シンフォニック・ワールドとは、アイドルマスターシンデレラガールズに登場するユニットの1つ。
概要
伝承に名高いエルフの如き美貌と、
人として優れた声と歌唱技術を持つ梅木音葉。
ラブ&ピースを伝えんとギターを担ぎ、
声の限り歌い続ける夢を持つ有浦柑奈。この2人で構成されたユニットである。
登場する時のカード:梅木音葉【メロディアスワールド】、有浦柑奈【ピースフルワールド】。
特徴的な共通点としては、
・歌唱力が高いこと
・独自の感性を持つこと
・元々音楽に精通していること
・楽器が弾けること …などが挙げられる。
総じて、歌うことに特化したユニットだと言えるだろう。
歌唱担当は音葉、伴奏や作詞作曲を手がけるのが柑奈、という分担をしている時もあるようだ。
加えて同い年ということ。上記に挙げた共通点を持っていることから気が合うらしく、
2016年のアニバーサリーイベントでは2人並んでパーティーを楽しんでいる姿が背景の中で確認出来た。
なお、シンデレラガールズ最高身長の諸星きらりを除けば、
西島櫂・木場真奈美と並ぶ同率2位の高身長(172cm)を誇る音葉に対し、
19歳の中で1番低いのは(155cm)柑奈なので、
実はかなりの身長差コンビ(17cm差)でもある。
共通衣装は【シンフォニック・ワールド・ドレス】(ぷち衣装)。
花を意匠にした青いドレスで、若干細部は異なる。
例として、音葉のものが肩を通すタイプだが、柑奈は腋の辺りで支えるタイプとなっている。
胸か、胸の差なのか。
登場の経緯
□はっきりとした形で共演したのは、怪盗公演が最初(2015年7月9日~16日)。
2人共に途中から参戦し、これまた共に「年下の主に仕えるパートナー」役で舞台に上がった。
それぞれの主(的場梨沙・南条光)に対する接し方の違いにも注目だ。
怪盗役というだけあって普段よりある種の“艶”がある装いに表情が印象強い。
成人のすぐ一歩手前の19歳。その面目躍如といったところか。
海賊役から評判を受けて悪役続投の柑奈はより一層演技派としての力量を見せつけ、
一方、「聖属性」と言われるほど清らかで眩いイメージのあった音葉は、特訓前に執事服+眼鏡。
特訓後はスタイリッシュなスーツ姿……と、イメージをガラリと変えてしまいかねないほどにインパクトの強い役者ぶりを示した。
□それからしばらく音沙汰がなかったものの、
双方のPを驚かせる、サプライズ的な共演が突如として舞い降りる。
それは……シンデレラガールズの4thライブ、スターライトステージの一周年といった祝い事を
更に盛り上げるかのように行われた新宿駅内の巨大広告スペース(2016年9月12日(月)~18日(日))でのことだった。
アイドルたちが一面に勢揃いしたパネルではごくごく隣に並び立ち、
ぷちデレラが歩く液晶画面内においては、肩を揃えて歩く2人の姿が……!
“怪盗公演の時の2人か。いや、しかし何故このタイミングで?”
