『KYHAHAHAHAHAHAH♪』
概要
InfiniteDendrogramに登場するボスモンスター、UBMの一体。
ランクは古代伝説級で、正式名称は【黒天空亡 モノクローム】。
第四章におけるラスボスであり、長き眠りから目を覚まし、絶望的な状況を作り出した。
容貌
見た目は直径三メートルほどの罅割れた水晶玉。
水晶からは突起を備えた二対四本の透明な触手を生やしており、周囲には翼のように闇を纏っている。
自身の攻撃で人が燃えて苦しむ様を見て愉しむ悪辣な性格。
しかもその行為は生きるのに必要ではないただの趣味であり、地上に笑い声を響かせながら攻撃する姿は邪悪の一言である。こういった性質からレイはすぐに"赦してはいけない存在"と見なし、ネメシスからも「クソ水晶」と吐き捨てられている。
300年ほど前にトルネ村周辺を襲い恐怖のどん底に陥れた「コクテン様」の正体。
空を闇に包み、目についた人間は燃やすと悪逆の限りを尽くしていた。
しかしたまたま降ってきた隕石と衝突し、その影響で墜落し光の当たらない山の地中奥深くに封印された。水晶のひび割れはその時の跡である。
元々は空高くでただ昼間に浴びた光を吸収し、夜間に少しずつ放出して光るだけのモンスターで、天文学者から『迷い星』などと呼ばれていた。しかしいつしか地上の人間に向けて高熱の光線を発射するようになり、<UBM>に認定された。
能力
上空一万メートルに浮上し、熱線で地上を狙撃する攻撃を行う。
周囲の光を吸収しエネルギーに変える能力を持ち、日光を奪うため周辺は闇に包まれる。
熱線は速度こそ亜音速だが距離にして一万メートルという超射程を誇り、さらに吸収した光をエネルギーにしているため弾切れが無い。
攻撃が届かない上空から、熱線が無尽蔵に降ってくるというまさしくシューティングゲームのような地獄を展開する。
さらに接近しようにも生物が生存できない高度1万2千メートル以上も上昇できるため、生身で肉薄することはまず不可能。加えてモノクロームは超音速の速度で上昇できるため、攻撃を届かせるのは困難。
弱点は本体はそこまで頑丈ではなく、それなりの攻撃を当てれば倒せること。また、上昇するスピードは非常に速いが降下速度はあまり速くなく、レイたちから距離を取って高く上昇したことで地上を再び射程内に収めるのに30分ほど時間を要している。しかし前述のように距離の問題があるため、空間系の攻撃か高速長射程攻撃がなければ当てることすらできない。
逆に言えばそれが有ればあっさり倒せるということでもあり、実際に必殺スキルが空間系である迅羽がその場にいたなら瞬殺できたとされている。自分が絶対有利な条件でしか戦わず、その条件の中なら絶対に負けないというお手本のような条件特化型といえる。
技・スキル
- 《光変換》
あたりの光を吸収し、MPに変換する。
少量の光でもMPを全快できる程に変換効率が良い。
なおモノクロームの主食(エネルギー)は光のため、飲食の必要はない。
- 熱線
4本の触手の先から熱線を放つ。
速度こそ亜音速だが一万メートルの長射程を誇り、さらにエネルギーがほぼ無尽蔵なので雨のように降り注ぐ。チャージすることで威力を上げることもできるが、その分連射出来なくなる。
- 声伝達
距離や速度を越えて声を伝えるスキル。
上空から地上に笑い声を伝え、嘲笑うための意地の悪い能力。しかしその本領はただ嘲笑うだけではなく、声を人のものに変えられることにあり、避難できなかった人物に呼びかけて助けが来たと誤認させて釣り出すという狡猾な芸当も可能。
- 《SHINING・DESPAIR》(シャイニング・ディサピアー)
モノクロームの切り札。
MPの熱線エネルギーへの変換を延々と繰り返してエネルギーを溜め続け、自身が耐えられる限界量のエネルギーを、触手ではなく水晶本体に凝縮させて放つ極太の熱線。
その威力は絶大で、あたり一面を吹き飛ばしマグマへと変える。
来歴
