CV:仁内健之(旧アニメ版) 小原雅人(Die Neue These版)
概要
登場当初はフェザーンにおける自治領主アドリアン・ルビンスキーの補佐官を務める。帝国と自由惑星同盟との間の経済のバランスを揺さぶるべくルビンスキーの指揮のもと調略を続けた。
その後、帝国のラインハルト・フォン・ローエングラムが宰相に就くと、ルビンスキーは新たな補佐官にルパート・ケッセルリンクを置き、ボルテックを帝国首都星オーディンの弁務官に就かせて幼い皇帝エルウィン・ヨーゼフ2世の誘拐の準備工作を指示した。
一方、ラインハルトも皇帝誘拐に関しては察しており、フェザーン側が本格的に動き出すとボルテックを呼びつけ、その場で思惑を聞いた上でフェザーン回廊の自由航行権を要求してきた。要は「フェザーンの態度次第では同盟と手を組むこともある」と脅しをかけたのだ。
その点ではボルテックはラインハルトを相手の調略は器量不足であり、板挟みに陥ってしまう。ここで彼は自治領主の座にも野心があり、自分に替わり補佐官に就いた若造のルパートに不満ももっていたため、引き続き皇帝誘拐を続行した上でラインハルトと手を組み、フェザーン回廊を軍事的に通過する便宜を図り、報酬として自治領主の座に就くという密約を結んだ。かくして「”神々の黄昏(ラグナ・ロック)”」作戦が実行され、同盟の皇帝の亡命を口実にイゼルローン要塞を攻撃し牽制した上でフェザーン回廊に侵入、瞬く間にフェザーンは占領されてしまう。(その際ルパートは反逆を図るがルビンスキーに筒抜けで逆に射殺、ルビンスキーも逃亡する)
こうしてボルテックは帝国占領下のフェザーンの代理総督の座に就く事になる。当然フェザーン人側からは「やはりあいつも、利益のためならより高い値で親をも売るフェザーン人だった」と憎悪と反感の目を向けられるが、占領下の中で不平派の弾圧や亡命しようとする船舶の取り締まりを行うなどしたため、当初はボルテックの身に危険が及ぶことはなかった。
ところが、ローエングラム王朝成立後の「回廊の戦い」直前に、ワーレン上級大将の出征とルッツ上級大将のフェザーン方面司令官就任の歓送迎会が代理総督官邸で行われた際に爆弾テロが発生。工部尚書シルヴァーベルヒが死亡、ルッツと軍務尚書オーベルシュタイン元帥、そしてボルテックも負傷した。さらにその後内国安全保障局のハイドリッヒ・ラングによる調査によって、ボルテックがテロの共犯として逮捕される。容疑は「シルヴァーベルヒに行政官の地位を奪われて不満を持っていた。自分も負傷したのも捜査の矛先を他人に逸らそうとした奸計だ」との事。その後、留置場でボルテックが「服毒自殺した」と内務省から発表された。
しかし、その発表に疑問を持った被害者の一人であるルッツは、僚友であり憲兵総監であるウルリッヒ・ケスラーに再捜査を依頼。その結果、ボルテックは「留置場にて食事に毒を盛られて殺害された」事が判明。自分の手を汚すことなくボルテックを始末したいと考えていたルビンスキーがロイエンタールを逆恨みしていたラングを言葉巧みに引き込み結託、ロイエンタールを叛乱に堕としこむ見返りに、ボルテックに無実の罪を着せて殺害したのだった。これによりラングは逮捕、後に処刑されることになる(ルビンスキーは再び逃亡するが、後にハイネセンにて逮捕)。