概要
CV.木川絵理子。
『魔法少女リリカルなのはStrikerS』に登場した戦闘機人集団「ナンバーズ」の13番であり、ストーリー中盤、チンク、ノーヴェ、ウェンディに敗れ、彼女たちによって拉致された「タイプゼロ・ファースト」ことギンガ・ナカジマをジェイル・スカリエッティらが再調整した姿である。
ナンバーズは自分たちのことを姉妹かつロールアウトした順ではなく開発順すなわち「名前の由来になった数字が小さい者が姉、大きい者が妹」と認識しているため、彼女は末妹の13女ということになる。
イタリア語数字に由来した名を付けられている他の姉妹とは違い、彼女だけ名前が英語数字由来なのは、タイプゼロがスカリエッティ以外の者の手によって製造された戦闘機人であるためだとも考えられるが、詳細は不明。
姉達からしてみると、「養子縁組してきた義理の妹」みたいな立ち位置になるのだろうか?
劇中においてスカリエッティや姉達からは単に「サーティーン」もしくは「13番目」と呼ばれ、「ナンバー13」という名前で呼ばれたことは一度もない。
……というより、登場したのが終盤のラスト数話のみだったこともあり、彼女のことを本編中名前で読んでいたのはスカリエッティ、ウーノ、クアットロくらいである。
そのため、本項も以降はサーティーンと表記する。
「タイプゼロ・セカンド」ことスバル・ナカジマとの戦闘による負傷で作戦参加不可能となったチンクを除く姉達と共に都市型テロ「JS事件」を引き起こす。
当初は、ノーヴェ、ウェンディ、ディードと共に時空管理局中央本部の制圧をウーノから命じられていたが、スバルらが現れると「状況に対する不確定要素はなるべく排除したい」というオットーの指示に従い、スバルの回収を目指す。
スバルを圧倒し、抵抗を止めて動作を停止するよう伝えるが、彼女があくまで抵抗する意思を示したことで、行動不能段階まで破壊した後に彼女を回収するよう作業内容の変更する(なお、この際に発した言葉と後述する技名の呟きが、サーティーンの全台詞である)。
その後、スバルをあと一歩の所まで追い詰めたが、マッハキャリバーの自発的なアシストもあり敗北。逆に身柄を確保される(この時、既に本来の自我を取り戻していた)。
その後、管理局の手によって再調整を解除されたため、以降はギンガがサーティーンとして登場することはなくなってしまったが、ウーノやクアットロ達からは『StrikerS』本編後も引き続きサーティーンの名で呼ばれている(ウーノはともかく、クアットロの場合は皮肉や嫌味の意味も込めてこの名で呼んでいる可能性が高い)。
なお、ギンガは自身がサーティーンだった時の記憶は朧げながら覚えており、『StrikerS』本編後の本人からは「色々と苦い思い出」として扱われている模様。
ただし、一時的とはいえナンバーズの姉妹の1人であったことを否定するつもりはないようで、ドラマCD『StrikerS サウンドステージX』において作中起きた事件の調査の一環としてチンクと2人でスカリエッティらの聴取を行った際、上記の通りウーノたちからサーティーンと呼ばれても訂正を促すような発言をすることも、嫌がるような反応もしなかった(しかし、その後スカリエッティから「サーティーン、いやタイプゼロファーストだったか?」と言われた際には「ギンガです。ギンガ・ナカジマ」と言い返している)。
このように、『StrikerS』本編以降もギンガが事実上自身を利用したウーノやクアットロ達を嫌っていたり、憎んでいるような様子は特に見られない(これに関してはチンクやノーヴェらがナカジマ家に養子縁組して妹になったことも一因かもしれない)。
また、彼らがドゥーエの命日が近いので彼女を悼むためとしてワインを情報提供の見返りとして求めると、自身はドゥーエとは面識がないにもかかわらず、彼女のことを思い出すかのような様子を見せたり、見返りのワインは管理局からではなく自分が個人的に用意する旨の返答をしている等、一定の情を示している。
これらの点から、ギンガがナンバーズの面々に対して抱いている感情にはサーティーン(末妹)としての感情も僅かながらに含まれていると考えられる。
容姿・性格
服装はウーノを除く他のナンバーズ同様、青いボディースーツ(ナンバーズスーツ)を着用しており、その上に再調整前に着用していたバリアジャケットに似た黒い上着を羽織っている。
首元のプレートには彼女の名前と同様「XIII」の数字が書かれている。
戦闘時はこれに後述の武装をするが、非武装時はセインや非武装時のノーヴェのものと同じデザインのグローブとブーツが露出する(甲の部分の水晶の色は紫)。
瞳は戦闘機人特有の金色かつズームレンズ機能を備えたカメラアイ。
それ以外の容姿に関してはギンガと同じである。
性格は非常に機械的で人間味が薄く、ほぼ無表情で感情に乏しい。口数も少なく、先述の通り作中にて言葉を発したのは僅か3回であり、それも呟くように口にした自身の技名と淡々とした事務報告である。
これはクアットロの提案により、開発最後発組であるセッテ、オットー、ディードに施された「余剰要素排斥」がサーティーンにも施された為と考えられるが、トーレから「余分なものはなにもない純然なる戦機」と言われ、クアットロから「姉妹で最も余分な感情がない」と評されたセッテでさえ、フェイトと敵対することに僅かながら残念そうな表情を浮かべていたことを考えると、スバルの攻撃に驚く以外は一切表情を変化させることが無く、一切感情の発露を見せなかったサーティーンは、セッテ以上に「余分なものはなにもない純然なる戦機」と言える。
