『シャドウ・オブ・メモリーズ』 (Shadow of Memories 北米:Shadow of Destiny)は、PS2で発売された「タイムトラベル」が題材としたタイムリミットアドベンチャーゲーム。
2009年にPSPへ移植されている。
日本国外では国内以上の売り上げを記録し、XboxとWindows用に移植もされた(※日本未発売)。
概要
三十分後、僕は殺される。
「タイムトラベル」が題材となっており、現実時間では「一日」しか経っていないのだがタイムトラベルで様々な時間に戻り、殺されるのを回避するというもの。
犯人はアイクにとても強い恨みを持っており、一度回避しても何度でも殺しにやってくる。
殺される方法は様々(対象年齢12歳以上なのでそんな酷い殺し方は一応無い)殺される「時間」が決まっており、それが来るまでに要因を取り除かなければ必ず殺される。
またその時間まで過去に留まっていても時間に殺される。
リアルタイムでつねに死に向かって時が刻まれていくので、独特の緊張感を味わいながら謎解きが楽しめる。
戻れる時間もごく近い過去から、1980年頃、1900年頃、1580年頃と多様。アイクを除く1900年の風景と人物はモノクロームで、1580年はセピアで描写されている。だが、1980年代は色は少し、淡いが現在と同じカラー。
過去の人物にした事が子孫の代にまで影響を及ぼす事もある。
過去の世界ではその時点でのアイク自身に遭遇する事もある。その時アイク同士が接触してしまうとタイムパラドックスが巻き起こり、ゲームオーバーとなる。
複数ある回避方法、マルチエンディング、リアルタイムで進行する街を主観で観察できるなどの作りこみにより、現在でも賞賛する声は少なくない。
宮部みゆきが絶賛している(パッケージに紹介文が載っている)
開発中の仮題が『ワルプルギスの昼と夜』だったことやキャラ名がマルガレーテ、ワーグナー、ホムンクルス等、本作はゲーテの戯曲『ファウスト』に強い影響を受けている。
主要人物
アイク・カッシュ
主人公。偶然訪れたレーベンスバウムの街に不思議な魅力を感じ、その後も何度となく足を運んでいる。
性格は素直だが、自分のことをあまり語らず少々影がある。
年齢不詳で、幼いころの記憶がないなど、主人公であるにもかかわらず謎の部分が多い。
ホムンクルス
プロローグでの声の主。小柄で、青白い肌をしている中性的な人物。
時をある程度自在に巡る能力を持ち、アイクに転送機を渡し、アイクが死の運命を変える事に協力するが、その真の目的・素性は一切謎。
この物語の鍵となる人物。
ちなみにPS2版の声優は有名な赤い配管工の人。
ダナ
現代の人物。主人公が冒頭で訪れている喫茶店の店員。21歳の女性。
少々臆病でおとなしいが芯はしっかりしている。
身寄りが無く、自分の事を周囲から理解して貰えない孤独感を常に感じている。
マルガレーテ・ワーグナー
1580年頃の人物。中世の錬金術師の娘。16歳の明るく朗らかな女性。
街の人間に絡まれていた所をアイクに助けられ、彼に好意を持つ。
アイクとの出会いで、アイクの世界(現代)へ憧れを抱くようになる。
フーゴ・ワーグナー
1580年頃の人物。マルガレーテの弟。素直で好奇心旺盛な12歳の少年。
年に似合わず鋭い明晰な頭脳を持つ。姉を助けたアイクの事を慕ってくるが、家庭を顧みず、その上病気の母のことを心配せずに研究に没頭する父には憎しみを抱いている。
占い師
現代の人物。アイクを助けて、運命の時間を教えてくれる謎の人物。