概要
ドップラー軍団と戦うため、エックスが新たに入手したアーマー。
セカンドアーマー同様、フットパーツとアームパーツを揃えると梯子の昇降が高速化し、さらに全パーツを装備すると武器エネルギーの消費量が軽減される。
前作のセカンドアーマーよりも機動力・防御力・攻撃範囲が強化されており、全体的に防御寄りの性能になっている。
パワーアップパーツ
ヘッドパーツ
ステージ開始時に簡易マップとアイテムの位置を表示する「アイテムレーダー」機能が搭載される。
ステージセレクト画面で、各ステージに隠されたアイテム名が表示されるようになるため、初見時や特殊なパスワード使用時、久しぶりにプレイする時に役立つ。
フットパーツ
X2から続投のエアダッシュに加え、上方向へダッシュ移動する「ヴァリアブルエアダッシュ」が使用可能になる。
上方向へのエアダッシュは二段ジャンプとして使える効果であり、発動時は一瞬の溜めが存在するため、滞空時間を延ばせる。
特殊武器のトライアードサンダーと併用することで上方向への体当たりも可能になる。
ボディパーツ
常時ダメージを半減し、被ダメージ時にその後のダメージを3/8に軽減する「ディフェンスシールド」が発生し、連続で攻撃を受けるような状況でのダメージを抑える。
シールドは1回攻撃を受けるか一定時間経過で消失する。
アームパーツ
チャージが2段階追加され、「ダブルチャージショット」と「クロスチャージショット」が使用可能になる。
フルチャージで茶色に発光するため、フルチャージ完了が分かりにくかった前作よりも改善されている。
ダブルチャージ1発目は、小さなエネルギー球を束ねた専用弾となっていて、発射直後は弾速が非常に遅く、敵に命中すると斜め上下に分裂して追撃する特性を持つ。
このアームパーツは攻撃力よりも攻撃手段の増加であり、状況に応じてチャージショットを使い分ける技術が要求される。
【ダブルチャージショット】
チャージショットを連続で撃ちだせるが、X2と仕様は異なる。
ダブルチャージとして使う場合、両チャージショットにボスの無敵時間を貫通する特性がなく、無敵時間の切れ目を狙って撃ち込まなければならない。
また、一発目の初速が遅いため、相手によってはある程度接近することも必要。
【クロスチャージショット】
フルチャージ後、2つのチャージショットを重ねることで、攻撃範囲の広いクロスチャージショットに変化する。
クロスチャージは中心のエネルギー弾とその上下2つに連なる小型の拡散弾で構成される。
攻撃範囲は広くなるが、弾の速度が若干緩やかになり、威力の高い中央の弾は当てづらくなる。
使い所の難しいチャージショットであるものの、防御と迎撃性能に優れており、ミサイルを薙ぎ払って敵にダメージを与える、追いかけて盾に使う、拡散弾は横軸を合わせなくても命中させやすい、置き技として機能する等の利点がある。
操作性の悪い携帯アプリ版では、一度放てば高確率で当たってくれるクロスチャージは強力な攻撃手段となる。
上記2種のチャージショットは、威力や特性の面でX2ダブルチャージに及ばないが、後述の「ハイパーチャージ」や隠し武器などの更なる強化が用意されている。
どちらも足が止まってしまう欠点があるため、X2のようにチャージ時間を調節して通常チャージショットも使っていくと良いだろう。
複数のチャージショットの要素は次回作ではチャージ時間の短縮もあり、複数のアームパーツを用意することで登場している。
ビームサーベル
隠し武器に該当し、特定の条件を満たすことでゼロと引き換えに入手できる。
X2以前の必殺技のようにライフゲージ量は参照せず、地上・空中どちらでも使用可能な高威力チャージ攻撃で使い勝手が良い。
アームパーツ無しの場合、ノーマルチャージショット後にチャージ状態が継続され、ビームサーベルを使うことができる。
ゼロと同じく接近戦でしか使えないが、威力は極めて高い。
アームパーツ有りの場合、フルチャージ時の茶色発光が緑色に変化し、ダブルチャージ後のビームサーベルで衝撃波を飛ばすことができる。
