概要
初登場は「メダロット・ナビ」。
「生命王」型のメダロットであり、型式番号は「KOL-00」。
メダロット・ナビ本編終盤に登場する宇宙メダロットのうちの一機。
これまでに登場したモノクルジアナ、カルブラキオ、トリプテラ、ディティラノの4体の変形後が合体したような姿をしている。
他の宇宙メダロットの名前に「モノ(1)」(モノクルジアナ)・「ディ(2)」(ディティラノ)・「トリ(3)」(トリプテラ)・「カル(4)」(カルブラキオ)とつくように、この機体の名前にも「ゼロ」が付く。
スーサイド(suicide)は英語で「自殺」という意味。
名前を直訳すれば「自殺者ゼロ」、転じて「死ぬ気なし」と言ったところか。
メダロッターの間ではゴッドエンペラーに並ぶトラウマ製造機として知られている当機であるが、その実力に恥じない名前であり、まさに絶滅生物モチーフで構成される宇宙メダロットを束ねる存在にふさわしいものである。
2023年9月にはメダロット・ナビの22周年を記念し「メダロットS」にも登場。
こちらはゼロスーサイドのデザイナー、藤岡建機氏による設定画を基に3D化、イラスト化がされており、性能も強固な装甲や新技などを持った強力なメダロットとして実装されている。
発表時の生放送ではうのへえ(宇野智之)氏からちょっとしたエピソードが語られており、
「当時の資料が全く残っておらず、攻略本にも書いていなかったため、3Dでの再現が困難な状態だった」
「藤岡建機先生のイラスト展で掲載するイラスト監修の中で送られてきたイラストの中にゼロスーサイドの設定イラストが存在したため、実装まで持っていくことができた。」
という開発側の苦労がうかがえる話を聞くことができる。
また、「メダロットS」にはこの機体と関係が深いメダロット、「デッドクエーサー」が先に登場しており、こちらはメダロット・ナビの後日談にてスペロボ団首領カザンバイ教授によってゼロスーサイドのデータを元に迎撃用として開発された。
どの地形でも相性Sで活動できる脚部・防御パーツを破壊するデストロイ・行動を失敗させるバグを備えた両腕などゼロスーサイドとは対にる機体、装甲値では劣るがゼロスーサイドを倒す為に開発されたかのような意図が見える強力なメダロットである。
また各パーツはスペロボ団幹部の機体が合体したかのようなフォルムで所謂スペロボ版ゼロスーサイドとも見て取れる。
能力値
頭部 | メイントライフ | KOL-01NF | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
装甲 | 成功 | 威力 | 回数 | 属性 | 行動 | 特性 | 射程 | 対象 |
100 | 1 | 15 | 5 | 回復 | なおす | レベルドレイン | 1~3 | 敵1体 |
右腕 | ライフフォース | KOL-02NF | ||||||
装甲 | 成功 | 威力 | AP | 属性 | 行動 | 特性 | 射程 | 対象 |
80 | 5 | 47◎ | 17 | 速度 | なぐる | ソード | 0~1 | 敵1体 |
左腕 | ライフブラッド | KOL-03NF | ||||||
装甲 | 成功 | 威力 | AP | 属性 | 行動 | 特性 | 射程 | 対象 |
90 | 1 | 41 | 41 | 解除 | とくしゅ | 反撃 | 0~0 | 味方1体 |
脚部 | ライフレス | KOL-04NF | ||||||
装甲 | 推進 | 機動 | 防御 | 近接 | 遠隔 | 属性 | タイプ | |
90 | 23 | 44 | 44 | 21 | 7 | 回復 | 多脚 |
トラウマものの強さ
この機体は、実は同じトラウマであるゴッドエンペラーのように圧倒的火力を持っているわけではなく、メダフォース初期値MAXのようなズルをしているわけではない。
