ライガーゼロBiS
らいがーぜろびっとくらうどすぺしゃる
『ゾイド新世紀/ZERO』の主人公のビット・クラウドの駆るライガーゼロ。
名前は「ビット・スペシャル」を意味している。『ゾイドバトルカードゲーム』では、ノーマルの個体と本個体を分別する措置からこのような名称がつけられていた。
食い物目当てにチーム・ブリッツの格納庫に侵入してきたビットと出会い、「すげーゾイド(なのかもしれない)」と褒めてもらえたことにより気を良くしてコックピットに招き入れる。
そして興奮のあまり格納庫を飛び出して一晩中爆走、その勢いのまま翌日のチーム・ブリッツvsタイガースのバトルに飛び入り参加してブリッツに勝利をもたらし、ビットと意気投合してチーム・ブリッツ所属のゾイドとして戦っていくことになる。
その正体は、学習型AIまたはオーガノイドシステムである「アルティメットX」を搭載した個体であり、同じアルティメットXを持つ機体としてバーサークフューラーも登場した。
- 「アルティメット」とは、ライガーゼロと兄弟種「ティラノライガー」の共通の前身とされるライガーの呼称でもある。
「オーガノイドシステム」を搭載していることと、同じ「アルティメットX」であるバーサークフューラーも遺跡から発掘されていることから、ビットのライガーゼロは数百年から数千年生きてきた可能性がある。
非常に感情豊かなゾイドであり、勝利すれば喜びに咆哮し、面白いことがあれば笑うかのような鳴き声を上げ、ビット以外の人間が乗り込めば全く操縦を受け入れずに大暴れする。なんならビットに対してもたまに反抗する。
基本的には言語を発するわけではなく限定的なシステムメッセージを発するか、鳴き声やジェスチャーにより意志を表明するため、その意図するところは概ね察するほかない。だがビットだけはライガーの意志をはっきりと読み取ることができ、兄弟のように談笑していることも多い。
当初はゼロアーマーのみで戦っていたが、スティーブ・トロス博士が3種類の「CAS」を一晩で用意して以降は戦術の幅が増えた。
必殺技は前足の爪「ストライククロー」にエネルギーを集束させ、強烈な一撃を見舞う「ストライクレーザークロー」である。並みのゾイドならば、装甲どころか脚部をもぎ取ってしまい、一撃で大破させる威力を誇る。可動・発光する鬣はそれまでのライガーとは違い頬側にある。
- ストライクレーザークローはライガーゼロ以外にも多くのゾイドが装備しており、バックドラフト団開発のシャドーフォックスの必殺技としても用いられた。
- HMM版では「アルティメット・ストライク」とビットが命名したという独自設定がある。
バーサークフューラーとの最終決戦でもこの状態で戦い、クローをバーサークフューラーの喉元に直撃させてフューラーに競り勝ち、そこをベガ・オブスキュラが緊急脱出したことにより戦闘終了、勝利した。
終盤では、「アルティメットX」が発動したために驚異的なパワーとスピードと俊敏性を発揮してバーサークフューラーを翻弄しており、ストライクレーザークローが瞬時に発動できて発動状態を保てるなど学習と進化が凄まじい。同様に、ライガーゼロシュナイダーの戦闘力も、やはり終盤で大幅に上がっている。
射撃武装
基本形態のタイプゼロでは「ストライクレーザークロー」をメインに戦った。最初は飛び道具を持っておらず、接近戦専用の状態だった。
第2話のガンスナイパーNS戦では、バトルのレギュレーションを満たすためにようやく射撃武器(ヘルディガンナーの主砲)を背中に装備したが、重いこの装備が気に入らなかったライガー自身が弾を撃ち切ったと同時に強制排除してしまう。しかし、なぜか尻尾のビームガンを使おうという判断には至らなかった。
実質的に射撃武装を装備するのは第3話であり、ビットが対戦相手のセイバータイガーの三連装衝撃砲を拝借、一門が破損していたため二連装ショックカノンに修理・改造してライガーの胸部に取り付けるという、(バトルストーリーでは)元々は帝国の機体である事を象徴するかのような流れになっている。以降、素体とパンツァー以外はこのショックカノンを装備した状態で登場する。
バラッドは初期にはタイプゼロに射撃武装が(ビームガンを除き)何も付いていないことに不満を漏らしていたが、最終回のフューラーとの決戦ではパンツァーユニットをパージして次の手を攻めあぐねていたビットに「ゼロがあるだろ、ゼロが」と逆に鼓舞しており、タイプゼロの評価が逆転している。
なお、尾先のビームガンは高出力型のハイデンシティ機構であるが、作中では装備の存在そのものがない事にされた。アニメの世界観では、ライオン型に限らず「尻尾の銃器」が使われる事例はそれがメイン武装でない限りはかなり少ない。
ビットと出会って以降は負けなしの状態が続き、貧乏な弱小チームだったチーム・ブリッツが短期間で一級の強豪チームに駆け上がった。
ジャック・シスコとタスカー姉妹との戦いでは、敗北したものの、ライガーがビットの操縦をアシストして、人間の限界を超えた反応速度で相手の攻撃を回避している。他に負けたことがあるのは、レオン・トロスのブレードライガーLSなど数少ない。
- 「イクスユニット」だけは劇中に登場しておらず、次のアニメゾイドの『ゾイドフューザーズ』の個体(ライガーゼロRD)の「CAS」の候補としても言及すらされなかった。
- とあるMAD動画の制作者が制作した動画はなんと機獣新世紀ZOIDS』の作者の上山道郎氏も巡回済みであり、こちらでは「シーザー・ザ・キング」をベースにした「CAS」に換装している。
- ライガーゼロと比較されるストライクガンダムも、アニメ第1話にて、やはり固定武装 (バルカン砲)を無視されたらしい。