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概要

クワ科パンノキ属に属する熱帯果樹の一種。

表面がボツボツの突起で覆われ、独特の臭気があるためドリアンに間違えられることがあるが、ドリアンは棘がやや鋭く、匂いもドリアンの方がきつい。

インドバングラデシュを原産地とし、現在では東南アジアやブラジル台湾ならびに中国南部。日本国内では沖縄県や小笠原諸島でも栽培されている。中国や台湾ではパラミツ波羅蜜)とも呼ばれ、仏典にもこの名で登場する。タイではカーヌンと呼ばれ、台風のアジア名にもなっている。

常緑高木で、幹や太い枝に連なってぶら下がる果実は長さ70cm、幅40cm、重さ40-50kgに達することもあり、世界最大の果実といわれる。ちなみに、幹にぶら下がる果実を幹生果という。ジャックフルーツは枝にぶら下がると、果実の重みで枝が折れてしまうため幹生果に性質があるが、この性質はインドネシアのボルネオに生息する同科のフィクス・ベンジャミナというイチジクの近縁種にも見られる。

熟した果肉や仮種皮は甘く、生で食用にされる。樹脂分を含み、みずみずしさには乏しいが、弾力や粘りのある食感がある。未熟な果実は野菜として、タイ料理、ベトナム料理やインドネシア料理などで煮物、炒め物などに使われる。種子は焼くか茹でることで食用にされる。太平洋戦争中は日本軍の兵士がこの果実を食して飢えをしのいだという。

木材は建材、家具、仏像、印鑑といった用途がある。また、僧衣を黄色く染めるのに樹皮を使う。

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