概要
コイ目、コイ科、カマツカ亜科、ツチフキ属に分類される河川下流域や用水路などの泥底に生息する10cm程の底生淡水魚。
国のレッドリストの絶滅危惧IB類に指定されている。
別名:スナモロコ、ドロモロコなど。
日本では近畿地方、山陽地方、九州北部に分布し、海外ではアムール川~メコン川流域や朝鮮半島などの東アジアに広く分布する。
関東地方、東北地方、琵琶湖、濃尾平野などに移入され、国内外来種となっている。
中国系統の外来個体群が九州の筑後川水系や関東地方で発見されている。
タナゴ釣りなどの外道として釣れる事もある。
食用にはあまりされない。
飼育される事もあるが、飼育は難しい。
形態・生態
体長7~12cm程。オスがメスより大きくなる。
一対の短い口ヒゲをもち、下向きの口で水底のデトリタスや小型甲殻類、水生昆虫、付着藻類などを捕食する。
流れがゆるやかな河川中下流域や水路、池や湖などの泥底や砂泥底に生息する。
尾びれや背びれに縞模様があり、体表には黒い斑紋が並ぶ。
繁殖期のオスの胸びれにはギザギザした追星が現れ、背びれが長く伸び、腹びれやしりびれが黄色く染まる。
繁殖期は4~6月。泥底や砂底にすり鉢状の巣を作り、寒天質の卵を産み付ける。卵が孵化するまでオスが世話をし、巣に近寄った生物を激しく追い払う。
生後2年程で成熟し、寿命は3年程。
カマツカに似ているが、背中が盛り上がる。吻が丸みを帯びて短い。背鰭が丸みを帯びて大きい。ほとんど砂に潜らない。ホバリングをする。カマツカよりも小型であるなどの違いから識別できる。
中国産と日本産のツチフキは形態的、遺伝的に違いがあり、別種の可能性が高い。
・日本産の特徴
:目が小さい
:体型は丸みを帯びてふっくらしている。
:体表の斑紋は不明確
:ヒレの縞模様の幅が広い
・中国産の特徴
:目が大きい
:日本産とくらべてスマートな体型
:日本産とくらべてヒレが大きい
:体表の斑紋は明確
:ヒレの縞模様の幅が狭い
関連タグ
ツチフキと3種あわせてコイ科底物三兄弟と呼ばれる。