「俺はな、壊してしまいたいんだよ。この街の人間を、この街のすべてを、この世界のすべてを!」
CV:津田健次郎(FF7リバース)
概要
コレルプリズンのボスキャラ。バレット同様、片腕が銃になっている。
バレットの故郷・コレル村で親友だった男であり、バレットの娘・マリンの実の父親である。
左腕のギミックアームから、ニードルガン、Sマイン、モロトフカクテルを発射して攻撃する。
過去
かつてコレル村の人々は主に鉱山で生計を立てていたが、神羅が魔晄炉建設を計画。村が豊かになるという神羅の説明を信じたバレットは、ダインら反対派を口説き落とし、建設は進められる事になった。
しかし4年前、建設中の魔晄炉を見物に行った帰り、バレットとダインは村が神羅兵に襲われた事を知る。村は火の海と化し、神羅兵から逃げる途中、崖から落ちそうになったダインの手を必死で掴んだバレットだったが、スカーレットの放った銃弾に腕を打ち抜かれ、ダインは断崖の底へと消えて行った。
かろうじてその場を逃れたバレットは、どうせ死ぬなら妻の側で死にたいと、炎に包まれた村に戻るが、そこで息絶えたダインの妻・エレノアと、まだ生きている赤ん坊――ダインの娘・マリン――を見つける。見殺しにできず、マリンを抱いて村から逃げ延びたバレットは、彼女を自分の娘として育てる事にした。
そしてバレットは撃たれて重傷を負った右腕をギミックアームに改造し、神羅への復讐を誓うが、手術を施した医師から、「同じ手術を望んだ男がもう1人いる」と聞かされていた。
その男は自分とは逆の、左腕が銃になっているという……
イベント
ゴールドソーサーで起こった「片腕が銃の男」による乱射事件の関係者と誤解され、クラウド達は砂漠の牢獄コレルプリズンに投獄されてしまう。乱射事件の犯人はダインに違いないと睨むバレット。
前述のコレル村炎上事件は、魔晄炉で爆発事故が発生し、その不祥事を隠蔽すべく、魔晄炉建設反対派の仕業だと責任をなすりつけるための神羅の卑劣な工作によるものだった事がわかっており、ダインが神羅を憎むのなら一緒に戦ってくれるかもしれないという仲間達の声に、バレットは一縷の望みを託す。
そしてバレットとクラウドは、まずはコレルプリズンを脱出する手がかりとなる当地のボスを探す事にするが、そのボスこそがダインであった。
片腕を銃に改造したダインは、何もかも失った虚無感に取り憑かれたまま放浪してコレルプリズンへ流れ着き、気に入らない奴は問答無用で射殺する狂気ぶりによって恐れられ、この地の「ボス」として君臨していたのだ。
久々のバレットとの再会にも特に感情を動かされた風もないダインだったが、マリンが生きていると聞かされるや様子が変わる。
「わかったよ、バレット。やはりお前とは戦わなくてはならないな。
エレノアが1人で淋しがってる。マリンも連れて行ってやらないとな」
そう言いながらダインは襲い掛かってきた。加勢しようとするクラウド達を「手を出すな!これはオレの問題だ!」と押し留め、バレットは一騎打ちの末にダインを倒した。
マリンのためにも生きろとバレットは説得するが、ダインは赤ん坊だったマリンは自分の顔など覚えていまいと拒否し、
「それにな、バレット…マリンを抱いてやるには俺の手は…少々汚れ過ぎちまったのさ…」
と言って、エレノアの形見のペンダントをバレットに託す。
そして「マリンを泣かせるなよ」と言い残して崖から身を投げた。バレットは
「ダイン、お前と同じなんだ……オレだって、オレの手だって汚れちまってる……」
とひたすら慟哭するのだった。
FF7Rでは
ファイナルファンタジー7リバースに登場。
ゴールドソーサーにて神羅兵を射殺して惨劇を引き起こしたのは原典と変わらないが、今作ではコレルプリズンのボスではなくなっており、ロンリー・ゲスによって砂漠の牢獄と呼ばれる僻地の小屋に監禁されていた。
後にバレットに救出されるが、クラウドを見てソルジャーと見抜き、自分を神羅に売ったと勘違いして激昂しバレットに襲い掛かる。
死闘の末に勝利したバレットからマリンの生存を伝えるが、それが却ってダインの心を更に抉る結果となり「俺の手はもう血まみれじゃねぇか!もうどうしようもねえじゃねえか!」と絶望してしまう。
最期はバレット達を監視していた神羅兵達との撃ち合いで相討ちになり、「お前は…生きて…苦しめ」と言い残し、息絶えた。
余談
これまでの事柄から中盤~終盤で戦う宿敵のように思えるが、実際は中盤に差し掛かる辺りで戦うボスである。イベントもこれと言って引っ張るほどではなく、遭遇と同時にそのまま決着を付けてしまうためFF7の中でも早期退場者に当たる。
FF7Rでは、原典と比べてダインの狂気度合いが輪をかけて酷くなっており、もう居ないはずのエレノアとその場で会話しているかのような素振りを見せたり、救出に来たバレットに「お前もエレノアの誕生日を祝いに来てくれたのか?」と発言しているほど、狂人と化している。
そして、最期の台詞も「マリンを泣かせるなよ」という救いのある最期から、「お前は生きて苦しめ」と、最期までバレットを憎みながら死んでいくという救いのない最期になっている。
なお、ゴールドソーサーの虐殺事件についてかなり掘り下げられており、パルマーの命を狙うために引き起こしたとされる。原典と異なり、従業員や一般客も犠牲になっている。