全長約6~7mほど(シャチと同じ程度の大きさ)の中~大型の魚竜の仲間である。
海生に特化し、イルカのような姿に進化した爬虫類である魚竜の仲間である。魚竜は中生代はじめに登場したが、ジュラ紀前期末に起きた海洋環境の激変(後述の海洋無酸素事変がこの時も起きていたようである)で大ダメージを受けた上に首長竜の台頭に圧されるなど次第に衰退していき、中生代の白亜紀半ば約9400万年前に、大規模火山活動を切っ掛けとする海洋生態系の崩壊(海洋無酸素事変)でその姿を消したと言われている。
このプラティプテリギウスは魚竜の絶滅直前まで生きていた最後の種類である。 海鳥やウミガメを食べていた痕跡があり、魚やイカなどに限らず口に入る大きさであれば広範な獲物を捕食していたようだ。
尚、三畳紀の化石でだが、体長5mほどの魚竜が本来の体長が4mのタラットサウルス類(三畳紀のみにみられる原始的な海棲爬虫類)の少なくとも胴体部分を丸ごと食べていた事が確認されている。しかも、歯の構造からこの魚竜は比較的小さな魚などを中心に広範な獲物を捕食してたと推測される。歯の構造が明らかに大物の獲物を捕食対象としていたテムノドントサウルスやタラットアルコンなどに限らず、広範な餌を食べる種の魚竜も、その体に比してかなり大型の獲物を捕食する事が可能だったようである。
プラティプテリギウスも同様に、体に比してかなり大きな魚や海棲爬虫類(例えば魚竜や首長竜の幼体など)をも食べることが出来たのかもしれない。