“これはきっと、何かあるに違いない”
……そう、当時のPたちが色めき立ったのも無理はない流れであった。
そして予感はすぐに的中することになる。
□「第19回アイドルLIVEロワイヤルお月見SP」(2016年9月21日~29日)
なんと、新宿ジャックが終わってすぐのことであった。
「メロディアスワールド カウントアップガチャ」(2016年09月26日)にて、
【メロディアスワールド】梅木音葉が登場。
同時に(モバゲー版シンデレラガールズで)待望の音葉ぷちデレラが実装される運びとなる。
特訓後の衣装が【ピースフルワールド】有浦柑奈のものと類似していたことから
“まさか……!”と期待は予感に、予感は確信に変わっていく。
ガチャの実装とほぼ同時――ユニット【シンフォニック・ワールド】として音葉と柑奈が該当イベントに共演。
お揃いの青いドレスを身にまとって、颯爽とステージに降り立ったのであった。
しかし驚きはここで止まらない。
□「第24回ドリームLIVEフェスティバル」(2016年9月30日~10月8日)
なんと、間髪を入れず2連続での登場を果たす。
従来、シンデレラガールズのユニットは複数回登場するユニット自体が全体から見れば希少であり、
登場間隔も数ヶ月なら早いほう。年単位で再登場を待ちわびる例も決して珍しくなく、
多くのPがこれはいい…!と感じたユニットであっても、
「まだかな、まだかな」と座して待つのが通例……だった。
そこに来ての、この続けざまの見参である。
当時のP達が強くどよめいたのも頷ける流れと言わざるを得ない。
(※余談になるが、以降のイベントにおいて
このような「間を置かない連続登場」の例が続くこととなる。
以前からユニットを組みプライベートでも交友のあった
【フランメ・ルージュ】は同イベントにおいて同じく連続登場を果たし、
他イベントでは、新規ユニットとしてCu属性からは【スケルツォ・プリマヴェーラ】、
Co属性からは【ファタ・モルガーナ】、
Pa属性からは【ブエナ・スエルテ】が誕生&連続登場をした……という具合に)
□当時は年末。さすがに今年はもう見納めだろう……
柑奈「聴こえます…愛の歌を求める、心の声が。私たちの出番ですっ!」
音葉「高まる鼓動を伴奏に…今また、私たちが旋律になる時ですね…」
「第20回アイドルLIVEロワイヤル」(2016年11月21日~27日) のことであった。
まさか……まさかの3回目。それも半年を待たずの、である。
もはや確信を越えた“何か”を感じない訳にはいかない。
何より登場時の台詞がニクい。
『私たちの出番』
『今また、私たちが旋律になる時』
……このどちらも、“複数回姿を見せること”
“一定以上の認知度があること”が無ければ言えない台詞である。
従来ならば、決して登場してから半年も経っていないユニットが放つ台詞ではない。否、なかった。
もはや【シンフォニック・ワールド】の活躍は為されており、これからも続く……
そんな“何か”を抱かせるには十分な流れを打ち立てたのであった。
□さて。3回目の登場時は年末であったことから、2016年を想い、
来る2017年を祝う、いわば総括としての台詞も含まれていた。
柑奈「今年の思い出を歌詞に!」
音葉「来年の夢を旋律に…」
文句など付けようの無い、新規ユニットとしてパーフェクトな形の締めくくりだと言えよう。
ハッピーニューイヤー、シンデレラガールズ!
ハッピーニューイヤー、アイドルマスター!
ハッピーニューイヤー、シンフォニック・ワールド!
音はまだ、鳴り止まない
「第22回 the 5th Anniversary 」(2016年11月28日~12月8日)
アイドルプロデュースのアニバーサリーイベントでは、カードとして登場せずとも
背景に様々なアイドルがゲスト出演的な扱いで描かれる。
今回、昼間におけるホームパーティーにて膝を並べて座り、食事を楽しんでいる(であろう)
2人の姿がそこにはあった。しかも、立ち絵やメニューボタン等に阻まれない位置に居たため、
イベントのお仕事をこなしていればいつでも仲睦まじい2人の様子が目に入るという状態。
あくまで“背景登場”というだけで、それ以上でもそれ以下でもないが、しかしもはや疑う余地は無い。
至れり尽くせりをはるかに超越した勢いだ。断言しても良いだろう。ケンランゴーカとはこのことか……!
