曖昧さ回避
- 悪魔学における悪魔。ソロモン72柱の悪魔の一柱。
- ゲーム『女神転生』シリーズに登場するキャラクター。本項で解説。
- ゲーム『メギド72』に登場するキャラクター。→ベリト(メギド72)
- 漫画『魔界王子 devils and realist』に登場するキャラクター。→バアルベリト
- 『未来戦隊タイムレンジャー』に登場するキャラクター。→賭博師ベリト
概要
地獄の26の軍団を率いる公爵。『ゴエティア』では28番目、『悪魔の偽王国』では27番目に記載される。
『ゴエティア』『悪魔の偽王国』ではベアレ(Beale)あるいはベアル(Beal)、ボフリ(Bofry)あるいはボルフリ(Bolfri、Bolfry)の別名も記されている。
Berithを別読みで日本語表記にすると「ベリス」となる。ちなみにベレトの綴りは「Beleth」。
「ラッド博士のゴエティア」によると、彼に対抗する天使の名はサイーヒヤ(Saeehiah)。
バアル・ベリト
古代カナアンのシケム(現在のパレスチナ自治区の都市ナーブルス)で信仰されていた神「バアル・ベリト(Baal Berith、「契約の主人」の意)」を起源とすると考えられている。
旧約聖書『士師記』8章33節、9章4節で異教の偶像として言及され、同書9章46節では「エル・ベリト(契約の神)」の表記が見える。後者がバアル・ベリトの別名かどうかは厳密には不明。
バアル・ベリトは悪魔の名ともされ、縮めてバルベリト(Balberith)と呼ばれることもある。
17世紀フランスの大審問官セバスチャン・ミカエリスの著作によると、バアル・ベリトは元智天使の第一級の悪魔であり、殺人と冒涜をつかさどる者だという。そして新約聖書『使徒行伝』に登場する聖人バルナバの敵とされる。コラン・ド・プランシー著『地獄の辞典』の「地獄の宮廷」では、皇帝ベルゼビュートに付き従う幹部の一人である(本書ではソロモン72柱のベリトとは別に項目が設けられている)。
グスタフ・ディヴィッドスン著『天使辞典』ではバルベリトをベリトと同一存在、あるいは別名とする。
姿と職能
赤い服を着て、赤い馬に乗った兵士の姿をしている。頭には冠を被っており『ゴエティア』では黄金の冠だとされる。『地獄の辞典』第六版の挿絵では頭身が低く、膝から先が馬のようになっており、鐙に蹄をかけている姿で描かれている。
ベリトは嘘つきである。『ゴエティア』では彼を召喚するにあたっては(護符となる)指輪が必要だと記されている。
『悪魔の偽王国』では魔術の技が施された指輪を介し、神聖なる力をもって一定時間のあいだ彼を強制的に従わせられる旨が記されている。
彼は全ての金属を黄金に変える力、対象に尊厳を与える力を持ち、過去と現在と未来についての問いに真実に答えるとされる。
創作での扱い
女神転生シリーズ
『デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ』からベリスの名で登場。
詳細は堕天使ベリスの記事参照。
『真・女神転生デビルチルドレン』ではベリトの名で、ゼブルとフェゴールと合わせたバール三兄弟の次男として登場。とろけた赤い馬に乗った王子のような姿で、剣術と錬金術の達人である。