この衝撃波も威力が非常に高く、ボスに命中した場合、複数の斬撃が発生して大ダメージを与えられる。
余談であるが、過去作の隠し要素が波動拳・昇竜拳と某格闘家の技で連続していたため、本作は竜巻旋風脚になるのではないか、と当時予想する声が多かった。
強化チップ
X3では、パワーアップパーツに更なる機能強化を施す「強化チップ」が登場。
4つの強化チップはある特殊な状況を除き、どれか1つしか取ることができない。
SFC版では特殊なパスワードで複数装備した状態にすることも可能だが、PS版・セガサターン版では削除されている。
また、チップはパーツの機能強化に用いられるため、ベースとなるパーツを装備していない場合は取得できない。
パーツを装備していない状態でカプセルを発見しても、ライト博士からパーツを装備してから来るように言われる。
ヘッドチップ
ライフ回復機能が備わり、エックスが静止しているとライフが自動で回復し、ライフ満タン時はサブタンクのエネルギーが補充される。
サードアーマーのヘッドパーツが微妙な機能なので、むしろこちらが本命の機能かもしれない(Xdiveではライフ回復が再現されている)。
長時間放置しておくだけで全てのサブタンクを満タンにすることも可能だが、ライフ回復が出現しやすくなるフロストシールドで雑魚を狩るという手もある。
ライフ回復機能は、特殊武器を使いたくない、ボス戦直前に微小なダメージを負った時などには重宝するだろう。
特に携帯アプリ版では操作性の問題で被弾しやすくなっているのでライフ回復機能が輝く。
ボディチップ
ディフェンスシールドが強化(ダメージ1/4)され、色が青から赤に変化する。
シールドは攻撃を受けても一定時間は展開したままとなるが、シールドでダメージが1/4に軽減されるのは最初の1発だけというバグがあり(移植版やアニコレでも未修正)、以後はシールドによるダメージの軽減効果が消失する。
実質的にディフェンスシールドが弱体化してしまうが、後述するハイパーチップでは強制的に組み込まれてしまう(ただしトータルでは欠点を補って余りある強化は受けられる)。
フットチップ
ヴァリアブルエアダッシュを2回連続で使用可能になる。
ダッシュジャンプからヴァリアブルエアダッシュを1回行うことも可能。
SFCのXシリーズはエアダッシュ後の加速が残るため機動力を大幅に強化できる。
第一形態シグマの火球など、回避の難しい攻撃も避けやすくしてくれる上に歩行速度も若干上昇する。
エアダッシュ回数+1という効果は後のXシリーズでも再現された例がなく、4つの強化チップの中ではもっとも利便性が高いと言える。
アームチップ
ダメージを受けた時にそのエネルギーを蓄積し、エネルギーが満タンに達することでチャージショットを最大14発連続で発射する「ハイパーチャージ」が使用可能になる。
エネルギー満タン時しか発動することができず、途中で武器を切り替えた場合はエネルギーを溜め直す必要がある。
X2のギガクラッシュに相当する機能で、X3時点ではチャージに時間のかかるフルチャージショットを連射できるようになるのは非常に強力。
前作のギガクラッシュは、有効な使い道が対サーゲスタンク戦しかなかったが、チャージショットを連発可能なハイパーチャージは汎用性が高く、ビームサーベルを入手している場合は凄まじい火力を発揮する。
ハイパーチップ
特定の条件を満たし、ある場所に行くことで入手可能。
エックスの姿が金色に変化し、上記4つ全てのチップ機能を併せ持ったフルスペック状態。
ただし、ボディチップのバグはそのままなので、防御性能だけは弱体化する。
パスワードでは記録できない(携帯アプリ版はセーブ可能)。
おすすめの特殊武器
サードアーマーの強化チャージショットは癖が強いので、慣れないうちは特殊武器を活用したい。
X3の特殊武器もまた癖が強いが、使いこなせれば強力なものが揃っている。
【フロストシールド】
前方に氷の弾を発射し、敵や壁に当たるとまきびしになる。
弾速が遅いがライフ回復を落としやすくなるのでサードアーマーのディフェンスシールドがあれば簡単にはやられなくなる。
