フェリックス・ミッターマイヤー
ふぇりっくすみったーまいやー
声:半場友恵
ローエングラム王朝随一の宿将・オスカー・フォン・ロイエンタール元帥を父に、ゴールデンバウム朝末期の帝国宰相・クラウス・フォン・リヒテンラーデ公爵の一族・エルフリーデ・フォン・コールラウシュを母として生まれるが、正確な生年月日は後述する理由により不明となっている。
生誕までの経緯
リヒテンラーデ公はロイエンタールと彼の主君ラインハルト・フォン・ローエングラム元帥(当時帝国軍宇宙艦隊司令長官)に、帝国軍宇宙艦隊副司令長官ジークフリード・キルヒアイス上級大将を暗殺した罪で自害を命じられた。またリヒテンラーデの一族は10歳以上の男子も大半が処刑され、大逆犯の汚名を着せられることとなった。
リヒテンラーデ公は老獪な政治家であり、陰謀家としても知られていたが、このときのキルヒアイス上級大将暗殺には関与しておらず、これらの逮捕・処刑はローエングラム独裁体制の建設が目的であった。
その後、ロイエンタールは上述の事情の詳細は知らない(後にロイエンタール自身が教えている)までも、彼のことを自身や一族を苦境に追い込んだ「大叔父の仇」として認識していたエルフリーデに襲われる。本来なら自身に対する殺人未遂犯として憲兵に引き渡すなり、その場で処刑するなりして終わりになるところだが、何を思ったのかロイエンタールはエルフリーデを自宅に招き入れる、という挙に及び、力ずくで関係を結んでいる。
その際に旧体制の滅亡に加担し、大叔父の処刑を指揮したロイエンタールを「殺人の常習犯」「大逆の罪人」と非難するエルフリーデに対し、ロイエンタールは「自分たちが制度化された盗賊と気づかずに、平民からの搾取の上にしか成り立たない怠惰な生活を送り、相続によってそれを代々続けてきたお前たちよりマシ」と痛烈に反論、エルフリーデへの興味を失ったロイエンタールは「出て行って、お前に相応しい失った過去を嘆くしか能のない男とでも暮らせ」と告げる。それに対してエルフリーデも「お前はいつか主君にすら背きたくなる傲慢な男だ。せいぜい自分の才能に溺れて思いあがっているがいい」と言い捨てて、家から出て行った。
それからしばらくして、エルフリーデは元フェザーン自治領主アドリアン・ルビンスキー一党に保護されるが、時期は子どもを生んだ前か、後かは不明である。
親子の再会と離別
新帝国暦2年、帝国に反乱を起こし敗れたロイエンタールは致命傷を負いつつも任地の惑星ハイネセンに帰還。青ざめてはいるものの彼の表情は平時と変わらなかったという。
死に臨むロイエンタールの前にエルフリーデは一児の赤子を連れて現れた。
ロイエンタールは自らに子供が生まれていた事実を知って驚くが、盟友・ウォルフガング・ミッターマイヤー元帥に預けることを言い残し、エルフリーデもそれに従った。
ミッターマイヤーもまた友人の遺言に従うことを決めるが、ロイエンタールが反逆者である以上、その子を引き取り育てることは、一歩間違えばミッターマイヤー自身が疑念を抱かれかねない。
そのため、皇帝秘書官・ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ伯爵令嬢に皇帝へのとりなしを依頼した。
ミッターマイヤーに叛意など皆無であることは誰もが知るところであり、取りなしの快諾を得ることに成功したまではいいが、ヒルダに「私はかまわないのですが、奥さまはいいのですか?」と言われてしまう。
失念していたミッターマイヤーは、あわててロイエンタールの遺児と友人の従卒ハインリッヒ・ランベルツを自宅につれ帰る。
「ロイエンタールというキャベツ畑からもってきたのでしょ?」
と、優しく微笑む妻エヴァンゼリン・ミッターマイヤーに、ミッターマイヤーも恐縮せざるをえなかった。
両目とも碧眼のロイエンタールの遺児はエヴァの提案によりフェリックスと名づけられた。
新帝国暦3年7月25日、皇帝・ラインハルトの病状が悪化、危篤状態となった。
一時的に意識を取り戻したラインハルトはミッターマイヤーにエヴァとフェリックスをつれて来るよう依頼。皇帝の枕頭でフェリックスは新皇帝アレクサンデル・ジークフリード・フォン・ローエングラムに忠誠を誓った。
同日夜、ラインハルトは崩御。宮廷があわただしく動くなか、ミッターマイヤー夫妻は息子の「ファーター(お父さん)」という言葉を聞くこととなった。
幼いながらも皇帝の友人になることを定められているだけでなく、ロイエンタールの血を引き、ミッターマイヤーに養育されることにより名将になることも期待されている。
ミッターマイヤーは、フェリックスが大きくなったら、誇り高い父のことも話し、「ミッタ-マイヤー」「ロイエンタール」いずれかの名を名乗らせてもいいと考えている。
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