概要
X4で初登場し、レプリフォースの反乱を鎮圧する戦いでエックスが獲得したアーマー。
X5ではキャラクターセレクトでエックスを選択した時の初期装備として登場する。
X4の時点では、正式名称が存在していない(後述)。
ロックマンX4での活躍
セカンドアーマーやサードアーマーにあった有効性の低い機能を廃止し、全体的に戦闘向けの調整が施されている。
通常特殊武器の無限化、2種類の強化チャージショット、無敵突進のギガアタック、エアダッシュにホバリング機能が搭載されており、バランス型の強化アーマーの機能としては完成形に近い。
隠し要素は、このアーマーの性能を更に強力にした物だと言える。
また、携帯アプリ版では隠しアーマーは存在せず、このアーマーのみである。
ロックマンX5での活躍
エックスでゲームスタートした時のみ使用できる初期装備で、X4と同一のものではなくエイリアによって復元されたレプリカであり、X5からはエックスが4番目に入手したアーマー「フォースアーマー」(Fourth Armer)と命名される。
オリジナルの完全な再現には至らず、性能は前作より低下しており、主な弱体化項目はギガアタック使用不可、特殊武器の無制限化削除、プラズマチャージの追加ダメージ低下など。
初期装備ではあるが特殊武器の使用に最も適したアーマーであり、弱体化はしたがノーマルエックスの完全上位互換の性能を有しており、終盤まで戦えるほどの汎用性を持つ。
ゲームスタートでゼロを選択した場合は、アーマーを破壊されて使用出来なくなり、その場合エックスは終盤の隠し要素を取得しない限り、チャージ版特殊武器を使えず火力が落ちてしまう。
エックスを選択した場合はゼロのゼットバスターが使用出来なくなるのだが、X5のゼットバスターは非常に使い勝手が悪く、ストーリー全体で活躍する汎用性の高いフォースアーマーとは全く釣り合っていないのでゼロをメインに使うとしてもフォースアーマーを残した方が良いだろう。
隠しコマンドでアルティメットアーマーを出した場合はフォースアーマーが登場しないため、全アーマーを揃えたい場合は隠しコマンドを使わずエックスでゲームを開始し、零空間ステージ3のカプセルからアルティメットアーマーを取る必要がある。
パワーアップパーツ
X4では各ステージのパーツカプセルから入手する。
X5ではすでに完成しているため、パーツを集める必要はない。
ヘッドパーツ
X4
通常版特殊武器の消費エネルギーがゼロになるが、チャージ版は通常通り消費されるので武器エネルギーが尽きた場合は通常版も使えなくなる。
X5
特殊武器エネルギーの消費量を2/3に軽減する。
フットパーツ
X4
エアダッシュに加え、一定時間滞空する「ホバリング」が使用可能になる。
ホバリングによる滞空時間は静止している状態では長く、前後移動を行うと短くなり、ホバリング状態で移動しなかった場合はエアダッシュに移行できる。
移動目的ならエアダッシュを使えば良いので、ホバリングは「空中に浮き続けて敵の対地攻撃をやり過ごす」といった使い方をすると良い。
このホバリング機能の真価は、後に出たXチャレンジで発揮されることになる。
X5
X4と同じ。
カスタムパーツ【スピードムーブ】でホバリングの移動速度を上げることができる。
ボディパーツ
X4
被ダメージとノックバックを軽減し(ダメージ軽減率2/3)、オーラを纏った無敵の突進攻撃「ノヴァストライク」が使用可能になる。
被ダメージ時と回復アイテム取得時にギガアタックのエネルギーがチャージされ、使用すると空になる。
X2のギガクラッシュと違って一撃の威力が極めて高く、ボスにも有効で通常のエアダッシュよりも飛距離が長いので強化エアダッシュとしても使える。
PXZシリーズではフォースアーマーのノヴァストライクがエックスの通常技や援護攻撃に組み込まれている(アルティメットアーマーのノヴァストライクは必殺技に採用されており、フォースアーマーの物より強力であることが描写されている)。
X5
敵からのダメージとノックバックを軽減する。
ギガアタックはオミットされているが、ダメージ軽減率1/2に強化された。
アームパーツ
X4
チャージショットの異なる2タイプが用意されており、両パーツ共に特殊武器がチャージ可能。