【トライアードサンダー】
(通常)
エックスの周囲に電撃を展開する。
しばらく攻撃判定が残るのでヴァリアブルエアダッシュとの相性も良い。
PXZシリーズではエックスのクロスチャージショットと共に必殺技と複数技に組み込まれていたりエックスの立体物でも出されていたりなどエックスの代表的な特殊武器として扱われている。
(チャージ)
地面を殴って振動させ、地を這う二発の電気球を発生させるエックスの特殊武器では数少ない拳を介した技。
攻撃力が非常に高く、作品の雑魚敵はほぼ一撃で撃破できる(鎧付きなど例外はある)。
攻撃範囲は画面全体に及んでおり、X2のギガクラッシュに近いが、接地しているか地面ギリギリで浮いている敵限定であり、空中の敵には通用しない。
ただし、こちらは地上でないと攻撃が行われず、空中で発動すると接地するまで行動不能になってしまう。
【スピニングブレード】
(通常)
エックスの斜め上下に発射され、そのまま後方に飛んでいく独特の軌道の特殊武器。
威力が高く、至近距離で連発すれば耐久力のある敵も容易に倒せてしまう。
(チャージ)
威力の高いヨーヨーのような大型の丸鋸が一定距離に放たれる。
方向キーを押すことでエックスの周囲を周るため、攻撃範囲は広い。
【レイスプラッシャー】
(通常)
拡散する光弾を連射する特殊武器。
全弾命中させれば耐久力のある敵でも倒せてしまう。
バスター代わりの武器としても優秀。
【アシッドラッシュ】
(通常orチャージ)
これで敵を倒すと武器エネルギー回復が出やすくなり、X3では武器エネルギー回復のサブタンクがないので多用する特殊武器の回復のために重宝する。
【パラスティックボム】
(チャージ)
チャージすると蜂型の爆弾が敵目掛けて飛んでいく。
威力は低いが回避に専念しつつ攻撃出来るようになる。
サードアーマーのパーツがあるステージ
- パーツ
パーツ | ステージ | 備考 |
---|---|---|
ヘッド | スクリュー・マサイダーステージ | 要アームパーツ+トライアードサンダー |
フット | フローズン・バッファリオステージ | |
ボディ | エレキテル・ナマズロスステージ | 要アームパーツ+バグホール |
アーム | シャイニング・タイガードステージ | 要フットパーツ+トルネードアーム |
サーベル | ドップラーステージ2 |
- チップ
パーツ | ステージ | 備考 |
---|---|---|
ヘッド | エクスプローズ・ホーネックステージ | 要フットパーツ+ライドアーマーH |
フット | アシッド・シーフォースステージ | 要アームパーツ+フロストシールド+ライドアーマーF |
ボディ | シザーズ・シュリンプァーステージ | 要ライドアーマー |
アーム | グラビティー・ビートブードステージ | 要ライドアーマー |
ハイパー | ドップラーステージ1 |
岩本佳浩版
前2作とは異なり、順にパーツを入手するのではなく、一度に装備。
8大ボスとの戦いを終えた後のナイトメアポリス戦で敗北し、ゼロと共に処刑されそうになった際、エックスとゼロに助けられた8大ボスたちがドップラー軍の施設から入手してきたパワーアップデータチップをマーティが届けてくれたことで強化復活を果たす。この日はクリスマスであったために「地球は新たな救世主を得た」と語られた。
カイザーシグマとの戦いで一度は消滅したエックスであったが心のプログラムにより、ハイパーモード状態で復活。胸部の球体は地球を表す演出もされた。カイザーシグマの攻撃を一切寄せ付けず、パンチ一発でカイザーシグマとシグマ城を破壊。
戦い終えた後、ファーストアーマーと同じくエックスの手で外され、ヘッドパーツのみがシグマ城跡地に残される。
ちなみにチャージショットはクロスチャージショットではなく、普通のチャージショットを強力にしたようなものになっていた。クロスチャージの描写が困難、もしくはX2で似たことをエックスとゼロでやってしまったからだろうか?
