経緯
「紅いサソリ」とは、サガフロ2の世界観を色濃く反映させた暗殺者の集団である。
一般的な暗殺者のイメージとはかけ離れた部分もあるので、以下に解説する。
- 格好が派手。特に色。
- これは、この世界(サンダイル)の人々の多くが、アニマ(いわゆる魔力や生命反応など)を当たり前のように感知することを逆手に取ったもので、アニマ反応を消す訓練をする事によって周囲の人々から存在を気づかれない、いわば透明人間のような存在になる。更に、アニマを感知できる人々は視覚に捉えにくい相手を探すことに長けているため、わざと派手にすることでそうした感知を避ける狙いがある。また、「こんな派手な服を着たやつが白昼堂々暗殺なんて出来るわけないだろう」という常識を逆手に取っているとも言えるだろう。
- もちろん、アニマを消す技量に長けていなければ単純に気づかれてしまうため、熟練者ならではの芸当である。
- 人の多い場所で暗殺する。
- 雑踏の中でアニマを消すことは、集団の中にまぎれた透明人間を探し当てることに等しい。上記の派手な衣装と組み合わせることで、凶悪な暗殺技能に発展する。
- 例えるなら、透明人間が人ごみの中で大声をあげ、だれも声の正体に気づかないうちに対象を暗殺し、素早く立ち去るようなものと考えればよい。そしてヨハンは、集団の中でも優れた技能を持っていた。
- 訓練の一部が回想で明かされており、凶悪なモンスターを目の前にして、プレッシャーと戦いながらアニマを一定時間消し続け、モンスターが立ち去るまで待つというもの。これだけでも組織の非情な面が窺えるが、訓練生は名前ではなく番号で呼ばれていた。そして、数々の訓練を生き延びた一部の者が、やっと名前を与えられるのである。彼に与えられた名前は、元々はヨハネであった。
- その後、組織脱走後も数々の追っ手を振り切る。しかし、下級暗殺者相手なら束になってかかってきても大丈夫だったが、自分と同じ上級の暗殺者ならばそうはいかない。数人に取り囲まれ攻撃を受ける。しかし——それを妨げる声が響く。
「そこで何をしている!」
声の主こそギュスターヴ13世だった。
彼は生まれつきアニマを全く持たない、本来ありえないスペックの人間だったため、アニマを感知する事もまったくできず、純粋な視覚で対象を捉えていた。
つまり、外見が派手な暗殺者たちは、ギュスターヴ13世を目の前にしてはただの派手な人殺しだったのである。
集団に襲われていたことで偶然助けられた形になったヨハンだが、この時、自分の素性をどこまで明かしたかどうかは定かではない。
しかし、この一件を機に彼は自分の意思で新たな名前——ヨハンを名乗り、ギュスターヴ13世の護衛となった。
ある日、ギュスターヴ13世はその当時の自国領の最南方にあるメルツィヒの砦に向かう。
- パーフェクトワークスの設定では、時はちょうどギュスターヴ13世が東大陸全土を手中に収めるため、侵略戦争を仕掛けていた最中であり、ラウプホルツ公国に戦争を仕掛け続けるも、やがて敗色が濃くなってきた時期。
- アルティマニアの設定ではそうしたものはなく、単に巡察のため。
だが、その日の夜が明けることはなかった。
砦がモンスターに包囲され、火が放たれた。
真犯人は不明だが、彼らの狙いはギュスターヴ13世本人であることに間違いはなかった。
ヨハンは、ギュスターヴの護衛としてモンスターと戦う決意をする。
その数は圧倒的で、どう見ても勝てる算段はなかった。
しかし、組織で暗殺のためにサソリの力を授かった彼は、同時に裏切り防止のため、体内に同じサソリの毒を仕込まれており、組織内でしか延命できないものだった。どう見てもゲルショッカーです、本当にありがとうございました。
組織を離れた今、彼の命はもはやあとわずか。
そして、度重なるモンスターとの戦いのなかで、サソリの毒に蝕まれ倒れた。
ギュスターヴ13世の行方も、それっきり不明となる。
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