダ版 シャーロック・ホームズの冒険