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セルキーH10

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せるきーえいちてん

『機動警察パトレイバー』シリーズに登場するレイバー(ロボット)の一種である。 制式名称は「菱井ML-98」。

概要

機動警察パトレイバー』に登場するレイバーの内の一機種。

注)「機動警察パトレイバー」はメディアミックス作品の為、作中での描写、設定資料全集、ムック、雑誌によって設定の相違点が非常に多い事にご注意下さい。

データ

機体名セルキーH10
制式名称菱井ML-98
開発メーカー菱井インダストリー
全高7.95m
全幅4.21m
全装備重量10.11トン
最大起重1.00t
安全限界深度70m
装甲材質チタニウム合金
装備オプションの各種作業用アタッチメント
主な乗員作業員、青年団員、海上保安庁隊員
ML-98 セルキーH10ML-98 セルキーH10byビッグ・リバー・インサイド

機体について

四菱グループ菱井インダストリーが同系列会社の菱井船舶の協力を得て開発製造。

1998年4月に発売開始された水中作業専用レイバー

制式名称(型式番号)は<菱井ML-98>

機体名は「セルキーH10」。セルキーとは、スコットランドの伝説・神話に登場する妖精の種族である。人間と変わりない姿をしており、美男美女である。それぞれ自分用のアザラシの毛皮を持っており、それを被ると完全なアザラシの姿となる。

メカデザインは出渕裕

バビロンプロジェクトによる湾岸部の再開発と東京湾海上施設の建設が始まり水中での作業が求められた。菱井インダストリー、篠原重工は既存レイバーにオプションで浅深度20m程度の水中作業能力を付与して対処した。しかし、工事の進行に伴い深度20m以下の作業が必要となってきたため水中専用レイバーが生まれた。

セルキーH10は菱井インダストリーが菱井船舶による潜水艇の技術蓄積を応用することで短期間で開発された。レイバー市場のシェアを競う篠原重工と競合しない水中分野で優位に立つ目論見があった。洋上プラットフォーム「箱舟」の基礎建設作業に多数投入されたとされている。

機体形状は胴体部が潜水艇状、両横にタンクと多関節の伸縮式マニピュレーター、後部に逆関節式の脚部がついている。機体先端部に5台のカメラを集合させたセンサーヘッド。

搭乗する際や稼働中は胴体を水平上にして四つん這い状態がデフォルトとなる。保管中は直立し、胴体部を縦にした状態。

2本の伸縮式マニピュレーターを持ち、その先端部にはモニターを備え付けられていて、精度の高い作業やアクアラングでは危険な場所での作業を人に代わって行える。オプションの各種作業アタッチメントを取り付けることにより、高周波溶接や切断、ダイナマイトのセッティング等の幅広い用途に対応できる。

船体後部に埋め込み式主推進スラスター(スクリュー)が上下2台。胸元に大型ライトが三つ内蔵されている。船体材質にはチタニウム合金を使用し、安全限界深度は70m(一部資料では30mだがおそらく誤植?)背中に搭乗ハッチがある。乗員は操縦者と作業員の2名。1名でも運用可能。

簡易変型機構によって水の抵抗を軽減することが可能であるらしいがどのような形態かは不明。

劇中における描写

劇場版1作目

箱舟内の背景として複数機が登場。海面へ降りるエレベーター近くに直立状態で保管されている。

設定では機体にバビロンのBがロゴされた「BP072」がいる。

TVアニメ版

OP前にレイバーの説明が行われているのだが、その際に水中レイバーの代表として登場している。本編では数回ほど背景の置物として登場している。

第四十話「沿岸警備」では四倉村の青年団が首長竜の張りぼてを装着させて村おこしのために利用しようとした。

漫画版

廃棄物13号編にて登場。海上保安庁の所属機「のりしお1」「のりしお2」が東京湾に墜落した貨物飛行機の捜索にあたった。

貨物機パイロットの遺体を収容中に、謎の生き物に引っ掛かれ塗装が剥げた。

バリエーション

プレッシーα

海辺の四倉村の御神体付近に巣が現れるというプレシオサウルス、プレッシーに擬態させた機体。首長竜頭部の張りぼてを取り付け、プレッシーの前部に化けた。巨大スチール竿を背中から前に伸ばし、ワイヤーで頭部を釣り上げて首を伸ばしている。

青年団の一人が操縦する予定だったがその直前に発見されてしまった。シービュウに張りぼてのヒレと尻尾をつけたプレッシーβと2機で海面を移動することでプレッシーに扮する計画だった。

プレッシー(完全体)

ラフデザインのみで正式なものではないがセルキーH10に頭部、ヒレ、尻尾の張りぼてを全てつけてデザインされたプレッシー完全体版も検討されていた。ストーリーの変更や登場レイバーを増やすためか、2機で分担となったようだ。

菱井インダストリーの目論見は成功したのか?

セルキーH10はエアタンクを内蔵型にしたことで拡張性が無く、活動時間に制限が出てしまった。いくら精密作業が可能でも、作業時間が短いと現場からは不満がでたようだ。そして推進部がスクリュー式で機動力が低い。

後発の菱川島造船「フロッグマン」は内蔵エアタンクだけでなく、外付けタンクも追加装備可能で活動時間が長い。移送速度は遅いとされているが、推進部は水流ジェット式でセルキーH10を上回る。

淵山重工「シードック」は脚部に大型の水流ジェットを備えていて水中の機動力が非常に高い機種なため素早く移動が可能。支援母船から空気・電気供給ケーブルを接続可能で長時間の潜水作業も可能。改造版は「シービュウ」

水中レイバーの種類が少なかった初期はセルキーH10は市場をほぼ独占していたのだがもろもろの欠点から水中作業用レイバーのシェアはフロッグマンとシードッグに二分化されることになってしまったらしい。

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