ゼロスーサイドがトラウマ製造機たる所以は、その圧倒的な装甲、回避力、そして各パーツのイレギュラーな性能にある。
まず装甲の厚さ。
脚部と左腕は90、右腕は80、頭部はなんと100もあり、合計すると360もの耐久力を持つ。
そこに機動力44という驚異の数字と、リーダー機にかかるダメージ減少補正が加わることによって、本機は数字以上の圧倒的耐久力を獲得している。
ちなみに機動力44という数字は、機動力に秀でた潜水・飛行タイプの脚部を除けばトップクラスの数字であり、味方の成功率を上げる「索敵」を使わなければ殆どの攻撃をひょいひょいと避けるほど。
それに加えて、各攻撃も強力。
まず頭部の「メイントライフ」。
『navi』というゲームにおいてメダルのレベルは非常に重要で、メダルのレベルの高さは「回避率」「AP(行動に必要なポイント)」「熟練度」など、機体の強さを司るパラメータに直結している。
メイントライフの効果は「レベルドレイン」。相手のレベルを吸収し、自分のものにする恐ろしい能力である。
これにより自軍メダロットの性能は半減、相手の性能は更に上がり、当たらない攻撃が更に当たらなくなる。頼みの綱のメダフォースもレベルが低ければ全く使えないため逆転の手立てを失ってしまう。
さらに言えばロボトルの地形はほとんどが「砂漠」で構成されており、APを減少させられると砂漠と相性の悪い脚部では相手を攻撃レンジに捉えることさえままならなくなる。
右腕パーツの「ライフフォース」はソード攻撃。これだけなら何の変哲もない攻撃なのだが、そのステータスは異常。
その攻撃力は47と並のメダロットの頭部パーツ並で、しかも貫通する。さらに厄介なことにこの攻撃は「なぐる」行動であり、攻撃後に回避が可能なのである。
成功率は5と低いが、レベルドレインの嵐で弱体化した機体に対しては何の意味もなさない。
左腕パーツの反撃行動「ライフブラッド」は反撃威力が41と低く、相手の攻撃を割とよくはじいてくれる。
このパーツはまだゼロスーサイド系の中では良心的な強さで、圧倒的耐久力と反撃性能と引き換えに消費APは『41』という並のメダロットには到達できない数字にふくれあがっている。
参考までに、Lvを限界まで上げたメダルが推進20~30程度の脚部を装備した際の供給APも30後半が限度で、何らかのAPブーストを行わない限り何の問題もなくこのパーツを運用することは難しい。
しかし、「HP90の盾を持っている」と考えればこのパーツも非常に厄介であり、反撃を受けないとは言え耐久力の上乗せとしては十分すぎる。
そしてハイスペックな脚部「ライフレス」が加わることで、このメダロットのチート性能は完成するのだ。
その強さは、ここまでスペロボ団のクロス攻撃の嵐を耐えぬき、各宇宙メダロットに勝利してきた歴戦のメダロッターたちの心をたやすく打ち砕くに十分なものであった。
神帝が「超絶的火力」をもってトラウマと恐れられたのだとすれば、この機体は「システム上非常に有利な武装」、そして「圧倒的基本スペック」でメダロッター達にトラウマを植えつけたのである。
それに加え、今までの宇宙メダロットが真の能力を発揮するのにメダチェンジの手間を必要としていたのに対し、本機体は変形を必要としないためスムーズに行動に移れる。
さらに取り巻きは、変形することで破格の攻撃性能を発揮する量産型宇宙メダロット軍団(プーパビートル、及びスタッグ)と、質の上でもこちらに優っている。
高火力での一点集中を試みようにも攻撃が命中せず、
各種妨害効果を付加しようにもレベル差がありすぎて成功せず、
この機体の前にどれほどのメダロッターが「打つ手なし」と涙を見たことか…。
対策
対策としては、多くのメダロッターたちが採ったのが「僚機の攻撃に専念してのタイムアップ戦法」である。
僚機であるプーパシリーズは変形後こそ強力であったが、変形前は木偶同然の性能であり、多くのメダロッターはそこに勝機を見出した。
