一般的な意味
物事の始まり〜終わりにかけての途中で緊張の糸が切れてウダウダになってしまうこと。
イベントの準備やテスト勉強をしていたら、中途でやる気が無くなって全く捗らなくなってしまう、アレである。
創作用語
この場合、特にストーリー進捗における構成のマイナス点を指す。
多くの場合序盤は勢いが良く、終盤に見せ場を仕掛けようとしているが、その分中盤がまとまらず、構成のバランスが悪化してしまう事を意味する。
端的に言うと「中盤がつまらない現象」で、例を挙げるなら、似たような展開が何度も繰り返されたり等。
殆どの長寿作品及び、半年〜1年期間の作品に付きものの現象で、これが長引くとクリエイターのスランプが危惧されたり、クオリティの低下と非難されることも。
さらにひどい場合には、結局中だるみ状態を脱却できずに人気の低下が止まらず打ち切りで作品が強制終了させられたり、クリエイターのモチベーションさえ萎えてエタる(=放棄)遠因となってしまう。
特にギャグ路線や社会風刺、悪ノリじみた表現など、元々無かった要素を足して主題を揺るがす迷走を始めたものは殊更そうなり易い。
発生原因と影響
前述の通り、ほとんどの場合で構成のバランス崩壊が最大の理由。
作劇ではきちんと起承転結とメリハリが成立していることが望ましいが、特に長期連載・番組などでは計画通りにいかないことがしばしば。
クリエイターの趣向の変遷や大人の事情による作風の変更、さらに予定に無かった外伝や過去編、日常編などのエピソードの追加(…という名の引き延ばし)、内容の複雑化などを遠因とする余談や説明パートの増加、さらに諸事情による中断。
等々で、どうしてもテンポの悪化やライブ感の途絶が起きてしまいがちなのである。
いちおう補足しておくが、中だるみ自体はどんな作品でも発生し得、どんなに面白い作品でも愚にもつかないような場面や要素は少なからず存在する。
これが問題となるのは、上手い打開策を講じることができずズルズルとこの状態が続いてしまった結果、作品のマンネリ化や経年劣化を招いてしまうことにある。
例として、人気作品でもあるが野放図な展開が続くようになった『ONEPIECE』(尾田栄一郎作)等があるが、SF評論家の岡田斗司夫は同作を評して
「恐らく作者はラストの構想自体はできているのだが、そこにいたるまでに描きたい構想が多すぎてクライマックスからどんどん遠のいているのだろう(大意)」
……と述べている。
最初からクライマックス
この言葉が有名になったのは特撮作品『仮面ライダー電王』。
「俺は最初から(最後まで)クライマックスだぜ!」
…この言葉が転じて「最初から最後までクライマックスなら中だるみしない」と創作物の理想として受け止められることもあるが、
『太臓もて王サーガ』では「ジャンプだと縁起でもない」と否定的に揶揄されていたり。
関連タグ
似て非なる物
箸休め回:シリアス長編の後のギャグ回など、読者や視聴者が疲れないために意図的に挿入される緊張を緩和させる回であり、中だるみとは異なる。