概要
『ベルセルク』の登場人物。
筋骨たくましい大柄な体躯の禿頭の男。劇中では「ボスコーン将軍」とも呼ばれている。兜に犀を象った重厚な甲冑を纏い、長大な槍斧を操る猛将。
チューダー帝国最強と謳われる紫犀聖騎士団団長で最強不敗の英雄として世界中に勇名を馳せている。
チューダーと百年戦争を戦うミッドランド王国との戦線にある難攻不落の要塞「ドルドレイ」に赴任。戦場の指揮に口を出す上官のゲノン総督を快く思っていなかった。
チューダー帝国最強の戦士の名は伊達ではなく、作中では人間最強であるガッツに「強い」、「100人斬りより生きた心地がしない」と言わしめたほどであり、あと一歩のところまでガッツを追いつめたほどである。
百年戦争に片を付けるべくドルドレイ要塞攻略を目指すミッドランド軍をボスコーンは迎撃し、ミッドランド最強の2大騎士団のうちの一つ白虎騎士団を粉砕する(台詞を見る限り、ボスコーンにとっては「歯ごたえがない相手」であったようである)。攻略任務を引き継いだグリフィス率いる鷹の団をも迎え撃つが、グリフィスを生きたまま自らの虜囚にしたいゲノン総督によって指揮権に乱れが生じた上、不本意ながら要塞を離れ、撤退の素振りをみせる鷹の団を追撃することになってしまう。
背水の陣を敷き、頑強に抗戦する鷹の団に紫犀聖騎士団を率いて猛攻を加えるボスコーンは鷹の団最強の戦士で斬り込み隊長であるガッツと騎馬での一騎打ちとなる。互いに一歩も譲らぬ攻防が続くも、ボスコーンは、連戦で傷んでいたガッツの剣を折った上にガッツの乗馬を喪わせるという圧倒的優位に立つことに成功する。そのまま一気に勝負を決めるべくガッツに突撃するも、近くに飛んできた大剣を拾ったガッツはカウンター攻撃を成功させ、ボスコーンは乗馬ごと首を斬られ戦死した。
ボスコーンの戦死に動揺する紫犀聖騎士団はじめチューダー軍は、続けざまに手薄になっていたドルドレイ要塞が鷹の団別動隊に占拠された事を知り、完全に士気が崩壊し敗走。ゲノン総督は兵達を制止しようとするも見捨てられ、壊乱の中でグリフィスによって討ち取られた。
本国で皇位継承争いが起きていた中で大敗を喫したチューダー帝国に、もはや百年戦争を継続する力はなく、これによりミッドランドとの講和が成立することになる。
ボスコーンに追い詰められる中でガッツが拾った剣は実はその時点で、ガッツひいてはグリフィスを死なせたくなかったゾッドが投げてきたものであったのだが、当のガッツはそれを知るべくもなかった。
ファンの間では、作中でガッツを除く人間限定の人物で最強筆頭に挙がるほどであり、彼が使途になっていればゾッドやグルンベルドやロクスなどの最強クラスの使徒になっていたのではないかと言われるほどである。
また、後年(劇中では数年後)になっても傭兵希望の家出少年であるイシドロがこのボスコーンが討たれた話を知っているように、作中ではそこそこ有名な話として巷にも広まっているようだが、当のガッツの詳細はほとんど伝わらず、せいぜい「チューダー最強の戦士であるボスコーンを討ち取ったのは伝説の傭兵団である鷹の団の斬り込み隊長」という事しか知られていないようである。ボスコーンが将軍や騎士団長という高い身分・地位を有しながら武名を上げ続けていた身なのに対し、ガッツがこの戦いの直後に鷹の団を脱退して約束された地位を捨て、その鷹の団も国王から反逆者とされ追われる身になってしまった背景なども大いに影響したのだろう。
名前の由来はSF小説「レンズマン」シリーズの悪役組織と思われる。