リー・ケフレン「キルト!その身を捧げよ!」
登場話数:第45話「戦士よ地球を去れ」
概要
幹部の一人であるキルトを素体に、デウス遺伝子液を加える形で生み出された個体で、改造前の猫のような要素を残しつつも、頭部も含めて硬質化した部位の目立つ出で立ちは無機質な印象を与えるものとなっている。
また、改造前のように人語による会話能力は失われており、獰猛な肉食動物のような不気味な鳴き声を発するのみであるが、相棒であるウルクは改造前と変わらず「キルト」と呼び、同志として接していた。
主だった攻撃手段は手から生えている爪と目からの光線程度であるが、爪の鋭さはフラッシュスーツをも引き裂くほどの威力を発揮し、フラッシュマンにも容易く深手を負わせることができる。
さらに人間の生命エネルギーを吸収しパワーアップすることも可能で、前述の爪が折られた場合でもこの能力によって何度でも再生させることができる。爪を1本復活させるのに要する生命エネルギーは若い人間一人分に相当し、生命エネルギーを吸われた人間は急速に老化してしまうため、パワーアップによって副次的にではあるが人間を滅亡に追い込むことも可能という、ワンダ曰く「一石二鳥」な効果を発揮する。
作中での動向
フラッシュマンが謎の変調に悩まされ、またサー・カウラーが拉致した時村博士に遺伝子シンセサイザー製作を依頼する中、デウス遺伝子液がラー・デウスの身体より絞り出されたものであると知ったケフレンは、その事実を前ににわかに掻き立てられた創作意欲をキルトにぶつける形で、彼女をデウス獣戦士へと改造。
誕生したキルトスはまず、時村博士を奪還しようとするフラッシュマンとカウラーたちとの乱戦に割って入り、自慢の鋭い爪でフラッシュマンを圧倒するが、レッドフラッシュの繰り出すスーパーカッターの一撃によって爪を全て切断され、錯乱するまま逃走を余儀なくされた。
辛うじて市街地へと逃げ延びたキルトスは、ここで人々の生命エネルギーを急襲してパワーアップを遂げ、後を追ってきたフラッシュマンに対して優位に立つと、彼らが再度の変調に見舞われたことも手伝って窮地に追い込むも、プリズムフラッシュからの閃光を喰らい再び撤退。
その後も人間の命を吸収して爪を全て復活させ、ウルクやワンダーラ、ゾローと共にフラッシュマンを強襲。ただでさえパワーアップした状態である上、ワンダーラの繰り出すタイムストップ3秒殺しをも利用してフラッシュマンに大ダメージを負わせるが、レッドによる羽交い絞めで身動きが取れなくなった隙に、ブルーのスーパーサイクロンが炸裂。再び爪を失うのみならず、我が身を賭してキルトスをかばったウルクもろとも深手を負ってしまう。が、そこでウルクが思わぬ行動に打って出る。
ウルク「キルト・・・ウルクは、いつもお前と一緒!あたしの、エネルギーを・・・!」
イエローフラッシュ「改造生命体にも、仲間を想う気持ちがあったなんて!」
こうして「相棒」であったウルクからの生命エネルギーを得て、三度爪を再生させフラッシュマンに挑むキルトスであったが、既に手の内を読まれきっていたのか、クロスブーメランの一撃で再生されたばかりの爪をまたしても失い、さらにスーパースピアとローリングバルカンの波状攻撃の前に敗れ去った。
直後に再生・巨大化し、眼からの光線でタイタンボーイを攻撃するも、グレートタイタンのタイタンノバの前に呆気なく撃破され、生命エネルギーを吸われた人間達も元の若さを取り戻した。
しかし、戦いに勝利したフラッシュマンにも直接的なものだけでなく、結果的にとはいえ時村博士の奪還という目的も頓挫させるという形で、深い痛手を被らせる結果となった。
備考
デザインは出渕裕が担当。幹部格のキャラクターが変身した獣戦士であることから、同じくキルト(の遺伝子)が元になったザ・ウルキルとは異なり、あまりフリーキーな方向に振らず、スマートかつキレイな感じが志向されており、出渕自身も上手くいった一体であると後に述懐している。
また、デウス遺伝子液を用いているという設定を反映してなのか、両手についてはラー・デウスと同じ色・形にして欲しいという指定が、デザイン画稿から確認できる。