「あなたを憎み、愛します」
概要
CV:榊原ゆい(CS版/PC版)
身長:160cm 体重:50kg
3サイズ:B88/W60/H89
『Dies irae』のメインヒロイン。
本名は「マルグリット・ブルイユ」。だが、この名で呼ぶのは大体カリオストロである。
金髪の見目麗しいフランス人の少女だが、その生い立ちから「人類最悪にして最美の魂」と称され、生まれながらにして触れた者の首を飛ばすという呪いを有している。
当初は蓮の夢の中に登場するのみだったが、蓮が聖遺物として彼女を宿し、形成位階になってからは人間の姿で蓮の前に現れる。この状態でも生前の呪いは健在だが、蓮の側にいれば呪いが抑制される。
物語の鍵となるキャラクターなので、ルートによって立場が大きく変化する。
香純ルートでは登場時から殆ど変化せず、螢ルートでは成長の兆しを見せ始め、自身のルート及び玲愛ルートで大きく成長を遂げる。
基本的にマリィの成長度合いで攻略していくのが、『Dies irae』の正統な攻略順である(ただし、最終ルートはあくまで玲愛ルートである)。
血、血、血、血が欲しい。ギロチンに注ごう飲み物を。ギロチンの渇きを癒すために。
序盤ではこの不気味な歌を唄う、非常に無垢な性格でありながらどこか違う世界の存在であった。
だが、蓮やその仲間達との交流、そしてラインハルト・ハイドリヒとの邂逅、聖槍十三騎士団との熾烈な戦いの中で徐々に人間味のある可愛らしい少女へと変貌していく。
↓
元ネタはポール・フェバールの小説『L'enfart de la punition(罰あたりっ子)』であると思われる。
またはゲーテの『ファウスト』に登場するヒロイン、グレートヒェンことマルガレーテ。
来歴
1793年、フランスの港町サン・マロに生まれる。
18世紀末のフランスは革命思想に沸き貴族と聖職者は悪とされる時代であり、彼女の両親、特に母はギロチンで行われる処刑を妊娠しても見物に行くほどの共和派だった。
ある収穫祭の日、この町で貧しい者を助け人々に愛されてきた老司祭がギロチンにかかる。だが、彼を処刑するはずの処刑人が現れない。妻は陣痛に耐えながら夫に懇願し、夫は国への忠誠と妻への愛の証明のため彼の首をギロチンで切り落とす。聖者の血の滴る断頭台の下、血のリフレインの中でマルグリット・ブルイユはこの世に生を受けた。
彼女は10歳になっても言葉を話さず、やっと話した言葉は断頭台のリフレイン。母は狂い死にし、父は密輸の罪で断頭台の露と消えた。彼女は生まれつき触れた者の首を刎ね飛ばす呪いを帯びていたため、彼女に近づく者はすべて死んでいく。そんな彼女を人々は嫌悪し、忌避し、恐怖し、彼女は誰とも触れ合うことなく育っていく。ある日ついに彼女は断頭台へと送られ、自らの生まれたギロチンで人としての生涯を終えた。彼女の魂は永劫回帰することなく、以後は自身の世界である黄昏の浜辺で一人歌い続けている。
その生涯の終わりを見届けていたのは一人の男。彼の名はアレッサンドロ・ディ・カリオストロ。
のちにカール・クラフトとも、メルクリウスとも呼ばれるこの魔術師は、「既知感」で満ちたこの世界にただただ飽いていた。その中で奇跡的に出会ったこの少女に恋をし、そしてこの悲劇の女神を救う事を心に誓ったのである。
これが『Dies irae』という物語の始まりであった。
余談
『Dies irae』の歌付きの曲の殆どを歌っているのはマリィ役の榊原ゆいである。
初見の人は演技と歌のギャップに驚くのではなかろうか。
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Dies irae 神咒神威神楽 Dies irae PANTHEON
正体
以下ネタバレ注意
物語当初は求道型の流出位階にある神格、すなわち求道神である。
求道神とは自らの内なる世界に引き籠り、世界の理から外れた存在。
自己完結している為に世界の理から干渉されない反面、世界を自分の色に染める事ができない存在でもある。
当代の神であるメルクリウスはマリィに触れてもらい、殺される事で至高の結末を得ようとしているのだが、求道神のマリィに殺されてしまっては世界が滅びるだけ。
そこでマリィを覇道型の流出位階、つまり覇道神へと変革して、己の後継の神とした上で未知(死)を貰おうとしたのである。
『Dies irae』の主人公藤井蓮は、マリィに触れられないメルクリウスに代わってマリィの成長を促す為に創り出されたパートナーである。
一切人間と関わらぬままに処刑されたため人間の感情をよく理解しておらず、当初は純真無垢ではあるが感情の起伏が乏しかった。
