CV:山寺宏一(OVA版)
概要
33歳の若さでローエングラム朝初代皇帝ラインハルト・フォン・ローエングラムに任命された技術閣僚(テクノクラート)の1人。新設された工部省の初代尚書を勤め、非公認の役職として帝都をオーディンからフェザーンへ遷都し、新帝都建設を統括する帝都建設長官、皇帝の新宮殿「獅子の泉」設計・建設長官も兼ねており、それらの設計はシルヴァーベルヒの手によって進められていた。
ラインハルトに任命された閣僚の中で随一の能力を持つと評されている。いずれローエングラム朝最初の帝国宰相になることを期待され、本人も「大それた望みとは思わぬ」と豪語する自信家で帝国宰相就任の野望を隠そうともしなかった。貴族階級ではあるが、着崩した衣服に無精髭といった出立ちで、話し方も砕けている。
が、新帝国暦2年4月12日、フェーザン代理総督・ニコラス・ボルテックが主催し、パウル・フォン・オーベルシュタイン元帥、コルネリアス・ルッツ上級大将が出席したアウグスト・ザムエル・ワーレン上級大将歓送迎会で爆弾テロが起き、巻き込まれて重傷を負ったシルヴァーベルヒは病院に搬送されたものの、その夜のうちに死亡した。
前述の「獅子の泉」設計にシルヴァーベルヒは斬新な構想をもっていたが、彼の死とともにそれらはすべて闇のなかに消えてしまう事になった。
将来的には政治面での片腕になり得たシルヴァーベルヒを失ったラインハルトは、後にヒルデガルド・フォン・マリーンドルフが皇妃となり、政治的発言権を失った事もあり、政治面を支える人材の不足に陥り、過大な負担を強いられる事となった。
重傷を負ったルッツは、同じように重傷を負ったボルテックが事件の首謀者として逮捕されたことを知り、「被害にあったボルテックが罪に問われるのであれば、同じように被害にあった俺が犯人にされてもおかしくない」と全く身に覚えがないにもかかわらずに恐怖を感じ、事件の調査を憲兵総監兼帝都防衛司令官・ウルリッヒ・ケスラー上級大将に依頼したことにより、フェザーン自治領前自治領主・アドリアン・ルビンスキーと結託した内国安全保障局長・ハイドリッヒ・ラングが真の黒幕であることが発覚した。
工部次官・グルック
中年の技術官僚で一流の能力を有するが、シルヴァーベルヒには劣っていると評されている。
彼なりに自信をもって仕事にあたっていたが、シルヴァーベルヒが急病となり1週間の休みをとったときには仕事を滞らせたあげく、その後に復帰したシルヴァーベルヒがたちまち仕事をかたづけたことで自信を喪失してしまう。
意気消沈したグルックは「無能者」の罵声を浴びることを覚悟のうえでラインハルトに辞表を提出するが、「卿がシルヴァーベルヒより能力が上であれば、シルヴァーベルヒではなく卿を工部尚書にしたであろう、卿は己が分を心得ている。それでよし」として慰留、グルックは次官の職にとどまった。ラインハルトの評によると、新王朝の黎明期にはシルヴァーベルヒの天性の才が必要だが、安定期に入ればグルックの堅実な治世こそが求められるとのこと。
シルヴァーベルヒの横死後、グルックは尚書代行となり、その後正式に尚書に就任した。
シルヴァーベルヒとグルックの挿話に似たものは、イゼルローン要塞事務監・アレックス・キャゼルヌ中将にもあり、彼が病気になり一週間の休みを取ったおり、要塞の事務を執った官僚たちは非効率な前例踏襲をくりかえしたため、市民や軍人から「無能」「非効率」の罵声を浴びるハメになり、それはキャゼルヌが復帰し事務を正常化するまでつづいた。
関連タグ
ラインハルト・フォン・ローエングラム コルネリアス・ルッツ ハイドリッヒ・ラング記事を追加しました。