異端か勇者か。女戦士の運命の炎が燃え上がる。
概要
リュック・ベッソン監督作品でミラ・ジョヴォヴィッチ主演の1999年の映画『ジャンヌ・ダルク』の好評を受けて便乗として制作されたが、以外にも低予算のテレビ映画ながら優れた脚本と人物描写により本家以上の高評価を受け全米映画評他全24部門ノミネートという快挙を果たした。
映画ではない為、日本では今だDVD化されていないが現在でも名作として名高い作品である。当時の人々の暮らしやペストの恐怖なども描かれており、流血シーンもジャンヌが肩口を負傷するシーンのみで残虐シーンもほとんどない。
あらすじ
時は暗黒の中世ヨーロッパ15世紀、舞台は百年戦争真っ只中のフランス。イギリスからの侵略者は平和な田舎のドンレミ村にまで迫っていた。イギリス兵の襲来に怯えながらも信心深いジャンヌ(ジャネット)・ダルクは幼馴染の少年エーミールや家族と共に平和に過ごしていたが、ブルゴーニュ兵による襲撃により村は破壊されエーミールも失ってしまう。
その時、聖カトリーヌからのお告げを受けたジャンヌはフランスを救い運命を変えるべく守備隊長ロベールの元に旅立って行く。
登場人物
- ジャンヌ・ダルク(ジャネット・ダルク)
演:リーリー・ソビエスキー(吹:小川範子)
本作の主人公でメインヒロイン。描かれる年齢は0歳→10歳→17歳→19歳。信心深くまた優しくも厳しい性格で心身共に美しく長い金髪が特徴の美少女。裕福な農家に生まれ幸せに暮らしていたが、イギリス兵がドンレミ村を襲撃した際に幼馴染で親友のエーミールを失う。その際に天からの守護天使聖カトリーヌのお告げを受け、荷馬車に紛れてドレンミ村を後にし懇願の末にロベール守備隊長に合いシャルル七世への手紙を受け取り、ジャンらと共にシャルルの元に旅立つ。フランスを救うべくシャルル七世を戴冠させる。しかし図らずもシャルルの裏切りや陰謀に巻き込まれ自軍を救うべく自らイングランド軍に捕らえられる。司教達の陰謀により兵士にレイプされ、またジャンらを救う目的で自ら異端の罪を被り火炙りにより処刑され処刑場の灰となった。彼女が救う対象にはフランスだけではなくイギリスも含まれており、戦争を終わらせることでイギリスも救おうとしていたのである。
- ジャン2世・ド・ヴァロア
演:チャド・ウィレット(吹:大滝寛)
フランスの騎士。出会った当初はジャンヌに「俺達の慰み物になりに来たのか」とセクハラ発言するものの、実際にはツンデレなだけの騎士の中の騎士である。後にジャンヌの戦友として行動を共にし、ジャンヌの最後を看取り生涯独身を貫く。
- イザベル・ダルク
演:ジャクリーン・ビセット(吹:野村須磨子)
ジャンヌの心優しき母親。
- ジャック・ダルク
演:パワーズ・ブース(吹:佐々木勝彦)
ジャンヌの父親。利己主義で厳しいが本当は愛情深い。
- バベット
演:オリンピア・デュカスキ(吹:太田俶子)
ジャンヌの世話を務める老婆。
- シャルル7世
演:ニール・パトリック・スミス(吹:咲野俊介)
戴冠式を行い正式にフランス王に就任する。
- モネ神父
演:ロバ-ト・ロッジア(吹:北村弘一)
ドンレミ村の神父。
- ラ・イール
演:ピーター・ストラウス(吹:菅生隆之)
凄腕の傭兵隊長。粗野だが根は好人物で生粋の騎士。
- ピエール・コーション
演:ピーター・オトゥール
シャルルの相談役も兼ねる司教。ジャンヌと対立する。
某クジャクヤママユが好きな少年ではなくジャンヌの幼馴染で盲目の少年。
備考
フランスで2003年に放映されたテレビ映画『La bête du Gévaudan 2003』は本作の好評を受けて模倣して制作されたものである。