各種攻撃を駆使し、相手のプーパシリーズのパーツを一箇所でも破壊することで相手の変形を阻止、一点集中で叩いてゼロスーサイド以外の相手の数を減らし、タイムアップ勝ちに持ち込む。
但し、ゼロスーサイド自身も攻撃するためタイムアップまで耐えるか、耐えきれないのであればタイトル画面でロボトル時間を短く設定する必要がある。
これが発売当初から現在まで、最も安定してこの機体を倒すことのできる戦術であると言われている。
他には「索敵をかけて相手に各種妨害を付加し、デストロイで倒す」などの方法もあったが、博打色が強かったためにあまり採用はされなかった。
索敵を多用すればレベルドレイン後も攻撃を当てることは可能で、僚機を全て撃破した後、集中攻撃を仕掛ければ倒すこともできる。また、「回数ドレイン」を使えばレベルドレインを封じられる。
メダロットSでは
ボス機体の例に漏れずパーツ個々の基礎性能が非常に高い。パーツの性別は男型。
最大強化であるLV90で各パーツの装甲が全て5000前後という圧倒的な装甲は健在。
この数値はメダロットSではゴッドエンペラーやグレイン、パラレルデウスやメダルイーターといったシリーズボス達はおろか、圧倒的装甲で有名なガンキングすら上回る脅威の数値。
更に脚部特性に新スキル「ハイフライ」を備えており、ただでさえ高い脚部性能に最大30%の補正がかかる。
頭部はレベルドレインから新スキル「ゼログラビティ」に変更、右腕は「ソード」に、左腕には射撃、格闘に両方反撃できる「ニードルガード」を備えている。
ゼログラビティはヒットした相手メダロットに「全ての地形相性をDにさせる」という強力なマイナス症状を付与するスキルになっている。
欠点は全てがHvパーツで構成されていることと、脚部が多脚なので苦手な地形が存在すること。
特に脚部特性には「自分に対する重力属性の攻撃のダメージが2.5倍になる」というデメリットが存在するため、「プレス」や「ブレイク」が大きな弱点となる。
本機体を構成する宇宙メダロット
モノクルジアナ
初戦の相手。モチーフはクルジアナという三葉虫の這った跡。
おそらくあらゆるゲームを通しても三葉虫の這った後がモチーフのキャラを出すのはメダロットぐらいだろう。
変形前は各種変化系の攻撃を駆使して戦う地味な機体だが、変形後は厚い装甲を纏い、ソードを振り回す暴力的な攻撃機に変貌する。
ディティラノ
モチーフはティラノサウルス。
変形前はボクサーを彷彿とさせるグローブのような変化系の両腕を使い、頭部で性能を強化して攻撃してくる。
変形後は列車の玩具のような外見に変化。ブースターで強化されたショック攻撃を撃ちこむ…はずが、設定ミスで頭部回数の初期値がゼロに設定されており、変形すると逆にただの的になってしまう。
なお、今作のバグの被害者達の中で唯一現在でも救済されていない。
トリプテラ
モチーフはプテラノドン。
他の機体と同じく、変化系の両腕を持つ飛行型機。
特筆すべきは変形後で、五角形の盾のように変形、凄まじく分厚い装甲を使った未満防御を仕掛けてくる。
その防御力たるや、半端なレーザー程度は容易く無効化してしまうほど。
ただし変形前であれば先手を打ってアンチエアでパーツを破壊すればメダチェンジできず楽になる。
カルブラキオ
モチーフはブラキオサウルスだが、どちらかと言えば海竜族を彷彿とさせる外見を持つメダロット。
変形後はゲームすべてのメダロットにAPを供給するジェネレーターの出力をダウンさせ、こちらの動きを制限しつつ安定性のあるブレイク攻撃でチミチミと嫌らしい攻めを展開してくる。
主な対策は変形される前にアンチシーをぶつけるしかない。
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ゴッドエンペラー:メダロットシリーズで有名なトラウマ製造機。圧倒的火力。