概要
松竹が製作したホラー映画『吸血鬼ゴケミドロ』に登場する吸血地球外生命体。
空飛ぶ円盤に乗って地球に襲来したアメーバ状、または水銀状の生物で、宇宙を航行する円盤を運用するだけの、地球人を超える高い知能と科学力を持ち、宿主とした生物を操って吸血する。
人間の額を割って脳内に侵入・寄生して吸血鬼に変えてしまい、円盤と接触して墜落した旅客機の、個性的な生存者たちに次々と襲いかかる。
一説によると惑星QXの頭蓋が大きく発達した人間もどきの高等生物が、科学的な処置を受けて水銀状の知的生命体に進化したもので、食糧となる血液が不足したために地球に訪れたのだといわれる。
余談
- 元は1967年にピープロダクションが企画したテレビ特撮の企画で、高山良策造形の腕が三本ある毛むくじゃらの宇宙生物ゴケミドロが歩き回るパイロットフィルムが撮影された。
- 命名は発案者であるピープロのうしおそうじによるもので、京都の「西芳寺/苔寺(こけでら)」と「深泥池(みどろいけ)」を組み合わせ、さらにコケミドロだと「映画がコケる」を連想させるためにゴケミドロとした。
- 松竹宣伝課によって「ゴ・ケミ・ドロ」を意味しているとされ、ゴは「ゴルゴタの丘」から頭蓋骨を、ケミは「ケミカル」からで科学的処置を受けている存在であることを、ドロは「アンドロイド(人間もどき)」から取られたと紹介された。
- アメリカの映画監督のクエンティン・タランティーノは本作のファンであり、映画秘宝でのインタビューによると『キル・ビル』でザ・ブライドが来日する際の真っ赤な夕焼け空を飛ぶ飛行機のシーンはゴケミドロへのオマージュとの事。