各アームパーツは両方とも入手する事はできず、アームパーツを交換するにはストーム・フクロウルステージへ出撃してカプセルに入り直さなければならない面倒な仕様になっている。
この2つのアームパーツは特殊武器がほぼ不要になるほどの強力な性能を持ち、エックスの弱点である追撃性能の低さを補ってくれる。
- ストックチャージショット
腕部が白色に、拳が青色に変化する。
チャージ弾が最大4発分まで蓄積可能な「ストックチャージショット」が使用可能になり、通常のチャージ時間と同じ時間で2発分、その後順々に1発分ずつストックされる。
他のチャージショットと異なり、チャージ完了後にボタンを離しても最初の一発は発射されず、もう一度攻撃ボタンを押す必要がある。
ノーマルチャージと比べて、ストックチャージ単発の威力や大きさは見劣りするものの、同じチャージ時間で撃てるストック2発分の威力はノーマルチャージの1.5倍以上に相当する。
無敵時間の切れ目に攻撃を当てていくとボスに大ダメージを与えられるが、後述のプラズマチャージと比較すると、対雑魚や中ボスのダメージ効率で劣り、攻撃判定も小さい。
ステージ攻略時はホバリングによる位置調整や特殊武器に頼らなければならない場面もある。
- プラズマチャージショット
腕部が黒色に、拳が赤色に変化する。
威力が高く、大きな攻撃判定を持つ「プラズマチャージショット」が使用可能になる。
ショット自体が目に見えて変化し、また敵にヒットするとその場に一定時間プラズマ弾が発生、消滅するまで対象に追加ダメージを与え続ける。
貫通力が極めて高く、小型の雑魚はほぼ一撃で撃破し、敵に弾かれても弾が消えないという特性を持つ。
追加プラズマ弾は画面内に最大3発まで発生する。
対雑魚・中ボスには絶大な威力を誇るが、ボスに対するダメージ効率は落ちる(プラズマによる追加ダメージ中は他のダメージが通らない)。
X5
腕部はX4ストック版と同じ白色。
プラズマチャージショットで固定となって着弾時に発生するプラズマ弾は画面上に1発のみとなっており、プラズマ弾のヒット数減少や地形貫通効果が削除されたが、ボスにプラズマ弾の追加ダメージが入らなくなったことでダメージ効率は改善した。
プラズマのヒット数減少によって一撃で倒せる雑魚の範囲は減ったが、通常弾の連射か単発火力の高い特殊武器で補おう。
また、隠し要素を使わない場合、唯一特殊武器のチャージを行うことが可能。
フォースアーマーのパーツがあるステージ(X4)
パーツ | ステージ | 備考 |
---|---|---|
ヘッド | サイバー・クジャッカーステージ | |
ボディ | マグマード・ドラグーンステージ | 要ツインスラッシャー+アームパーツ |
アーム | ストーム・フクロウルステージ | 要ライトニングウェブ |
フット | ウェブ・スパイダスステージ |
アームパーツのカプセルは、アーム切り替えのため常時存在する。
強化アーマーとして
- X4
ヘッドパーツの通常特殊武器無制限化、ボディパーツのダメージ軽減とギガアタック、アームパーツのチャージショット強化、フットパーツのエアダッシュとホバリング。
基本的に無駄な効果がなく安定しており、バランス型の強化アーマーとして完成された性能を持つ。
唯一ヘッドパーツに関しては、通常版特殊武器が弱めに調整されているが、ゲームバランスを考慮すると致し方ないと言える。
特にX4はゼロの初プレイアブル化の作品なのでフォースアーマー前提の調整をしてしまうとゼロ編の難易度が高くなってしまう可能性がある。
- X5
キャラクターセレクトでエックスを選択すると使える初期アーマーで、アームグラフィックはストックチャージ版のものだが、チャージショットはプラズマチャージで固定となっている。
全体的な性能は下方修正されたが、防御力は強化されており、失った点を鑑みてもノーマルエックスの上位互換程度の性能は維持している。
アーマーとは関係ないが、X5の仕様でバスターに地形貫通効果がなく特殊武器の重要性が増しているため、高性能なチャージ特殊武器を扱えることが大きな個性となっている。
後の高難易度ボスラッシュのXチャレンジモードでは、X5版フォースアーマーに近い性能のアルティメットアーマーが使われており、このアーマーが良調整だったのが分かる。
- カスタムパーツ
