CV:楠大典
概要
惑星ハルファの浮島ルシエルに潜む謎の人物。
アークスによってダークファルス・エイジスが撃破された様子をルシエルから観察しており、"来たるべき日"に備えて何らかの計画を進めているようだが……。
ネタバレ
※以下はPSO2NGS第5章の重大なネタバレを含みます!
「……すべては、“来(きた)るべき日”のため。
その日が訪れるまでに、この実験を完遂する必要が、我々にはあった」
正体
その正体は500年前にスターレスと戦った者たちの生き残りであり、ドールズやダークファルスを生み出した黒幕。キャストのような外見をしているが、マスクの下は青く光るドクロという悍ましい素顔をしている。
現在はある目的のためにリサージェントアークスなる組織を立ち上げ総督となり、惑星ハルファの管理者として実験を行っている。
ファリアによれば星渡りにとっては父や母に当たる存在とのことだが……。
過去
始まりは500年前。突如、外宇宙から襲来した“スターレス”によって1個の調査船団が失われたことから。
スターレスとは宇宙空間を飛び交い、すべてを破壊し尽くす謎の存在。それが現れるまで宇宙は平和そのものだった。
そんな平和の中で過ごした当時のオラクルではスターレスに対抗できず、為す術もなく蹂躙されてしまう。結果、50の星系と7000億の命が失われてしまった。
しかし人類種は滅亡にまで至らなかった。ある日、スターレスは何の前触れもなく姿を消したのである。
生き残ったゼフェットは、かつて存在していた最強の特殊部隊“アークス”に着目。そして500年後に現れるスターレスに備えて……“来るべき日”に備えてリサージェントアークスを立ち上げたのだった。
今でこそスターレスの脅威は忘れられているが、当時はスターレスに対する様々な運動が行われていた。ゼフェットもその一人であり、彼の下へ多くの人たちが集まったそうだ。
目的
1000年前に存在していた真のアークスとしての力を取り戻すこと。そのためにアークスをダークファルスと戦わせるという実験を行っていた。
というのも現在のアークスのフォトン感応値は低く、とてもスターレスに対抗できそうもなかったのだ。
今から300年前。ゼフェットは最初の“訓練”を行う。
残念ながら“訓練”では生温過ぎて失敗に終わり、フォトン感応値はまったく上げられなかった。
そこでダークファルスを基幹としたドールズとの“実戦(実験)”を行うがこれも失敗。アークスたちは壊滅してしまった。
二回目は善戦したが結局フォトン感応値は振るわなかった(恐らく100年前のロストセントラルの戦いと思われる。彼らは高い技術でダークファルスを撃退したがフォトンを扱う力は低かった)。
そして三回目。最新鋭のダークファルスを投入しての実験は成功に終わった。真のアークスを目指すに至って最もチューンされた個体――識別番号RA9G3-T909(ナイン・オー・ナイン)がダークファルスを倒したのである。
これらはリサージェントアークスの者たちに観測・記録をさせており、三回目を担当したのがマノンであった。
マノンは星渡りという体でアークスたちの観測者としてハルファに送り込まれたが、真の目的は識別番号RA9G3-T909の戦いぶりを記録させることにあった(真の目的に関しては伏せられていた)。
要するにここまで必死に「謎の敵と戦って来た」と思っていたが、実際には「ただの大規模軍事演習」でしかなく、(来る大敵と戦うためにかつてアークスを救った守護輝士を再誕させると言う目的こそあれど)ここまで払った犠牲も、成し遂げた戦果も奇跡とも悲劇とも程遠いただの茶番だったのである。
しかしマノンは「実験は人命を優先した安全なもの」と教え込まれており、エアリオタウンが滅ぼされるまでは実験の実体を知らずにいた。
また彼女は主人公と偶然出会ったと思っていたが、実際には意図的に引き合わせられていた。
それでも引き上げたフォトン感応値は98%。そこでゼフェットは最後の実験を行う。
それは囚われの仲間を救出しに来た主人公と自らが戦うというものだった。
活躍
と、このようにしてマノンを動かしていたがゼフェットだが、幾多の命を犠牲にして来たことでついに反旗を翻される。
