概要
ドイツで1934年頃から計画されていたとされる特殊車輛で、ミッドガルドシュランゲとも表記される。
作戦ごとに様々な能力を持つ無限軌道で駆動するユニットを、まるで大蛇(シュランゲ)のように連結することで、理論上は陸上ばかりか水中であっても侵攻することができるという兵器として設計が開始され、自衛武装としては心もとないが機関砲が予定されていた。
なおこの名は北欧神話の世界「ミズガルズ」を囲む巨大蛇ヨルムンガンド/ミドガルズオルムの、ドイツでの呼び名である。
さらに、先頭に掘削用のドリルユニットを連結することで、地底にトンネルを掘りながら敵地に侵入することができ、妨害されることなく敵軍要塞や軍港地下に爆薬を仕掛けて破壊するという、所謂地底戦車の実現化という設計思想であったとされ、完成した暁には無敵の超兵器となるはずであった。
技術的・経済的な問題により翌年の1935年2月28日には研究開発は中止された。
創作での扱い
勘違いしている者もいるが、大戦末期に起死回生を目指して急遽開発された珍兵器ではなく、実際は上記のように第二次世界大戦以前には既に考案されていたものである。
しかし、荒唐無稽兵器枠として開発に許可を出したナチスドイツ政権時代には試作型が完成しており、戦場で暴れまわる作品がいくつか見られる。
- 強襲ミドガルド蛇:西川魯介による読み切り短編で、捕虜を救出するために発進した試作連結戦車であったが…
- 深く静かに沈没せよ:大滝よしざえもん(大滝よしえもん)原作・おおのやすゆき(大野安之)作画のミリタリーギャグ漫画。「喜劇・駅前戦争 殺人列車出発進行!」の回で「鉄の豚野郎(アイゼルン・シュバイフント)号」が大暴れする。
- 機神兵団:エイリアンと同盟を結んだといわれるナチスドイツの開発した、空戦型の機神(巨大ロボット)として登場した名が同じだけの別物である。