X5のカスタムパーツは数が少なく、キャラやアーマーによってパーツ制限があるため、X6のように細かいカスタマイズができない。
フォースアーマーが装備できるカスタムパーツは2つまでであり、バスターを中心に強化すると安定して戦える。
【アルティメットバスター】
チャージなしでチャージ攻撃を使えるが、一部特殊武器の使い勝手が落ちる。
【ハイパーチャージ】
チャージ時間を短縮する。アルティメットバスターより汎用的で、通常特殊武器を併用できる。
【バスタープラス】
バスターの攻撃力を上げる。X5のボスは弱点使用時の無敵時間が長いため、バスターの攻撃力を上げて戦うほうが時間効率が良い。
【ラピッド5】
通常弾連射数を3から5にする。
特殊武器
- X4
全体的に威力の低い物が多く、大体の状況はプラズマチャージかストックチャージで間に合ってしまう。
対地や対空攻撃、特定武器でないと破壊不可能の敵など、局所的に使える場面はあり、ストックチャージでは対応が間に合わない場合の火力の底上げに使える。
【ソウルボディ】
エックスの前方に分身を出し、分身には攻撃判定があるので敵に接触させると連続ダメージが入る。
バスターでの追撃も可能でストックチャージを使用している場合は充分サブウェポンとして使える。
チャージ版はエックスが一定時間無敵になって、ノーマルエックスの分身を出現させる。
通常弾による攻撃のみが可能な分身で、コントローラーの連射パッドを使えばミリタリートレインの中ボスを安全に処理できるので性能に難があるX4の特殊武器の中では有用性は高め。
【グランドハンター】
小型のエイメカを斜め下に発射(下方向キーで真下に発射)し、攻撃力はエックスの通常弾より僅かに高い。
チャージ版は直進する大型エイメカを発射するが、上下方向キー入力で小型エイメカを追加発射できる。
主に使うのは通常版で、エックスの苦手とする対地攻撃手段になる。
こちらもコントローラーの連射パッド推奨。
【ライジングファイア】
エックスの真上に火炎弾を発射する。
通常版・チャージ版共に対空攻撃で、特にチャージ版は威力が高い。
対中ボス用の武器として優秀な性能。
【エイミングレーザー】
照準が表示され、ロックした敵にレーザーを照射する。
チャージ版は射角変更できる高威力レーザー。
こちらも対中ボス用の武器として優秀な性能。
【ツインスラッシャー】
斜め上下を攻撃する衝撃波を発射する。
2つの衝撃波を当てることでようやくバスターの通常弾の半分くらいの威力になる。
攻撃範囲は広いためコントローラーの連射パッドを使えば耐久力の低い敵を薙ぎ払うことができる。
- X5
大半の特殊武器のチャージ版は前作のモーションを使い回しているが特殊武器の攻撃性能が前作よりも大幅に強化されており、エックスの攻撃範囲のカバーをしてくれる。
バスターの地形貫通性能が削除されているので高い攻撃性能と貫通性能を持つチャージ特殊武器はステージ攻略に重宝し、本作ではフォースアーマー(と隠し要素)しかチャージ版特殊武器が使えないのでチャージ版の性能を記載する。
【クレッセントショット】
エックスの周囲に約7秒間刃のバリアを展開する。
敵に接触することで連続ダメージを与えられ、時間経過以外で解除されない。
バリア展開中にバスターを併用することも可能。
【ウィルレーザー】
エックスの前方に約3秒間巨大なレーザー砲を照射する。
移動撃ち可能・地形貫通・高火力と燃費とダメージによる中断以外に欠点がない。
通常版のホタルメカが消えるまではレーザーが発射できない点に注意。
【グランドファイア】
エックスの前後に炎の竜巻を発射する。
見た目は前作ダブルサイクロンと似ているが、あちらと違い威力が高く、特定の雑魚に無効化されることもない。
【スパイクロープ】
チャージすると斜め上に飛んでいく茨のボールを発射する。
対空攻撃として使える上に威力が高く、かなり固い雑魚のイーグルGすら瞬殺してしまう。
【ジェルシェイバー】
複数の氷のブロックをエックスの前後から放物線を描くように発射する。
性能はグランドファイアに近いが上下左右への攻撃範囲に優れており、広い攻撃範囲によって一部のギミックを動かすことにも向いている。
攻撃力も高く、地形と防御を貫通する。
【ウィングスパイラル】
