ストーリー
明るく充実した学校生活の一方、 「怪物に潰される」悪夢に毎夜悩まされる少年、蜂鐘コウ(はちがねこう)。
戸惑いながら幼馴染の星羅(せいら)と日々を過ごすコウだったが、 ある日、万野と名乗る怪しげな科学者が現れ警告する。
『夢は正夢であり、君は戦う運命なのだ』と。
己の物語を、未来を、選び取れ!
概要
2018年3月19日刊『週刊少年ジャンプ』16号から30号まで連載されていた漫画。
原作は佐野ロクロウ(三条陸の別名義)、作画は肥田野健太郎が担当している。
ジガを始めとする怪獣と、それを打倒せんとする異災連の戦闘を描いた「怪獣漫画」
登場する怪獣たちは何処か見覚えのあるデザインが多く、また、キャラクターたちのどこかで見たような名前をしていたりと懐かしいようで新しい作風が特徴。
……が、掲載順は最後あたりでなんか危ういため、ファン達からこれを機にアンケ送るよう呼びかけられていた。
命令者ちゃんに魅せられたマフィア梶田もアンケート処女を捧げた。たのむぞ……続いてくれ……!
そんな願いも虚しく、本作はあっけなく打ち切りとなった。単行本は全2巻。
連載時には14話が最終話であったが、単行本2巻では連載時の最終話を「14話」と表記した上で真の「最終話」が加筆されている。
登場人物
異常災害対策連合
通称”異災連”世界各国で発生する異常災害(これは怪獣に限らない模様)に対処するため設立された国際組織。作中に登場するのは主にアジア支部。”北側”に発生した巨大生物の映像を取り寄せていた他、日本に対し巨大生物に関する調査、捜索、掃討を黙認するよう承認させるなどその影響力は大きい。反面、実働部隊にあたるLEECH部隊は軍施設を間借りする形で設置されるため現地の兵士からは”寄生虫”と称されるなど現地での感触は良くない模様。
蜂鐘コウ(はちがね こう)
本作の主人公。
物語開始一年前に父を残して母と帰国し、二人暮らしの少年。
「巨大な怪物が街を破壊する」悪夢を繰り返し見ることに悩まされていた。
ジガの襲来により母や友人を亡くし、紆余曲折を経て異災連へ入隊する。
久道紗綾(きゅうどう さや)
閃煌波を持った人員でのみ編成された”LEECH部隊”の紅一点、兼指揮官。
ジガの破片に襲われる彼女を助けた事(この時コウは彼女のLEECHハンドガンを最大出力で放ち、彼の持つ強大な閃煌波を示した)によりコウは異災連に入隊する。
作者の趣味なのか筋肉質で節々が太い。
21歳、元米軍海兵隊員。ブロンドの髪に鍛えられた肉体を持つ男。
異災連実働部隊のエースであり、コウの教育係を務める。
本人曰く”ギャラ目当てで異災連の実験兵士を引き受けた”らしいがジガの襲撃により家族を亡くしたことを皮切りに閃煌波の才能を開花させる。
万野天士郎(ばんの てんしろう)
異災連アジア圏責任者。
白スーツに金髪、丸いサングラスで目元を隠した怪しさの擬人化のような男。
各地に出没する怪獣に執着し、その殲滅を目的に閃煌波を発見しLEECH兵器を開発、コウに接触する。
ジガの襲撃により壊滅した基地内でも瓦礫や隊員の亡骸に構わず、極至近距離でジガを見れたことに歓喜し大量の仮説を書き始めるなど人間性にかなり問題があると隊員からも揶揄されている。
……ところで、名前と物言いがどう見てもちょっと前のニチアサに出てた科学者である。偶然か必然か読者からのあだ名はゴルドジガ。一応は味方のはずなのにどうしてこうなった……
「祖国」の者達
命令者
人間を絶滅させる為に獣騎を連れて現れた15人の者達。全員色の名前と帽子が特徴。
ジガら獣騎と同じく人間の攻撃が効かない事から恐らく異次元(4次元以上の高次元)から来たと思われる。
命令者白(めいれいしゃ ホワイト)
麦藁帽めいた帽子に白いワンピースを着た非現実的な少女。
自らをジガたちの命令者であると名乗り、コウへ接触した。
子供のような体躯からは想像もつかないほどの膂力と再生力を持ち、LEECH兵器に流れる閃煌波を逆流させLEECH部隊を殲滅するなど戦闘力も高い。シュラア撃破後、祖国に強制送還された。
ギザ歯、白ワンピ、つば広帽、爬虫類めいた十字模様の瞳、銀髪、作中に登場する怪物達への「命令者」を名乗り上位者ムーブ→ポンコツムーブの連発、と特定の人々の性癖にどストライクで突き刺さるものであったため、twitterで人気が爆発し、「命令者ちゃん」の愛称で呼ばれつつ、二次創作イラストやコラが流行している。
命令者青(めいれいしゃ ブルー)
ハンチングを被り両目に傷がある少年。ジガに獣騎を三体共倒された後、撃破された。
命令者黒(めいれいしゃ ブラック)
黒い帽子とスーツ姿の男。キングギドラのような獣騎を連れている。
命令者黄(めいれいしゃ イエロー)
命令者赤(めいれいしゃ レッド)
髑髏のような仮面を付けた筋肉質の男。
命令者紫(めいれいしゃ パープル)
蝶のような羽と触角が生えた小柄な少女。かなりの毒舌。
この他に9人の命令者達がいるが、その名前と姿は明かされていない。(その内6人は既に倒された模様)
