サー・マティアス
さーまてぃあす
「待っていたわよ、ジェス。さっそくだけど、次の仕事をお願いしたいのよ」
サー・マティアスは『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』の登場人物。
「サー」は敬称で名字は不明。たいそうな家柄の出身であるためか名字を隠しているらしい。
謎が多い30代ぐらいの男性だが、女言葉で喋る。今で言うオネエっぽい人(マティアス本人は「紳士」を自称している)。
豪邸に住んでおり、多くの召使いと暮らしている。
ジェス・リブルのことを高く買っており、駆け出しの頃から色々と仕事を回し、当時開発されたばかりのナチュラルでも操縦可能なOSを積んだモビルスーツ「レイスタ」をジェスに貸し出していた。
また、プレア・レヴェリーやセトナ・ウィンタースなどの複雑な過去を持った者達を保護していたことがある。
ネタバレ注意！！
実はマティアスは、本来世界を裏から支配する『一族』の後継者として育てられた姉妹の姉…として育てられていた。
「彼女」は、一族としての役割に疑問を持った姉妹の母を差し置いて、祖母から『一族』の長の座を譲られた。
母は一族のもとを去り、妹のマティスは独自に母の行方を探した。
その過程で、妹は母が祖母に殺されていたことを知る。
その事実に、妹は恐怖ではなく快感を覚えた。
「一族の目的のためには、たとえ血のつながった人間でも殺して良いのだ。だとすれば…私が姉を引きずり下ろしても問題はない」
そう考えてしまった妹は、姉を失脚させるための情報を集めたが、姉は完全だった。
妹は今の姉から失点を探すことを諦め、姉の過去を探った。そして、ある事実を知った。姉の誕生に立ち会った人物が全員不可解な死を遂げていたことを。
姉が誕生した時、母は一族を崩壊させる恐ろしい罠を仕掛けていたのだ。
そして妹は、祖母に『姉』の秘密を暴露した。
一族は、長となる者を『女性』と掟で厳格に定めている。
男では、どんなに才能があろうとも、その任に就くことは許されない。
姉は動揺し、妹に陥れられたことに気づいた。
母の罠も、結局は妹に利用されたのだと。
「さようなら、お姉さま…だった人」
それが、兄マティアスにかけた、妹マティスの最後の言葉だった。
更なるネタバレ注意！！
一族を追放された後、マティアスは独力で一族に匹敵する組織を作り上げ、一族のやり方とは別の方法で人類の幸福を追求することとなる。
これは一族と同様の規模の組織を作って自分がその頂点に立つことで「迂闊にマティアスを暗殺すると、悪意ある者がその組織を受け継いで人類の脅威になる可能性がある」という状態を作り出し、一族から身を守るためでもあった。
尚、マティアスの能力は一族の歴史上においても突出しており、単独且つ独力で巨大組織や国家財産並みの財力を作れたのは特例中の特例とされる。
ナチュラルではあるが、一族の党首家系は数千年にかけて情報の扱いに優れた者同士で婚姻を続けてきたため遺伝子レベルで情報処理法力が強化されており、彼は自身の血統を「コーディネイター以上に遺伝子を弄んでいる」と評している。
ジェス達との出会いと交流によって、マティアスは一族がいなくても人類は生きていけることを確信。
一族を滅ぼすため、マティスが脱出するために用意していた艦に先回りして搭乗し、その艦を自爆させ、妹と心中する形で爆死した……。
尚、自分と関係のあった人物への助言として、「まるで生きている本人と会話をしているような」映像を自分の屋敷に遺している。