前方に高威力の竜巻を発射し、離れると次第に大きくなるのでダッシュで追い掛けると竜巻が持続し、敵を倒しながら駆け抜けることが出来るのでX3のクロスチャージショットのように縦方向への攻撃範囲と高い迎撃性能を持っている。
ただし、X5はダッシュで駆け続けることが出来る場所が少ないので強さを実感しにくいのが欠点か。
【ダークホールド】
チャージ版はないがチャージ自体は可能。
チャージすることでダークホールドの時間停止が若干延長し、零空間ステージ1のレーザートラップ地帯を比較的安全に突破出来るようになる。
ロックマンXDiVEでの扱い
『X4』に登場したアルティメットアーマーの存在があり、他のX用のアーマーが実装する中で長らく未実装が続いていた。
2022年1月にようやく実装決定。
スキルはストックチャージショット、ノヴァストライクとアルティメットアーマーとの区別はつけられている。
ただし、原作同様に連続で発動できないなど、後発のわりにインフレが進んだ環境では微妙なポジションとなった。
岩本佳浩版
漫画版X4では、エックスのアルティメットアーマーがフォースアーマーに変化する形で登場した。闇堕ちしたエックスの心の闇が晴れたという心境の変化にリンクしている。
しかし、シグマとの戦いが描かれることなく終わってしまったので、岩本版ではフォースアーマーで戦闘する描写がない。
漫画版におけるフォースアーマーは、アルティメットアーマー本来の姿と言うことになる。
立体物
X4発売時に展開していた「メガアーマー」シリーズにラインナップ。
食玩「ロックマンフィギュア」シリーズにラインナップ。通常モード⇔バスターモードへの換装パーツが同梱する(現在は入手困難)。
2021年1月、コトブキヤでプラモデル化して発売。コトブキヤショップ限定で色違いのライジングファイア仕様があり、アームパーツはプラズマチャージ仕様のカラーリングになっている。さらにプラズマチャージショットのエフェクトパーツが付属。通常版とアームパーツを組み替えてX4プラズマ仕様を再現したり、エフェクトパーツを流用してX5仕様とすることも可能。
余談
- X5以降のプラズマチャージ性能の弱体化に難色を示す者がいるが、X5とX6のボスと同じくらい無敵時間が短いマグマード・ドラグーンのライフの減りようを見れば、あの性能で続投すれば間違いなく特殊武器の存在を食ってしまうだろう。第3開発部はXシリーズを本家ロックマンの延長線として見ていたところがあり、特殊武器で要所を攻略させるために仕方ないところもある。しかし、X6を見ればこれでもまだバスターの調整は優しめである。
- X5の特殊武器は全体的にアッパー調整されており強力なものが多い。そのほとんどが地形を貫通し、地形貫通できないバスターの欠点をカバーできる。当時は特殊武器の利点が見過ごされがちで、顧みられることも少なかった。その理由は、ボス戦は長い無敵時間の発生する弱点武器を使うより、プラズマチャージのほうが効率よく戦えたことにある。
- X5のフォースアーマーと同じく、X6のファルコンアーマーは威力はともかくバスター性能が大幅に弱体化しており、ブレードアーマーはチャージショットの威力が低く、シャドーアーマーは間合いを常に意識しなければボスに火力が出しにくくなっている。
- 後のアニコレのラスボスエックスの攻撃パターンにフォースアーマー(X5)が組み込まれているためファルコンアーマー同様ゲームで3回の出番に恵まれている。
- X5のアームパーツの色はストックチャージ版のものとなっているが、実際に使えるのはプラズマチャージとなっているのは他のチャージショットとの兼ね合いだろう。数発のチャージショットを放てるストックチャージはバスターの無敵時間が短く、オートチャージ機能やチャージ関連のカスタムパーツがあるX5では初期装備としては強すぎるからだと思われる(携帯アプリ版X4でもオートチャージ機能があり、ストックチャージの使い勝手も大分違う)。
- X5のエックスルートを選択するとゼロのバスターは壊れているはずなのに一部のイベントでは普通に使用しており、覚醒ゼロも通常ゼロもバスターを使ってくるのでゼロルートを選んでフォースアーマー大破がX5の正史ルートの可能性がある。
関連イラスト
かつてコミックボンボンでロックマンXシリーズの公式コミカライズを連載していた岩本佳浩氏ご本人によるイラスト。