獣騎
命令者達が連れてきた怪獣型の兵器。普段は人間に擬態させ潜伏させている。人間の作る兵器はどんな物でも傷一つ付けられない。(例え水爆でも)全部で45体いる。(15の部隊が存在しており、一部隊に三体ずついる。)獣騎同士の攻撃ならダメージを与える事が可能。
体長84.54mを誇る巨大な二足歩行の爬虫類めいた体躯に長い腕と尻尾を持つ怪獣。
ぶっちゃけゴジr
コウの夢に現れていた怪獣、また命名もコウによるもの。
手のひらから生体元素破砕光(周囲の物質を残したまま生命体のみを抹消する熱戦)を放つ他、左腕を槍状に変化させる、胸骨をボウガン状に打ち出すなど戦闘能力は極めて高い。
万野により何者かによって作り出された生体兵器であること、各部の神経伝達に閃煌波を用いていることと推測されているが、消滅の際に残される肉片は半日ほどで崩壊してしまう異災連側はほとんど情報を手に入れられていないのが現状である。
命令者白曰く最後に造られた獣騎。
ジガと同じ巨躯を誇るプテラノドンのような怪獣。
髑髏めいた頭部には二対の目が並び後頭部からは髪のように何房もの毛が生えている。総じてあんまりラドンっぽくはない。
人間からは「ジガ種第三号」と呼ばれている。
細長い尾の先にブレードを持つ他二本の脚には鋭いかぎ爪を持ち、口から雷撃を放って攻撃する。
また、亜空間への転移能力を持ち作中ではコウを拉致した。
体の中心部にジェットのような器官があり、これから推進力を得ているため飛行方法は鳥や翼竜よりも飛行機に近いと思われる。このジェット器官はジガを尾で掴み輸送するなどかなりのパワー。
ジガ、ランダよりも巨大な怪獣。
胴体こそジガに似ているが四本の腕を持ち、背には翼、頭部には悪魔めいた二本角が並ぶなどより禍々しい体を持つ。翼を活用した飛行も可能であり、ジガを運んだり落としたりしていたが、速度ではランダに劣る模様。
四本の腕に四つの眼を持ち、それぞれ異なった光線”レストバ”を放つ。この光はジガの破砕光とは異なり、それぞれ生命体消滅、核分裂停止、金属消滅、水分消滅の効果を持つ。
総じて非常に戦闘力が高く、ランダは己とジガが共闘したところで彼女と肩を並べる事も出来ないだろうと推測している。
作中ではジガの次に発生し、万野からは”ジガ種第二号”と名付けられた。
名前の由来は阿修羅と思われる。
5mほどの小型怪獣。
甲殻類のような見た目をしており、複数個体が存在する。
頭部の触覚で特定の人物を刺すことにより怪獣へ変貌させる。
個体ごとに色が違ったり(ジガ個体は黒く、シュラア個体は白い、ランダ個体は中間色)やたら慇懃な態度で念話してきたりするなど個体ごとに人格を有している。
一般人
天城星羅(あまぎ せいら)
本作のメインヒロイン?
転校して間もなく無気力で何事も手を抜いていたコウへ「(泣き言は)全力出してから言え!」と詰め寄り、紆余曲折の果てコウと親公認の恋仲になった。
それを初めて自覚したコウにデートに誘われるも、その待ち合わせ中ジガ襲来により右腕を残して瓦礫に押しつぶされ死亡した。
一話で帰らぬ人となったヒロインであるがその存在はコウの中へ深く刻み込まれ、彼を、ひいてはジガたちを大きく揺るがしていくことになる。
蜂鐘ミサ(はちがね みさ)
コウの母親。
普段父親がいないせいか非常に過保護であり、悪夢にうなされる度に大量の薬を飲ませようとする、登校の度に体温を測るなど、コウからも引くくらいベッタリだと評されている。
一話でジガの放った生体元素破砕光に巻き込まれて帰らぬ人になった、はずだったが……
用語
万野天士郎の発見した特殊な脳波。彼曰く『超人的な人間に共通する特殊潜伏脳波』。
通常の神経伝達の数百倍の速度で働く脳波であり、これを持つ人間は超人的な運動能力を持つとされ、強力な閃煌波を持つ人間は未来予知や他人の思想の把握などを直感的に行える。
万野はジガの肉体を動かしている成分が閃煌波であると推測していた。
コウは過去最大級の閃煌波を持ち、一話時点で万野からのスカウトを受けている。
また、異災連の実働部隊であるLEECH部隊はこれを持つ隊員でのみ編成されている。
閃煌波に対応した兵器。作中ではハンドガン、ミサイル、ブレードが登場。
使用者の閃煌波によって変形する特性を持ち、直感的に対象の弱点や性質によりその性質を大きく変えることができる。万野はこの特性を生かして未知の生命体であるジガを打倒しようと目論んでいた。
命令者が使役する怪獣の総称。彼女曰く「祖国」の誇りある獣の騎兵だと言うが……
余談
原作担当の佐野ロクロウは本作以外の活動がまったく発見できない謎の人物であったが、実は、『ダイの大冒険』や『仮面ライダーW』で原作(脚本)を担当した三条陸の別名義だったことが、同氏の著書『HERO WORKS』の紹介にて判明した。
おそらく、他の別名義と同様に怪獣映画ファンの佐野史郎からとったものと思われる。
関連項目
すごいスマホ肥田野先生の次作