XDiVE版
2020年10月14日のアップデートにてSランクキャラとして実装。
本作では「Xマックスアーマー」という名義で登場している(英語・中国語表記では「サードアーマー」名義)。
スキルはクロスチャージショットとハイパーチップであり原作と比べかなり強くなっている。
紹介演出では極稀に竜巻旋風脚を披露する。しかし…
2021年6月以降からの扱いが原作同様不遇にされている。
日本版限定で開催された超壊れガチャ「Xアーマーシリーズカプセル」では唯一除外され(同じフェス限であったアルティメットアーマーはあった)、モンスターハンターライズとのコラボイベントのステージの仕掛けの翔虫装置では何故か作動しない(対処方法はサードアーマーもといマックスアーマー以外でプレイしろとのこと)。令和になってなおまた不遇扱いされているのである。
立体化
バンダイから発売された『メガアーマー』シリーズで登場。公式では「X3マックスアーマー」という名称で商品化しており、2020年、コトブキヤから発売されたプラモデルでも「マックスアーマー」名義で発売している。
また、商品開発に携わっていた栗原昌宏氏によると、通常のエックスと区別するために付けた商品名であり、仮にX1やX2のアーマーが発売されていたら「X1マックスアーマー」「X2マックスアーマー」になっていたと語っている(→)。
余談
- SFC版における最後のアーマーだが、クロスチャージショットが前作ダブルチャージより扱いづらいということで評価は芳しくない。ヘッドパーツのレーダー機能もステージ開始直後にしか発動しない上に強制表示なのでテンポを削ぐ。ボディパーツのシールドは防御力向上効果だけであり、前作のギガクラッシュに比べて地味で使い勝手が悪い印象が拭えないのだろう。
- ヘッドパーツのアイテムレーダーは序盤で手に入れても特殊武器とライドアーマーがないと入手出来ない物があるため腐ってしまい(特に最初の強制発動は全てのアイテムを回収しても発動する)、ある程度特殊武器などが揃ってきた時期に回収出来るのは良く考えられている(チップ込みとは言え自動回復機能まである)。ボディパーツに関してもシールドはダメージを受ければ必ず発動するため前作のように使いどころに困るギガクラッシュより安定感はあり、ハイパーチャージのエネルギーをチャージする時にも意外に役立つ。
- X3のアームパーツは前作と比べて分かりやすい強さではないが、クロスチャージショットは縦方向に拡散するために命中率は高く、状況に応じて複数のショットを使い分けることができる。例えば、耐久力の低い雑魚ならばクロスチャージショットで攻撃を防ぐ盾にしながら殲滅し、ボスならばダブルチャージショットで無敵時間の切れ目に攻撃することで総合火力は大きくなるといった具合。
- クロスチャージショットは2つのチャージショットを合体して放つ派手なチャージショットであるためか、PXZシリーズではエックス&ゼロの必殺技or複数技の初撃に使われたり、イレギュラーハンターXのVAVAモードラスボス戦のエックス&ゼロがクロスチャージショットの前身のような攻撃をしたり、XDiVEではX3とイレギュラーハンターXの性能を1つにしたような性能で登場したりしたため、登場の機会は多め。
- 強化チップの存在もあり、元のサードアーマーは若干控えめな性能である。しかし、チャージショットの攻撃範囲拡大、上方向エアダッシュの獲得など、セカンドアーマーより行動の選択肢は増えている。また、隠し要素であるビームサーベルは、エックスのライフゲージに関係なく使用できるうえ、ハイパーチャージと組み合わせた時の破壊力は凄まじく、フル装備状態のサードアーマーエックスはXシリーズでも屈指の攻撃性能を持つ。
- 「サードアーマー」という名称はゲームでは『ロックマンX アニバーサリー コレクション』で初めて使用された。
- 後のブレードアーマーは、上下左右を2倍の距離で移動でき、攻撃判定と無敵時間もつくマッハダッシュを持つが、発動すると中断できないので小回りはヴァリアブルエアダッシュのほうが利く。
- フットチップの効果は後発のXシリーズだけじゃなく、ゼロシリーズやゼクスシリーズにも再現されなかった(ゼロのダブルジャンプやモデルH系統なら近いことは可能)。
- 一部書籍媒体で、バグホールで雑魚敵や弾を吸収するとハイパーチャージのエネルギーが回復するという話があったが、これはデマである。
- ロックマンX3を製作したのはCAPCOM第2開発部ではなくロックマンワールドシリーズを手掛けた(ワールド2以外)「水口エンジニアリング」であり、強化アーマーの存在によって調整が難しいXシリーズを初めて製作したのにもかかわらずサードアーマーの総合性能は手堅く纏まっており、強化アーマーと特殊武器のバランスがしっかりとしているのは流石である(エックスのチャージショットにも使いどころはしっかりある上に一部使いにくいものはあるが特殊武器の性能は良好)。
- ハイパーチャージのようにチャージ無しでチャージショットを撃てる機能はX6に登場したリミットパーツ「オーバードライブ」にも採用されており、こちらは5秒間のみだが、X6の無敵時間の短さもあってボスのライフの大半を消し飛ばせる強力な装備。
関連イラスト