概要
メコン川とは、中国のチベット高原から雲南省、ミャンマーとラオスの国境、タイとラオスの国境、カンボジア、ベトナムを通って南シナ海に注ぎ込む河川である。長さはおよそ4200kmであり、東南アジアで最長である。雨期は流れが速く、乾期は浅瀬が増えるために船の運航は難しい。
河口付近では本流とバサック川の2つの流れに分かれては合流するメコンデルタと呼ばれる地帯があり、そこではベトナムの米の半分以上を生産するなど農漁業地帯として知られている。
名称
メコンという名前は、タイ語由来である。意味は諸説あるが、メはメーナーム川の短縮語、コーンはサンスクリット語でガンジス川を意味するガンガがなまったもの、つまりメコンは、ガンジス川のように偉大な川という意味であるという説が有力。
他な地域での名称は以下の通り
国 | それぞれの言語での名前 |
---|---|
中国 | 汉語: 湄公河 (ピンイン: méi gōng hé)、チベット語: རྫ་ཆུ་ (ラテン転写: rdza chu) |
ミャンマー | ビルマ語:မဲခေါင်မြစ် (ラテン文字転写:Mè‘kaung Myit) |
ラオス | ラーオ語:ແມ່ນ້ຳຂອງ[mɛː nâːm kʰɔ̌ːŋ]またはນ້ຳຂອງ [nâːm kʰɔ̌ːŋ] |
タイ | タイ語:แม่น้ำโขง [mɛ̂ː náːm kʰǒːŋ]またはแม่โขง [mɛ̂ː kʰǒːŋ] |
カンボジア | クメール語:មេគង្គ [meekoŋ](ラテン文字転写:Mékôngk)、ទន្លេមេគង្គ[tʊənlee meekoŋ] (ラテン転写:Tônlé Mékôngk) またはទន្លេធំ[tʊənlee tʰomŋ](ラテン文字転写:Tônlé Thum) |
ベトナム | ベトナム語:Sông Mê Kông [soŋm me koŋm]、Sông Lớn [soŋm lə̌ːn]またはSông Cửu Long [soŋm kɨ̃w lɔŋ] |
生物
メコン川は、生物の多様性が豊かで、1997年以降に発見された新種は2409種に達している。魚類の種は1200以上に上る。
魚類ではドジョウ、吸盤を持ったナマズ、コイ科のラベオ亜科、クセノキプリス亜科、カマツカ亜科、メコンオオナマズ、およびハモが支配的な種である。
哺乳類では、メコンイルカやカワゴンドウ、カワウソ、スナドリネコなどがいるが、メコンイルカは絶滅の危機に瀕している。
他にも、固有種のシャムワニがいるが、目撃例は激減した。
関連タグ
・川