拠点としていた浮島ルシエルに乗り込まれ、モニター越しに「あなたを倒して実験を終わらせる」と告げられる。
ゼフェットとしてもマノンの反逆は想定外だったようだが、主人公たちが助けに来ると見越し、マノンを捕らえて最後の実験に利用する(ゼフェットはマノンに対して「父に逆らうのか?」と問うていたが「あなたは私たちを生み出しただけ」と突き返されている)。
主人公とアイナがマノンを助けたところで姿を現し、新型のドールズ(と思われる巨大アーマー)と同化。ゼフェット・ヴェノギアとなって主人公、アイナ、マノンと対峙する。
死闘の末、主人公の一撃によって同化を解かれ膝を突く。
その際に観測されたフォトン感応値は100%。瞬間的にはそれを上回ったとされる。
これを以てゼフェットは実験の終了を宣言。話がしたいというアイナの質問に答え、上記の真実を明かした。
結末
ゼフェットの実験はスターレスに備えてのものだったが、主人公たちに受け入れられるはずがなく非難を浴びることに(主人公の選択肢には「……狂っている」というものまであり、これを選ぶとゼフェットも「そうかもしれない」と肯定する)。
だがゼフェットとしても他に選択肢がなく、手段を選んでいる余裕などなかったのだ。
そんな彼をアイナは「あなたも“実験”の犠牲者のひとり」と述べる。これにはゼフェットも何も言い返せず、沈黙を保ってしまった。
直後、宇宙から1000にも及ぶスターレスの先兵が襲来。予想されていた時期よりも早かったため動揺するも、すぐに己が成すべきことを見出す。
再びヴェノギアと同化すると空へと飛び立ち、スターレスの軍勢と交戦を開始。主人公たちにアークスの未来を託し、爆発の中へと消えて行った。
「我が宿願は果たされた。あとのことは、……お前たちに任せる」
「未来を託すぞ。真のアークスたちよ」
襲来した強大な敵に対し、自ら犠牲となって主人公たちを救う――皮肉にもその最期は、彼が送り込んだダークファルスの犠牲となった英雄と同じものであった。
余談
ゼフェットは元々キャストではなかったが、長い年月を生きるためにキャスト化したとのこと。
スターレスと直接戦った経験があり、当時から軍事力とフォトンの力の低下を憂いていた。
2023年7月19日に発表されたアークス総選挙の結果はなんと2位。1位のカヌイには敗れたが、3位のマノンとは僅差で勝利するという形となった。
5章にしか登場していない、ポッと出のゲストキャラにもかかわらずこの結果となったのは、やはりボイス付きの黒幕というポジションが大きかったと思われる。
関連タグ
サガ:前作の登場人物。ルーサーと声優が同じキャストの男性。父親ではないが相棒兼弟子のニユーマン少女から「お父様みたいですわ」と言われている。「血の繋がりはないが父親的な立場のキャスト」という点ではゼフェットと共通する。こちらも厳しい“訓練”をカトリに課していた。
レギアス:前作の登場人物。キャストの老人。ルーサーの非道は知っていたが刃向かえば人類が滅亡するため見て見ぬ振りをしていた(世界を守るために人々を犠牲にしていた)。そんな自分の境遇に諦観する一方で罪悪感も抱いており、最終的には責任を取って自害するつもりだった模様。アニメ版では総督という設定であり、ダークファルス・エルダーをキャノン砲で倒すために多くのアークスシップを巻き添えにした。
ファンタシースターオンライン2_es:「ダーカーを模倣した操り人形を使役する」「アークスが解体されることを恐れ存続のために暗躍する」「自分にフォトン能力がないことを憂う」「最後の戦いでは巨大ロボに乗り込み、改心後もこれを用いて主人公たちを救う」という似て非なる人物が登場する。
イドラ_ファンタシースターサーガ:1000年前から星剣ライオネルを守護していたキャストの男性「メルダー」が登場する。こちらも主人公たちがダークファルスを倒すに足る存在か試すために勝負を挑んで来る。正体は、かつてダークファルスと戦った者たち(アークス)の生き残り。
更なるネタバレ
※以下はPSO2NGS第7章の重大なネタバレを含みます!