対照的な2人
パッと見ると“似ている2人”だと思われるかもしれないが、
実のところ対極的な部分があり、“近いようで反対のところも多い2人”でもある。
・歌唱技術
音葉に関しては語るまでもないレベルで、彼女の歌声は最高クラスの評価を受けている。
トレーナーをしても、Voレッスンの初期の段階で「教えることがないかもしれない」とまで言わしめている。
実際、音葉は現在のPに見出される前から別の事務所で活動しており、プロデュース前から確かな実績を持っている。
一方、柑奈は声量やスタミナこそ頭一つ飛び抜けているものの、
基本的に独学であったために“卓越した”と形容できるほどの技術はなかった。
路上で歌う彼女に足を止める人がほぼ居なかったのも、言ってしまえば実力不足が原因の1つである可能性は否めない。
・アイドルになった動機
2人とも共通して「歌うために」アイドルの道に足を踏み入れている。
だが、音葉は“自分に『楽譜通り正確に歌う機械』以上の意義を見出すこと”
“歌う楽しさを取り戻すこと”が目的として存在し、
柑奈は“歌で愛と平和を伝えていくこと”を主目的に据えている。
・喧騒の捉え方
音葉は絶対音感と共感覚の両方を持つゆえに、
“周囲に流れる音”を“視覚的に視る”ことが出来る。というか、そういう風に“視えて”しまう。
なので、雑多な人々が行き交う喧騒は、時に不愉快な音が混じるためあまり好ましく思っていなかったものの……
アイドルとして活動していく内に、不思議と喧騒も悪くない、と思うようになっていく。
対し、柑奈はアイドルになってしばらく経った後も「まだ、都会の喧騒には慣れませんね」と言う。
……というのも、彼女の出身地は長崎の離島。
これまで人生の大半を、曰く「田んぼしか無い」環境で過ごしてきた柑奈にとって、
まだまだ好き嫌いで済ませられる問題でもないのだろう。
・感情表現
表情を表に出すことを若干苦手とする音葉に対し、
柑奈は非常に表情豊かである。
特に柑奈は、作詞作曲という形で自分の感性を表現できるところが、
このユニットにおいて重要な役割を持つ。
総括:2人が手を取る時、何が起こるのか
似たところも、違ったところも等しく存在する2人。
一人は、完璧なまでの歌声と、及ぶべくもない“感性の世界”を持つ歌姫。
一人は、揺るぎない夢と、伝えたい想いを叫び続ける“愛の心”を持つ詩人。
…ここで一度、2人のユニット名を改めて見てほしい。
シンフォニック・ワールド。
交響世界。
交わって、響き合う世界。
音葉「月の音、虫の音、風の音、そして人の鼓動…始めましょう、旋律を」
柑奈「そうですね!世界は今、歌われるのを待っていますから!」
音葉の歌は、とてもレベルが高い。聞く人が聞けば手放しの賞賛をもらえるかもしれない。
――だが、あまりにも高次のものは、時として伝わる対象を狭めてしまう。
“凄すぎてよく分からない”……そんな事態も、起こってしまうこともあるだろう。
柑奈の歌は、心に伝わる。全力の“あい”をもって“うたう”歌声は、聞く者の心を揺らすだろう。
――だが、足りない。いずれ届くであろう高みを望んでも、
“ハートだけではどうにもならない”……まだ、足りない。
だからこそ、2人が手を取ることに意味がある。
音葉の持つ“感性の世界”を、全てではなくとも分かち合える柑奈が、
その感性を歌詞として言葉によって表現し、自作した旋律で手を添える。
音葉「貴方がくれた歌詞と、ギターの旋律…とても私に馴染むでしょう」
柑奈が持つ“愛の心”を、どこまでも澄んだ歌声で、完璧なまでの音階で。
声高らかに、音葉が歌い上げる。
柑奈「良かった♪音葉ちゃんの歌声も、私のラブに元気をくれますよ!」
2人が『旋律になって』響き合う。
そこで終わらない。この2人は案外欲張りなのだ。
アイドルとしてステージに立つ以上、歌を2人だけで終わらせはしない。
音葉「わかるでしょう…私たちの歌が、みんなの命と共鳴している…」
柑奈「チューニングは完璧です!それじゃみんな、一緒に歌いましょう!」
ファンや観客、周囲の全てを巻き込んで、交響の世界を作り出す。
それこそがこの2人が共に歌う意味。
“人”と“音”が溶け会う“世界”を作り出す――
柑奈「音葉ちゃんと歌うと、いつも心が不思議な場所に飛ぶイメージ♪」
音葉「きっとそれは…歌そのものの世界…いつか私たちが赴く場所」