サクリファイス・ブリンガー
さくりふぁいすぶりんがー
ネタバレ注意!
「妖刀の力は私のものだーッ!!!!」
名前の時点でネタバレも何も無いが、治安局副総監ジャスティン・ブリンガー長官が、エーテリアスとも違う怪物と化した姿。パエトーン図鑑にはこの特殊な変異が「サクリファイス化」と記載されている。
十年前の旧都陥落の際大きな活躍を遂げ英雄と讃えられるも、権力を得た現在ではメディアに媚びる日和見主義者に成り下がったと言われていた彼。
しかし実際は旧都陥落に関与し、新エリー都を影から操る謎の一派の一員であり、ゼンゼロ第一部の事件は全て彼(と同胞のサラ)が手を引いていた。
第五章でパールマンのタレコミによりサラの共犯者と明かされるが、同時に私兵達に対ホロウ6課やパエトーン兄妹を襲撃させ、長官の権力まで使い、雅とその妖刀骸討ち・無尾を手中に収めてしまう。
しかし朱鳶によって雅と刀は解放され、自身も各種証拠を抑えられてお尋ね者となり、脱出船があるポート・エルビス近くのホロウにて6課に追い詰められる。
だがブリンガーは然程慌てた様子もなく、刀から採取したエネルギーを元に作った謎のアンプル「Elixir P07」を自らに注射し、エーテリアス化とは似て非なる変異──サクリファイス化を果たした。
船に貯蓄していた大量のエーテルも吸収し、圧倒的な力を得た彼は、助太刀に来た邪兎屋、白祇重工、ヴィクトリア家政、カリュドーンの子、そして病院から抜け出した雅を含む6課、その全員を消すべく襲いかかる。
全身は白がベースで、目をいくつも持つ異様なまでに巨大な右腕など、全体的にヒトとはかけ離れた異形の姿。
でありながら、今までのエーテリアスではあり得ない、人間としての思考能力や会話能力を保っており、戦術的な行動を可能としている。これは通常のエーテリアス化と異なるサクリファイス化独自の特徴なのかもしれない。
自身と似た巨大な目を複数持つ腕を召喚・使役する能力を備え、さらに無尾から得た力で大きな刃を作り出し振るうなど、総じて脅威度は非常に高い。
全体的に機動力、攻撃力共に凄まじいボス。
一方でパリィ可能な攻撃も多く、雅を使った6課パーティ等であれば、パリィと極限回避で攻略可能でもある。
しかし途中で巨大な腕を召喚してパリィ不可な上避けにくい攻撃を仕掛けてくる他、エーテルを吸収して大きな刃を召喚する技は巨大な腕を倒さなければ中断できないなど、単に回避と反撃のみでは攻略できない性能を持つ。
パーティや腕前によっては大いに苦戦を強いられるだろう。
劣勢となり、妖刀の力を最大に解放して皆を亡き者にしようとするが、無尾の力を引き出した雅渾身の一閃により、脱出船やホロウの壁ごと切り裂かれ敗北・爆散。
それでも腕だけになって密かに生き延びていたが、唯一それに気づいたイアスとパエトーン兄妹が目の前に。
二人が旧都陥落のあの日「白い腕」が攫ったあの女の弟子だったと聞いたブリンガーは、道連れの自爆を測るが、二人に仕込まれた謎のインプラントにより通じずに終わる。だが自分の使命は果たしたと、兄妹を嘲笑しながら消えていった。
そしてこの真相は世間に公表できないと当事者のみの秘密となり、「郊外に逃げ延び行方不明」として処理された。
余談(ネタバレ含む)
- 五章に入ってから急に強引な手段に出た結果、揉み消し得た容疑を自ら確信に変え討たれる結果となったブリンガーだが、末期の態度からも「奪った妖刀で進めた研究結果を実証する」という忠誠さえ果たせれば、最悪他の全てはどうでも良かった節がうかがえる。
- サクリファイス(生贄)の意味も、彼やサラが神のように崇める"何か"に捧げる礎という意味だと推察できる。
- 彼が幼少期出会った「エーテルに侵食されたとして、我が身を犠牲に助けた人々から、最後に用済みとして郊外に切り捨てられた」英雄の話は、サラに語った態度から恐らく本当。現在の彼がこれ程堕ちた原点になったと思しい。