概要
『Dr.STONE』に登場する謎の存在。
石化現象の謎を探るための機帆船「ペルセウス」を建造がてら、通信機を再現し使い始めた千空たち「科学王国」の面々だったが、突如として通信が割り込む。
そして膨大な電波によるモールス信号で、一方的に千空達に「W,H,Y」つまり「WHY(何故)」を繰り返すだけ繰り返した後、そのまま連絡は途絶えた。
「人類の活動再開に対する忌避」とも解釈できるタイミングと内容から、千空はこの通信者こそが「世界中の人類を石化させ、今の石の世界(ストーンワールド)を作り出した元凶」と仮定。
その質問には一切応えず、それっきり音沙汰が無い事からして「少なくとも好意的な存在ではない」とゲンは推測した。
実際の所、本当に敵なのかそれとも味方なのか、そもそも人間なのかも定かではないが、千空達が作った灯台が発するGPS用の強力電波と同じ周波数に被せる形で信号を送ってきており、少なくとも旧現代の科学知識を把握し、モールス信号まで扱える知性体な事は確定している。
以降、科学王国はこの通信者に「Why Man(ホワイマン)」という仮称を付け、当面の仮想敵として警戒しながら外海へと調査を開始。
その結果、人類石化の原因である超科学的な「石化装置」が多数ある事を発見し、装置や電波の出所が「月」であることも突き止める。
同時に向こうも千空の声を合成音声で模し、地球全土を範囲とした石化装置の起動音声をループするかのように定期的に送ってきた。この一件で敵意はあると断定した化学王国は月に向かうべく、世界中をまたにかけた科学クラフトを開始するのだった。
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ネタバレ注意!
その正体は、単なる道具と思われていた石化装置そのものにして本当に地球外からやってきた異星生命(エイリアン)であり、無数の石化装置自体がアメーバのように集合する群体型機械寄生生命体だった。
電池だと思われていたダイヤモンドは電池ではなく人間で言う「心臓」に当たる器官だと思われる。
また、地球に存在していた装置が機能停止していたり、意思表示を殆ど示さなかったのは、彼ら機械の体にとって大気(酸素)は劣化を進める”猛毒”であり、真空状態でしか意識を維持することができないから。劇中、一度だけ攻撃と思われた現象が起こったが、それは装置保存のために真空状態にした事で、その個体が意識を取り戻したのが原因である。
つまり今までの地球への攻撃も所謂"自切"に相当するのだが、そこは群体生物らしく、個々より種全体の未来を重視する価値観が強いらしい。
だが命の価値が小さい訳では決してなく、後述するがむしろ生存欲求は地球人と変わらないほど強く、大勢の仲間が大気圏内で劣化して”命が潰える”ことを嘆いている。
更に千空達に「武器」として数年間保管されていた個体が大元に戻った為か、スピーカーを解し、かのエスパーのような不完全な文法ながらも日本語でのコミュニケーションを開始。
自然言語の概念は理解しながらも感情を介在させないがために、語尾が「だ です」のような一定しない口調が特徴。
また、群体ではあるものの確固たる意思を持った個体が複数存在しており、ある個体が交渉を打ち切って石化させようとしたのを別の個体が止めるなど、完全に一枚岩ではない。
その目的は「事実上の不死」を餌に有機生命体に自分達をメンテナンスさせる事であり、作中で「何故」「死にたいのか」と問いかけていたのは脅しではなく純粋な疑問である。
3700年前の全人類石化現象は人間とツバメを「保護」する為にやった活動であり、無機体たる彼らの価値観では悪意は全くなかったのだ。
本編の数百年前に宝島へ大量に落ちてきたのも、予期せぬトラブルで石化が解かれてしまったと判断した人々を保護するためにやった事であり、完全な善意からの行い。
彼らにとって「永遠の存続=不死」は「生命体の最終目的」であり、「石化」も「自己のメンテナンス」も全てはその目的のために行っていることだった。
逆にいうならそれだけ「死亡=不可逆の劣化」は、群体型機械寄生生命体である彼らにとっても絶対的に忌避したい状態と言える。
そのせいか彼らには「生命体究極の願いである不死を拒む生命体は居ない」という固定観念にとらわれているため、「交渉」の概念が一切存在しないのである。
なお最初にツバメを石化させたのは、人間達に石化を見せるサンプルとして本当に偶然選んだだけで、彼らがやろうと思えば、どんな有機生命体であろうが石化できるよう設定することが可能。
一度の石化光線で石化できるのは一種のみで、対象となる種族にだけ光線は視認でき、それ以外は専用の計測器でもなければ知覚できない。
いつ頃月を拠点にしていたのかは不明だが、恐らく一つの支部に過ぎなく本部(母星)があると推測される。地球に来た先発隊が手頃に選んだ『幸運な生き物』のDNAをターゲットに、電波で激しく言及し合う生命体=人間を寄生相手にする。
石化は脳をフル回転させたより知的な個体程解除される様に出来ており、永遠の命と言う甘美な餌で彼らを永遠に育ませようとした。
そして『ならなぜ数千年も石化させて地球文明を滅ぼした?』という問いには『(予想以上に)地球人の知性が劣っていた』と返しており、文明が消えてしまうほど石化し続けるとは思わなかった模様。
最終的に千空との対談で「自分達の幸福と地球人との幸福は相容れない」事を説得され、自分達の価値観に合う高度な生命体を探しに太陽系を去っていった。
その際、地球全土を再び石化させる事もできたが、千空が提示した「未来」を尊重して止め、一機だけはその未来に”唆られ”化学王国に残る事を決めた。
なお、彼ら自身も自らの種の成り立ちは把握しておらず、「それは地球人も同じだろう」と返している。
最終回以降は千空ら地球の科学チームと共に「地球へのアプローチを間違えた事による、仲間の無意味な大量死」を撤回出来うる壮大な科学クラフト・タイムマシンの開発へ参加している。
また、ここまでで述べた無機質な価値観から感情を持たないものと思われているが、実際は内部にある感情回路のスイッチを常時OFFに出来るだけで、ONにした場合は十全な会話能力や、地球人と遜色ない良心に感傷などを見せる事が後日談で判明。
ただし手入れを怠らなければ半永久的に存在し続ける機械生命体であるがゆえ、感情を常時ONにして寿命のある生命達と向き合えば、永遠に死別の悲しみを味わい続ける事は免れず、心をOFFにしなければ到底悠久の旅には耐えられない。
実際感情をONにしたホワイマンは、下手をすれば感情OFF時に何より望んでいた生を放棄しかねないほどにセンチメンタルな言動を見せており、自分達が石化光線を多種族に当てるのも死別を望まないが故ではないかと自己推察している。
真の関連タグ
ELS、キュゥべえ、フェストゥム:同じく、地球外から来た無機群体宇宙人であり、人類の在り方を自分ら風に塗り潰す形で"共存"を試みた究極のありがた迷惑。
タコピー:集英社&地球外生命体繋がりの究極のありがた迷惑。
轟鉄:似たような台詞を言っている。
お前も鬼にならないか?:人間に敬意を持ったが人外が人間を辞める事を申し込んだ似たような話。