概要
18世紀末である1784年に、南米チリの首都サンティアゴにある農場に突如現れ、周囲の農作物や家畜などの動物を食い尽くしたという未確認生物。スペインの図書館の資料から見つかった。
記録によると勇敢な100人の男たちが鉄砲で武装して待ち伏せし、最終的には生け捕りすることに成功したと伝わっている。
そのため詳細な姿の記録が残っており、それによると人面で体長が18mもあり、脚は身体に対して短めの1.2mで、爪は脚よりも長い。さらに腕の代わりに蝙蝠のような翼を持つ。
尾は身体の半分ぐらいの長さで二本生えており、上の尾で獲物を捕らえていた。
頭部はたてがみが地面につくほど長く、左右に3.6mもある牛のような耳を生やしており、耳元まで裂けた口を持つという。
一説には洗脳のような能力があったともいい、タギュア・タギュア・ラグーンの赤い目を見つめてしまった人はラグーン(ここでは怪物ではなく湖や潟の方)に潜って消えてしまうという(参考)。
当時は写真が無かったことから絵が残っているが、どう見ても18世紀末の記録にしては前時代的な、中世の悪魔や幻獣図のような奇妙な姿である。
※このイラストのような姿
なおこの生物の名は、日本のブログUMAファンで2006年に紹介された際に名付けられたもので、タギュアとはスペイン語で象牙椰子のことで本来はタグアと発音するようである。またラグーンとは池や湖を表す言葉で、本来この生物の名では無く現れた場所の地名ではないかと考察されている。
実際、この生物は海外ではThe Creature Of Tagua Tagua Lagoon(タグア・タグア・ラグーンの生き物)と呼ばれており(参考)、どうやら情報が国内に入ってくる過程で地名が怪物の名前と誤解されたらしい。
一方、1784年にチリのファグア湖で捕獲されたUMA「ファグア湖の怪物」がおり、こちらも人のような顔、2本の足、翼、2本の尾を持っていた。
こちらはフランスに報告されたようで、「のちにヨーロッパに送る予定」と記録されていた。
このことから、怪物話がフランスからスペインに伝わる過程で誤解や誤読から名前が変化したと思われる。
ちなみにこれらの怪物が生け捕りにされた後の記録は残っていない。
なんと、タギュア・タギュア・ラグーンとその起源ファグア湖の怪物は元ネタが判明している。
起源はマリー・アントワネットの風刺画であるという。不満の対象となっていった彼女を食物を食い荒らすハーピーやドラゴンに喩えた画像だが、どういうわけか「チリで捕まった怪物」のほら話のキャラクターデザインに使用されたようだ。