元々自身がいつ生まれ、何者であるかさえも理解しておらず、モノクロームという自身につけられた銘も気に留めていなかった。光を吸収するだけで活動エネルギーをすべて補えたため何もする必要がなく、心を動かすことすらしなかった。
だがあるとき、空の上から人間同士の争う光景を目撃し、闘争による人々の苦悶や絶望を目の当たりにしたことで今まで微動だにしなかった自身の心が揺れ動くのを感じる。
ここからモノクロームは絶望…自分以外の存在に苦痛を与えれば己の心に変化がおこることを認識し、眼下の生物に絶望を与えることに喜びを見出すようになる。
やがて自身の攻撃で燃え上がり、苦しむ存在を心が明るくなる"たいまつ"と呼び始め、絶望させるために生物を燃やし続けた。
ある時期を境に後のトルネ村となる場所の上空に定着し、人々に絶望を与えて楽しんでいたが偶然降ってきた隕石に衝突して地の底へと落下、光が差し込まない場所に落ちたことで休眠状態に入り、長い眠りへ落ちる。
そして300年後、アルター王国各地で頻発していた地震により岩盤が砕け、頭上にごく僅かな光が差し込んだことでついに復活。
自身が埋まっていた岩盤を熱線で融解し、付近のマスターを殺害。瞬く間にMPを全快させて成層圏に到達、闇の翼を広げて太陽の光を呑み、周囲を夜の如き暗闇へと変える。
当初はマスターも狙っていたが痛覚がオフなため苦悶の形相を見せないマスターたちに興味を失い、左手に模様のない"たいまつ"を中心に狙い始める。その邪悪な所業に怒りを燃やすレイをはじめとしたマスターたちが迎撃に向かうも遠距離攻撃は早々に撃ち落とされ、生物が到達できない不可侵領域に浮かぶモノクロームに撤退を余儀なくされる。
目下のマスター、ティアンが避難を始めたことでその邪悪な笑い声を一時的にやめ、遭難者を探す人物を装った声を出すことで風車小屋に避難していた少年、リューイを釣り出して熱線を発射する。
しかし『<マスター>が非ログイン状態のまま<Infinite Dendrogram>で半年が経過すると【ジュエル】内の生物が解放される』というルールが実行されたことでシジマ・イチロウの騎獣グリンガムが開放され、家族を守ろうとした彼によって阻まれる。
グリンガムごと燃やそうと熱線を放つがそこに現れたレイによってまたも阻まれ、誰よりも必死に自身に抗うレイに標的を変える。
レイに絶望を与えるため、数百年間一度も使わなかった切り札《SHINING・DESPAIR》を起動。
発射前の段階の時点で多くの人々が絶望する中、一点の曇りのない怒りの眼差しを向けるレイに対し、一瞬とはいえ初めて恐怖を覚えつつ、《SHINING・DESPAIR》を発射する。
だが地獄の如き光景の中で装備品の一部が融解してなおレイは耐えた。耐えきるために使用した二度目の《カウンター・アブソープション》で軌道がずれたことで辛うじて生存したのだ。
円形盾から流星風車へと姿を変えるネメシスにモノクロームは直感で危険と判断、確実に葬るためにチャージした熱線を放つもバルバロイ・バッド・バーンによって阻まれ、チャージを完了した《応報は星の彼方へ》はモノクロームに向け飛翔、悲鳴を上げながら全力で上昇する。
迫る死の恐怖に怯えながら、ふと数百年間行っていた「人を絶望させ喜ぶ」という自身の行動原理に疑問を感じてしまい、それにより一瞬スピードが遅れネメシスが直撃、溜め込んだ光の全てを解き放って死亡。
その輝きは熱線ではない純粋に美しく輝く光であり、王国のある農村の兄妹はその輝きに目を奪われ喜んでいた。
数百年間人々に絶望を与え続けた黒点の星は、最後に少しだけ世界を輝かせて消滅した。
特典武具
【黒纏套 モノクローム】
モノクロームを討伐したレイが獲得した古代伝説級特典武具。詳細は項目参照。
関連タグ
InfiniteDendrogram UBM 空亡(そらなき) エレメンタル
この先、Web版のネタバレ注意!
彼が復活した原因である地震はファトゥムが起こしたもの。
王国滞在時に遅効性の魔法を仕掛け、風星祭のタイミングを狙い復活させた。