はじまり
スターレス討伐に出ていたゼフェットは、スターレスの王である“ダークファルス・ヴァエル”と遭遇したことで攻撃を受け意識を失ってしまう。目覚めた時、艦隊はおろか母星まで滅ぼされており、スターレスも姿を消していた。家族も仲間も無に帰し、唯一生き残った彼はリサージェントアークスを立ち上げてスターレスの対処を行うことにした。
……と思われたが、実際にはヴァエルに憑依され影響を受けていたというのが真相。
スターレスの正体は底なしの食欲を持つフォトンを喰らう怪物であり、ゼフェットたちを獲物と見て襲い掛かって来たのだ。だがフォトンの量が少なかったため、ゼフェットに憑依してフォトンの量が増えるのを待つことにした。スターレスは消えたのではなく、位相空間に身を潜め収穫の時を待っていたに過ぎなかったのだ。
ゼフェットがフォトン感応値の高いアークスを生み出すことにこだわったのも、500年後にスターレスが来ると予測出来たのも、憑依しているヴァエルの意識が影響したのかどうかは定かではない。
だがスターレスに対する敵愾心だけは、自分の内から湧き上がるものだったと語る(つまり全てがヴァエルのせいだったというわけではない、ということなのだろう)。
それから
最初期のリサージェントアークスの人数は10万人。彼らは宇宙空間に築いた都市を拠点にアークスの創造を始めていた。
第一世代アークスはクローンではなく、10万人の中から選出された者たちに1000年前のアークスの遺伝子を移植した者たちだった。多くがフォトンの暴流に耐えられず死亡し、生き残った者たちも精神に異常をきたし実験から外れて行った。
非人道的な実験は多くの反感を買い、殺し合いの末に人員は当初の1割まで減少。その半数も実験の事故や前述のような争いを起こして更に減少してしまう。やがて彼らは拠点都市を放棄、惑星ハルファを実験場として開拓し、ルシエルに移住。そして長い時が経ち、リサージェントアークスは後述の能力を有していたゼフェット、只1人を残して全員居なくなってしまった。
あやまち
実はゼフェットもまた第一世代アークスとなった者だった。彼だけは何の異常もなく生き残り、しかも他者に精神を移植するという能力まで手にする(実際はヴァエルがゼフェットに与えた能力である)。
ゼフェットは身体を乗り換えることで生き続け、リサージェントアークス最後の1人として最強のアークスを生み出そうと奔走を続けた。
ゼフェットの狙いは、実験の末に生み出した最強のアークスである909のデータを収集すること――そのデータを組み込んだ4th(フォース)クローンの素体に意識を移し、自らが最強のアークスを超えたアークスになることであった。
全てはスターレスの王であるヴァエルを倒すため。そのために多くの犠牲を出して来た。
全てはヴァエルの掌の上だったとも知らずに。
ヴァエル
時は流れて現代。ヴェノギアに搭乗したゼフェットはスターレスの尖兵を駆逐する事に成功するが、ボディの損傷も激しかったため意識をファリアに移すことに。
そう、ゼフェットはずっとファリアの中に潜んでいたのだ。そしてハルファのアークスがネームレスシティを発見すると同時に時は来たとしてゼフェットはファリアに宿る意識を覚醒させ、主人公、アイナ、マノン、ファリアの4人をリサージェントアークスの拠点都市であるネームレスシティにまで呼び出した。
その地下施設では第三世代アークスの生成を行っていた。そして最奥には主人公のデータをフィードバックさせた最強を超えた最強のアークスとなる素体、4thクローンが安置されていた。
ゼフェットは数々の真実を語った後、4thクローンに意識を移す。これでようやくヴァエルに対抗できる、そう意気込むゼフェットだったが、これこそがヴァエルの真の狙い。
彼の内に潜んでいたヴァエルは4thクローンを奪い、ゼフェットの精神も取り込んでしまった。最強を超えた力は主人公でも敵わない。なす術もなく蹂躙されるだけかと思われたが、ゼフェットの意識がヴァエルを押さえ付け、位相空間へと強制転移し、主人公らの危機を救った。
おわり
主人公たちは何とかセントラルシティに帰還すると、ゼフェットは再びファリアの身体を借りて一向に語り掛ける(意識の一部をファリアに残していた)。
ヴァエルと一体化したことでスターレスの本質や考えを理解し、自分はヴァエルの掌の上で踊らされていたに過ぎなかったと痛感。しかしアイナから「ゼフェットのおかげで本当の敵と戦う力が持てた。赦せないけど赦す。ありがとう」と感謝の言葉を告げられる。決して言われるとは思わなかった言葉はゼフェットにしっかりと届き。
主人公、マノン、アイナ、そしてハルファに住まうアークス達が以前出会った時よりも遥かに強くなっていた事を実感したゼフェットは彼ら全員を「真のアークス」と認め、
「……ハルファの人々よ。
本当に、すまなかった。
そして、最期にお願いをさせてくれ。
世界のことを……頼む」
激励と共に今までの行いの謝辞、そして技術的課題を抱え、新兵器開発が停滞していた現アークスに課題解決の置き土産を残して逝き、ゼフェットはヴァエルに完全に取り込まれてファリアの身体からも消滅。
ヴァエルから始まった狂気の人生は、ヴァエルの手によって終わりを迎え、アークスという最後の希望を遺したのであった。
真の関連タグ
ルーサー:前作の登場人物。共通点が非常に多くモデルになったことが窺える。
ホルシード:母星を滅ぼしたダークファルス【残影】を倒すために仲間割れをしてまで活動をしていたが、実際はダーカー因子の影響で本来の自分を見失っていた。しかも【残影】はその様を見て楽しんでいた。
真の余談
…と上記の様に非常にシリアスなキャラクターの為、公式ギャグ漫画せんとらるっ!には登場していなかったのだが第7章配信から暫くして公開された137話で初めて本人が登場。
ファリアの身体を借り909達を呼ぼうとしたがファリアお気に入りのカジキマグロから降りようとした事でファリアの意識と喧嘩になってしまう。
更に142話においては時系列的には消滅後なのだがちょっとエネルギーが残ってたからと復活しファリアの肉体を借りてラインストライク(カードバトル)で遊ぶ姿が描かれた。