何れにせよ、非常に表情豊かでお喋りな人間味溢れるギンガとは正反対であり、再調整の結果完全に洗脳され、心を支配されたことが窺える。
スバルに敗れた後、瞳の色は本来の色である緑色に戻っており、ティアナと再会した際に申し訳なさそうな表情を見せ、スバルにブリッツキャリバーを託す際には眉を下げ瞳を潤ませており、JS事件終結直後にゲンヤと再会した時には僅かばかり笑みを浮かべる等の表情を見せている(ただし、事件の最中だった為か、本人の精神状態によるものなのか、相変わらず口数は少なかった)。
また、脱出支援と救助任務のためゆりかごに向かったスバルを心配しており、心の中で彼女の名前を呟いていた。
武装・能力
武装は再調整される以前と同様、「リボルバーナックル(左手用)」と「ブリッツキャリバー」を装備。ただしリボルバーナックルは後述するリボルバーギムレットに対応するべく改造されており、ブリッツキャリバーはAIユニットを操作されていた。
チンクらとの戦闘時に欠損した左腕を修復する際、伸縮・回転し、ドリルのように用いる機能「リボルバーギムレット」が追加されたが、先述した再調整解除時にこの機能はさすがにギンガの治療を担当したマリエルによってオミットされた。
また、再調整前と同様、「ウイングロード」を用いた擬似空中戦が可能。
ちなみに、他のナンバーズの姉妹たちやスバルとは違い、本編中一度もIS(先天固有技能)を使用していない。
2019年現在も、各種公式媒体においてギンガ(サーティーン)のISは明かされておらず、それ故にファンの間で「ISを有していない」、「スバル同様、自ら進んでISを使用する気がない」など様々な諸説が挙げられている。
ただし、後者の説の場合、洗脳下かつスバルを機能停止に追い込むまで破壊することに躊躇いがなかったはずのサーティーンがISを使用しなかったことに対して疑問が残る。
なお、リンカーコアをレリックと強制融合させられていたことが本編終了後に発売されたドラマCD『StrikerS サウンドステージ04』にて明らかになっており、これに因んで「強制融合の副作用でISが使用できなくなった(つまり、「ISを使わなかった」のではなく「ISが使えなかった」)のではないか?」と挙げるファンもいる。
スカリエッティのクローンについて
ナンバーズ12人はスカリエッティのクローンを子宮に仕込まれていることが作中にて語られており、一般的にこの12人とはスカリエッティ製のナンバー1〜12を指すものと考えられている。
しかしながら,ナンバー2のドゥーエは長い間アジトには帰還しておらず、チンク以降の姉妹とは面識すらない。
この様な状況でドゥーエがスカリエッティのクローンを宿せていたかどうかはあやしいところがあり、12人目がサーティーンであった可能性は捨てきれない。
余談
- サーティーンはJS事件において、アインヘリアルの襲撃には不参加であり、姉達と共闘するのはそれ以後である。
- オットーはJS事件の指揮をする際にノーヴェとディード、ウェンディには呼びかけをしているが、同じくその場にいたサーティーンには呼びかけをしていない。これに関しては、オットーが「前回の戦いの時にはまだ稼働していなかった(まだギンガだった)サーティーンには分からない話」と判断したためか、サーティーンに前回の戦いについて言及することで彼女の洗脳が解けてしまう可能性を考慮したのか、それ以外に何か理由があったのかは一切不明。
- JS事件の最中、ミッドチルダのテレビ局が危険人物とみられる集団としてノーヴェ、ディード、ウェンディの姿を放送しているが、管理局による情報統制があったのか一緒にいたサーティーンの姿は一切流されていない。
- ギンガのバリアジャケットが、(スバルたちのものと比較すると)露出が少なく地味な印象があるためか、一部のファンから「こっち(ナンバーズスーツ)のほうが似合っている」などと言われることがある。
- pixivでサーティーンのイラストを検索する際は、「ナンバー13」や「サーティーン」などで検索するよりも「ギンガ+ナンバーズ」で検索したほうが多くヒットする。これは、サーティーンという名称がファン間ではあまり浸透していないため。
- チンク、ノーヴェ、ディエチ、ウェンディとはサーティーン時代は自身が妹という立場であったが、JS事件後は自身が姉になったという奇妙な姉妹関係がある。特に、自身と同じくクイントの遺伝子が用いられているノーヴェとは、遺伝子的な意味でも姉妹だったりと色々とややこしい。
- ギンガとサーティーンの性格の違いは行動にも表れており、「母(クイント)を死に追いやった戦闘機人事件を終結させるべく捜査活動を行っていたギンガ」と「戦闘機人事件の首謀者(かつ戦闘機人の理論を完成させ、自分が誕生するきっかけとなったという意味では親)であるスカリエッティの野望を実現するべく破壊活動を行っていたサーティーン」、「常に最愛の妹であるスバルを気にかけ、護ろうとしていたギンガ」と「スバルを躊躇なく行動不能段階まで破壊しようとしたサーティン」と、まったく真逆の行動をしている。