「リアリストだ」
CV:岩崎征実
概要
TVアニメ『遊戯王5D's』の「クラッシュタウン」編に登場したゲストキャラクター。
鉱山町「クラッシュタウン」を支配する2大グループの1つ、マルコムファミリーのリーダー東国ばr…マルコムの弟。
デュエルが何においても絶対視されがちな『5D's』世界において「盤外戦術上等。最終的に俺様が勝てばいい」といった唯一無二のキャラクター性から、遊戯王ファンの間でも絶大な人気を誇っている。
人物像
一つ結びにした黒髪にパッチリ下睫毛や開いた胸元から覗く胸毛といったワイルドな外観の他、彫の深い面立ちに加えて兄同様に色黒でアゴが突き出ている。
僅かな違和感から邪魔者に協力者がいることを予測して自ら排除に出向いたり、ただ排除するのではなく確実に抹殺するための手段を用意していたりと、冷酷非情なだけでなく見た目に反した用心深さも持っている。
デュエルの修行に出ていたこともあり、最初のドローでワンターンキルを成立させるカードを引き込んだり相手プレイヤーの仕草から手札の状況をある程度予測したり、相手プレイヤーが墓地に送ったカードをしっかりと見ていたり、その後にデッキの一番上に戻ったカードがなんなのか覚えていたりと、その腕前はかなり高い。
しかし彼の魅力は後述するところに比重がある。
リアリスト
『5D's』は「デュエルが何においても絶対視される」価値観が特徴的な世界だが、ロットンはそれに反して「必要であれば(自身が利益を得るためなら)盤外戦術でデュエルを強制終了させることも厭わない」人物…すなわちリアリストである。
自身に利益を引き込むためなら実の兄すら強制労働施設送りにすることも躊躇せず、自身に邪魔立てする者はダイナマイトを使ってでも排除しようとする、デュエルで負けそうになれば人質を取って降参を強いる、八方ふさがりになるギリギリのところで一切を捨てて一人逃走するなど、あまりにも『5D's』世界においては異質さを放っている。
そんなキャラクター性から、「リアリスト」はロットンを指す単語として遊戯王ファンに親しまれている。
劇中の描写
元チーム・サティスファクションのリーダーとメ蟹ックがバーバラの策略によって倒れたタイミングにデュエル修行の旅から帰還し、マルコムファミリーと対立していたラモングループのリーダーであるラモンにデュエルを挑んで勝利する。
鉱山送りになった元チーム・サティスファクションの二人に協力者がいることを僅かな違和感から見抜き、自ら始末に赴いて実行に移したのちに町へ帰還。
バーバラの裏切りもあり、マルコムに代わって新たに町長となる(これによってクラッシュタウンはロットンタウンとなった)。
恐怖政治で町を支配しようとした矢先に始末したと思っていた鬼柳と遊星が現れたため、後願の憂いをなくすべく二人を相手に1vs2のデュエルを開始。
次第に旗色が悪くなるも、それに痺れを切らしたバーバラの横やりを活用してデュエルを中断させる。
しかし、2人の健闘によってデュエルが長引いていたこともあって元キングと自称「鉄砲玉のクロウ様」の到着を許してしまい、チーム・サティスファクションの復活を招いてしまった。
さらにセキュリティの到着によって鉱山が押さえられてしまったことで追い詰められて進退窮まると、建物を爆破してどさくさに紛れて一人逃走する(さすがリアリスト、汚い)。
その後は鬼柳に追い付かれ、デュエルの再開を受け入れて一騎討ちの対決となる。
最後は「インフェルニティ・デス・ガンマン」を巡る壮絶な心理戦によって敗北し、バーバラ共々セキュリティに連行された。
使用デッキ・デュエルスタイル
魔法・罠カードをコストに、相手プレイヤーへダメージを与えるバーンコンボを得意とする【オーガ】デッキを使用。
エースカードは「ガトリング・オーガ」と「ロングバレル・オーガ」。
劇中で引いたカードの内容が内容なため視聴者に積み込みと揶揄されがちだが、その内容は「理想的に決まれば簡単に先攻1ターンキルを狙え、手札から発動できるカードを握られていない限りは文字通り何もさせずに勝利できる」極悪バーンデッキ。
もちろん主軸たる「ガトリング・オーガ」は排除されてもすぐに呼び戻せるよう、サポートカードの投入がなされている。
さらに、たとえバーンコンボが不発に終わっても墓地から発動する魔法・罠カードを採用した二重三重の布石を敷いており、遊星との再戦時には「エフェクト・ヴェーラー」を無力化するカードを発動するなど、「対策の対策」もキッチリこなしてみせている。
Dホイールは多人数デュエルも想定したドリルをそのまま車両にしたかのような超大型のもので、牡牛のプリントがされた某スーパーロボットのようなヘルメットを着用。
余談
劇中で鬼柳達と交わした「それでもデュエリストか!?」「リアリストだ」のやりとりは、ロットンを象徴する名言(迷言)の一つである。
次回予告では「轢き潰して、粗引き肉団子にしてくれるぜ!!」といった衝撃的な台詞も存在する(あまりに過激と判断されたのか、本編では未使用)。
『5D's』はいわゆる「もう一つの正義」を掲げる哀しき悪役が目立つ作品だが、ロットンは典型的で純粋なヒールキャラでありながらも「クラッシュタウン編」自体のカルト的な人気とそのブレないリアリスト的な思想・行動から、非常に高い人気を博している珍しいキャラクターだったりする。
デッキ自体のパワーの高さ・完成度に加え、アニメの登場人物(それもゲストキャラクター)ながら類稀なデッキビルドセンスを持つことから、「アニメキャラ最強の決闘者は誰か?」という話題が生まれたときに、ロットンを候補に挙げる人もそこそこいたりする。
67話で登場したルドルフ・ハイトマンが使用した「古代の機械像」は後にOCG化されたが、ロットンの【オーガ】モンスター群や69話で登場したガロメの「地獄徴収官トイチ」はOCG化のハードルが高く、やり玉に挙げられることも少なくない。