概要
パンクロックのバンド及びそのオーディエンスに源流を発するファッションの一種。
現在ではパンクファッションを愛好しつつ、パンクロックを聴いた事のない人も多い。
日本のサブカル雑誌ではゴシックやロリータと一緒に取り上げられたため、混合され独特の亜流が生まれている(ゴスパン、ロリパンなど)。
パンク発祥の地であるアメリカでは、パンクスは一般の常識に馴染めない者達なのが唯一の共通点で、音楽性もファッションもてんでバラバラであった。
ニューヨーク・パンクのシーンに接した後、ロンドンに戻ってブティック「SEX」でヴィヴィアン・ウエストウッドによるパンクファッションの服を販売していたマルコム・マクラーレンは、店の宣伝のため結成させたセックスピストルズに、ニューヨーク時代に面白いと思っていたリチャード・ヘルの恰好(変な色に染めて逆立てた髪、引き裂いたTシャツ)をさせ、安全ピンやカミソリ、ピンバッジを大量につけるなどのアレンジを加えた。ただし、ジョニー・ロットン(ジョン・ライドン)はバンド以前からニューヨーク・パンクの研究をしており、そういうファッションだったと語っている。
1970年代のロンドン・パンクのライブでは危険物を身に着けたパンクスたちが血まみれでポゴダンスを踊っていたが、流行のバンドを観に来たにわかの少年たちは耐えられず、革ジャンで身を守っていた。
1980年代のパンク・リバイバル、ハードコア・パンクの時代になると、件の革ジャンに鋲を打ったり、モヒカン刈りにしたりするようになり、現在「パンクファッション」と聞いて連想されるようなビジュアルとなった。
※鋲を打った革ジャンは、当時のNWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)で盛んになっていたヘビーメタル・バンドにも取り入れられた。