概要
愛知県稲沢市に本社を置く。国内の総合スーパーとしては2022年時点でイオン、イトーヨーカドー、ゆめタウンに次いで全国第4位の売上高を誇る(実際は5位だが4位は九州のイオンを運営するイオン九州なので除外)が、8割以上の店舗が東海3県や静岡県等の中部地方(中部地方以外では、ユニーの関東事務所が設置されている神奈川県に比較的多く、ややするとイトーヨーカドーが少ない地域に出店している傾向が強い)とその隣接府県に集中、最北は新潟県と並んで福島県から最西は奈良県に限られており、それ以外の地域では(かつての)グループ会社サークルKサンクスの店舗しか展開しておらず、それも「サークルKやサンクスは知ってるがユニーなんて聞いたことがない」と平然と答えられる人しかいないと断言出来るほど知名度が無い(イオンの場合は逆にミニストップがこの傾向に当てはまる)。
店舗形態としては主に「ピアゴ」(小規模な店舗)と「アピタ」(大規模な店舗)と「ユーストア」(スーパーマーケット)の3種類があり、最近ではこれらの店舗を業態転換した「MEGAドン.キホーテUNY」も積極的に展開しつつある。かつてはホームセンター形態の「ユーホーム」も展開していたほか、かつてはユニーという社名そのものが店名だった(2010年まで使用されたが、最後のユニーである静岡県富士市の吉原店がアピタ富士吉原店に改装されたことで消滅。この店舗は現在MEGAドン・キホーテUNY富士吉原店になっている)。
マスコットキャラは未来リスの「アピタン」(左)と彼の妹「ピアタン」(右)。
イオンとイトーヨーカドーなどとの違い
ユニーの食料品の値札はイトーヨーカドーやイオンと違うのは値札の中におつとめ品と表記されている商品が多い点が挙げられる。特に鮮魚・精肉コーナーなどで多く使用されている。
更に総菜売り場もイオンやイトーヨーカドーに比べても種類が豊富である。
プライベートブランドの名称は「スタイルワン(StyleOne)」で、同業他社のイズミヤ(エイチ・ツー・オー リテイリング傘下)・フジ(神奈川地盤の富士シティオが展開する方ではなく、愛媛地盤のフジ・リテイリングの方)の3社共同で開発された商品である。
同ブランドもかつてはサークルKサンクスでも併売していたが、ファミリーマートとの経営統合を経て「ファミリーマートコレクション」に切り替えられた(その後さらに「ファミマル」へとリブランドされる事になるが、それはまた別の話)。
アピタの大きな特徴として歩車分離や駐車場に屋根をかけるのに熱心という点があり、雨の日に強い。
ファミリーマートと経営統合
2016年2月3日にユニーとファミリーマートの経営統合が取締役会で決議され、両者が合併契約を締結、同年5月26日にファミリーマートとユニーグループHDの株主総会で経営統合が承認された。
同年9月1日にファミリーマートがユニーグループHDを吸収合併し、「ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社」となり、同時にサークルKサンクスがファミリーマートのコンビニ事業を吸収し「ファミリーマート株式会社(二代目)」に社名変更した。
余談となるが、一部の消費者の間ではこの経営統合の過程で「ユニーも『スタイルワン』を廃止して『ファミコレ』に鞍替えするのではないか?」と要らぬ心配をする輩もいたようである(ただ、沖縄のスーパーマーケットチェーンであるサンエーではローソンとの合弁会社である「ローソン沖縄」の絡みから「ローソンセレクト」をサンエー食品館で販売している事もあり、全くの絵空事とも言えなかったりするし、さらに言うなら「セブンプレミアム」も全国的にはセブンイレブンでの取扱いの印象が強いが、開発の主体となっているのは同じくセブン&アイ系列のスーパーマーケットであるヨークベニマルだったりするので、コンビニ色がどうのこうのという時点で野暮で無粋な話ではある)。
ともあれ、ファミマという後ろ盾を得たユニーは全国的な知名度をしろしめすのも時間の問題かと思われたのだが…
ドンキとの提携、ファミマとの決別
…やはりというか何というか、この経営統合による顕著な成果が現れなかったのか、2017年8月、ユニー・ファミリーマートHDとパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(ドンキの親会社で、2017年当時はドン・キホーテホールディングスと名乗っていた。以下PPIH)の業務資本提携が発表され、ユニーの発行済み株式の40%をPPIHが同年秋に取得。大きな転換期を迎えることになった。残り60%の株式についてもPPIHが2019年1月4日付で282億円で取得し、ユニーはPPIHの完全子会社となった。
実はPPIHの子会社には同業他社の長崎屋もあり、その長崎屋のかつてのコンビニ事業というのがユニーグループのサークルKが買収したサンクスであり、その長崎屋の経営を立て直すために考案されたのが「MEGAドン・キホーテ」だったという訳である。
したがって、ユニーと長崎屋は揃ってコンビニ事業をファミリーマートに吸収され、PPIH(ドン・キホーテ)の傘下になった格好になる。
ともあれ、既にユニーを売却して社名を使い続けることが難しくなっているにもかかわらず、この時点でファミマ側は即座に社名変更するなどの措置を講じ無かったため、数カ月後に「2019年9月に吸収合併を行いファミリーマートに社名を戻す」発表を行うまで「社名詐欺」という悪印象を与える事になってしまった。