しかし、ラインハルトの聖約・運命の神槍に穿たれた事で蓮の感情が彼女の中に流れ込むようになり、次第に感情豊かになっていく。
そして、ついには自分の渇望を自覚し、女神とならざるを得ない状況になっていき…。
能力
渇望は「全てを抱きしめたい」。
その不幸な生い立ちと呪い故に、誰も抱きしめる事ができなかった為に抱いた渇望である。
生まれつきの斬首の呪いは、たとえ神であろうと首が飛ぶ。
この呪いは非常に強固であり、一度成立してしまえば逃れる術はなく表面上は無事に見えてもマリィの意思に応じて強度を増す性質と相まって時間差で発動する事がある。
これに耐えられるのは鞘である藤井蓮、規格外の質量を誇る邪神のみ。
すべての想いに巡り来る祝福を(アマンテース・アーメンテース=オムニア・ウィンキト・アモール)
マリィの流出。
その法は「誰もがいつかきっと幸せになれるよう願う」というもの。
世に争いや悲劇は無くならない。だからと言って異なるものを排斥すれば過去の座がそうであったように歪みが生じてしまう。
だからこそ彼女は善人も悪人も誰も彼もを慈愛で以って抱き締めた。そうする事で誰もが女神の慈愛の抱擁を感じながら生きていける理を生んだ。女神は「今がどれだけ不幸でも諦めないで、私がついているよ」と励まし、その者の生き方を肯定し、今生の人生が報われなくても次の生では必ず幸せになれるよう来世を約束するというもの。
ちなみに、記憶は転生の度に白紙に戻されるものの、決して過去の歩みが無に還ってしまうわけではない。転生の度に前世と似た、しかし前世で歩んだ分前進した自分となって新たな生き方・可能性を模索する事になる。
故に誰しもが己の願うものに辿り着く為に、自分の道をどこまでも追求する事が出来る。永劫回帰の様な単なる魂の再利用・進歩の無い円環ではなく、単に幸福を約束するだけでもなく、人の子に成長を促す理である。
その流出の特性上、覇道神を共存させられるという歴代覇道神において彼女のみが有した破格の能力を持つ。
本来覇道は総てを己の法則で塗り潰すという性質から、覇道神が複数存在すると互いの宇宙を浸食しあう「殺し合い」状態にしかならない。
だが、彼女は「総てを抱き締める」という性質上「放逐」「排斥」に当たる考えを持たない。故に己の影響下にある限り覇道神を共存させる事が出来る。
逆に言えば、女神の愛を塵と断ずるような特大の下種であろうと排斥する事ができないということ、そして来世を重きに置いてるが故に現世での助けを必要とする者を直接救うことができないという欠点を持つ。
後者の欠点が現世の自分達が救われないのなら、来世に価値はなしと考える者たちを台頭させてしまうことに。
他作品での活躍
続編におけるネタバレ注意
神咒神威神楽
マリィルートのifの続編である本作では、過去の神格の一柱として語られる。
神座世界における五番目の理「輪廻転生」を作り出した五代目の神。第五天・黄昏の女神。
マリィルートの遥か未来において、自分に触れている鬱陶しい存在と勘違いをした第六天波旬によって惨殺されてしまった。
彼女を守る為に戦った三柱の覇道神の内、黄金の獣、水銀の蛇は敗死し、永遠の刹那だけが怒り狂いながらも未来を見据えて生き残る事になる。
その在り方は摩多羅夜行に絶賛の言葉しか出させなかったほど。
主人公の坂上覇吐からはその在り様を賞賛されながらも、己を害する存在すら抱き締めようとしたその「抱き締めたがり」な性質に対し、「女神さんよ、あんた甘すぎんだよ」と悲痛な声で語った。覇吐からすれば自分が原因で殺されてしまった存在なので、その心中は複雑なものがある。
その悲しい最期は『Dies irae』からプレイしてきたユーザーを悲しみとトラウマと憤激の渦に陥れ、結果としてファンの間で天魔・夜刀の株を上げる要因となった。
優しさが仇となってしまった彼女とは逆に、厳しさが仇となって第四天の出現を阻めなかった己の不明を許せず自ら滅びを受け入れてしまった先々代の第三天とは正に対照的だったと言える。
Dies irae PANTHEON
第五神座・黄昏輪廻転生(アニマ・エンテレケイア)の覇道神。神としての名は黄昏。
前日譚『神なる座に列し伝わる救世主(サオシュヤント・デサーティール)』(『Dies irae』及び『神咒神威神楽』の遠い未来)にて、かつての伴侶、蓮との再会を果たす。
第五神座の結末に納得し、波旬とそれを祀り上げた邪教団「転輪王の花輪」に対して恨みはないが、自分の治世の末で蓮や仲間に辛い思いをさせたことを悔いている。