概要
てんとう虫コミックス第36巻、藤子・F・不二雄大全集第12巻に収録「ペンシル・ミサイルと自動しかえしレーダー」に登場。
好きな場所にセットしておくと、専用の発射ボタンを押すだけでいつでも目標に発射できるミサイル。「自動しかえしレーダー」をオプションとして敵の攻撃に対して自動的にミサイルを撃ち出すことができるようになる。ちなみに2012年版では「しかえしミサイル」の名に変更されている。
ストーリー
のび太がまたジャイアンとスネ夫にいじめられたことを話すと、ドラえもんは仕返し用に「チャンピオングローブ」を出してくれたが、しょっちゅういじめられることを理由にこれは却下。これにドラえもんは呆れて物も言えなかったが、のび太は「褒めてくれてありがとう」と相変わらず呑気な状態で、ドラえもんは「ペンシル・ミサイル」を取り出す。
さっそくのび太はこれを庭の物置の横に設置し、ジャイアンとスネ夫が空地にいることを確認すると、ミサイルを発射した。これが命中したことで2人は真っ黒こげになり、のび太は「大成功!!」と上機嫌になるが、その時更に多くのミサイルを持ち歩き、2人が悪事を働いた際に発射し町の平和を守ることを思いつく。
だが帰宅してみるとドラえもんは昼寝の際中だったため、のび太は無断でポケットからミサイル30本、ボタン5個を持ち出し、庭にさしあたって20本のミサイルを設置。その後ジャイアンとスネ夫を尾行した際、2人が通り掛かった少年にわざとぶつかったと言いがかりをつけたのを確認すると、ミサイルを発射して撃退。この様子を笑っていたことがバレて追われることなったが、更にミサイルを発射して撃退し、さすがに2人もこりて帰宅し静かにしていることにした。
だが2人が分かれ道で別々の方向に行くと、悪いことをしそうだからという理由でジャイアンを尾行。一方その頃、スネ夫はのび太の様子を怪しみ野比家の庭を覗いたところミサイルとボタンを発見し、全て持ち去り裏山のあちこちに設置。備考に気付かれるもジャイアンに強気な態度をとるのび太にミサイルを発射し仕返しを始める。
これにのび太が再び助けを求めると、ドラえもんは「自動しかえしレーダー」を出してくれ、残りの30発に取り付けを始める。しかしこれを見ていたジャイアンとスネ夫も庭に置かれていた残りを持ち去り自分達も同じく取り付け始めた。そのことを知らないドラえもん達はジャイアン達にボタンを押さない方がいいと宣言するが、こちらも同じ体制であることを明かされ互いに膠着状態に陥ってしまう。
さすがにこれには両者ともまいってしまい、くだらない喧嘩は止めボタンを川に捨てて空地で仲良く野球をして遊ぶことにした...。
が、この時ジャイアンがホームランを打ったため、そのボールに自動しかえしレーダーは反応してしまい、彼らの上には合計25発のミサイルが迫って来る事態になってしまったが、そのことを彼らは全く気付いていなかった...。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1983年7月1日に、水田版は2012年11月23日にそれぞれ放送している。
1983年版
- サブタイトルが「ペンシルミサイル」に変更
- 冒頭はのび太の視点にて、彼がドラえもんの名を叫びながら階段を駆け上がり部屋に入る様子から描かれている。またこの時ドラえもんはどら焼きを食べなが漫画を読んでいて、チャンピオングローブを出した際、「行ってきなさい」とは言っていない。
- ジャイアンとスネ夫は空地でキャッチボールをしていて、のび太は土管の影からボタンを押している。
- のび太は2発目のミサイルを撃った後、「止めといた方がいいんじゃないの?」「ずいぶん派手にやられたね」と言って2人前に前に出てきている。
- スネ夫はジャイアンがのび太の尾行に気付く前にミサイルとボタンを持ってきているため、のび太がジャイアンに強気になったり、スネ夫がのび太にミサイルを放つ描写は描かれていない。またこの後のび太がドラえもんに助けを求める下りは冒頭の時と同様の描かれ方をしている。
- 一同は和解した後、握手をしている。
- ラストで降り注いだミサイルは最初は相打ちになっていたが、それでもその凄まじい光景に一同は震え上がっていて、その後大爆発の巻き込まれた後ドラえもんはミサイルを出したことをのび太達に責められると共に追いかけられていて、今後ポケットの中から永久になくすことを叫び逃げている。
2012年版
- サブタイトルが「しかえしミサイルが飛んできた」に変更
- のび太が大きなたんこぶを作って帰ってきた時、ドラえもんは漫画を読んでいた。ちなみにチャンピオングローブの使用を拒んだ理由を聞かされた後は「君は最強の怠け者だね」と呆れながら言っている。
- のび太が2か所目にミサイルを設置した場所は駐車場だった。
- ジャイアン、スネ夫が出会った男子は原作とは別のやせ形の見た目になっていて、奪った漫画を返してと言って来たが、ジャイアンは「人聞きの悪い事言うな!永遠に借りてるだけだろうが!永遠に!」、スネ夫は「漫画みたいな顔にしてやろうか!」と怒鳴り返したため、のび太にミサイルを発射された。
- スネ夫は玄関から野比家に入っている。
- のび太が再び助けを求めてきた時ドラえもんはどら焼きを食べていた。
- 一同が互いにボタンを押さない方がいいと言ったり、膠着状態になったりしたのは空地になっている。また、ボタンはオリジナルのひみつ道具「ブラックホールゴミ箱」に入れて二度と取り出せないようにした。
- 原作のラストにあった一連のナレーションはカットされている。
余談
『ドラえもん』を題材としたゲーム作品『アニマル惑星伝説』にも登場する。この作品ではボスに対して一方的に攻撃出来る武器になっている。
また、『緑の巨人伝DS』にも登場する。この作品では攻撃力は高いが、使用中はドラえもん(操作キャラクター)が一切身動きが取れないというハイリスクハイリターンな武器になっている。