仕事に忙殺され、
家事をする暇がないので
新しい家電を買った。
「感情の無い」ただの
家電ロボットだと
思っていたのだけれど……?
少しずつ前に進んでいく、ふたりの結婚物語
概要
杉浦次郎により掲載されている漫画作品。英語版タイトルは『My Wife Has No Emotion』。
元々はウェブ漫画としてTwitterやPixivに「ラクガキ版」として投稿され、2019年8月からは『コミックフラッパー』(KADOKAWA、同年9月号から)にて連載、コミック化されている。
漫画版の既刊は7巻。
所謂「不気味の谷」にも切り込みつつ、人間と人型家電ロボットの夫婦生活をテーマとした作品。
人間とロボットの間の認識の齟齬などを描写しながら、初めての「夫婦生活」に挑もうと奮闘する、おかしくて少し切ない、そして心温まる日常を重ねていくストーリー。
あらすじ
一人暮らしのサラリーマン、拓馬は、仕事に追われ家事をする暇がないため家電ロボットであるミーナを購入する。
料理を作るミーナの様子を見て、タクマはつい「僕のお嫁さんになってくれない?」と冗談を言う。しかし、それを本当に実行しようとしたミーナは、「お嫁さん」になろうと試行錯誤する中でプログラムにもない行動を取るようになり、タクマも徐々に彼女のことを本当の妻として認識するようになる。
登場人物
本作の主人公。一人暮らしを3年間続けているサラリーマンで、仕事が忙しく家事をする暇もなかったため、リサイクルショップでミーナを購入する。
当初はミーナのことを家電としか思っておらず、「僕のお嫁さんになって」という発言も酒を飲んだ時にポロっと口からでた冗談であったのだが、自分を夫として認識し、妻として行動しようとするミーナを見てその認識を改めていく。
本作のヒロインであり、もう一人の主人公。家電ロボット「スーパーミーナ」の廉価版で、家事能力は炊事(料理と皿洗い)に限定されている他、表情を変化させることができなかったり、スピーカーを通して会話するなど、様々な機能がオミットされている。
本来はプログラムに基づいて効率を重視して行動するはずなのだが、拓馬から「僕のお嫁さんになって」と言われてから説明書にも書かれていない不可解な挙動を取るようになる。
ミーナとタクマの子供。タマゴに手と鳥のような頭が生えた形状をしている。
本来は主にお年寄りの健康状態を管理する介護用ロボットなのだが、ミーナが遠隔操作した際、学習プログラムが誤動作を起こし、タクマとのやり取りから本来の人格プログラムに代わって独自の人格を形成してしまった。
その誕生経緯からタクマは自分とミーナの子供だと思うようになる。元から備わっている機能は改めて学習することで身につけることとなったが、好奇心旺盛な性格をしており特に熱いお湯に反応を示し、度々奇声をあげている。
拓馬の妹。極度の『異種間恋愛』好きであり、兄とミーナの夫婦を応援している。タクマ同様、ミーナのことを家電ではなく一人の女性として扱っており、おしゃべりを楽しんだり買物に連れ出すなど親交を深めている。
家電ロボット「ミーナシリーズ」の利用者の1人。
家電ロボット「スーパーミーナ」。主人の莉人(リヒト)と大変仲良し。
- マクラクン(CV:白石兼斗)
ワイヤレス充電器兼メンテナンスロボット。西園寺ミーナが使用している。
ミーナシリーズを販売している企業の新米職員。相棒であるセンジュちゃんの事を大切に思っている。
ミーナシリーズの番外機種。製造企業の社内用機でパートナーである飯田有抄のサポートを担っている。ニーナホストコンピュータと接続されている為トラブルになりにくいはずなのだが、大切なパートナーである飯田有抄が関わる事に限り、センジュちゃんの思考とホストコンピュータから来る思考データと競合してしまう事が多々ありその影響で情緒不安定になってしまう事が多々ある。
基本プログラム開発用の試作機。全てのミーナシリーズのベースとなった存在で、ボディはあえてスーパーミーナではなくミーナCLとなっているが、記憶領域は恐らく世界一の容量を持っている。大谷が亡くなった後、記憶が消されリサイクルショップに売られる。
一条ロボティクス株式会社のロボット開発エンジニアでミーナシリーズの基本プログラム開発を担当したミーナ達の生みの親。ロボットを愛しており、人間の脳(神経細胞やグリア細胞)を模した基本プログラムをミーナシリーズの共通規格として開発している。進行性の病に侵されてしまっており、残される大谷ミーナが自分に依存し過ぎている事から『大谷富一』という存在しない架空の人物の記憶に書き換えを実行し、「人を愛して、愛されてくれ」という遺言を残して息を引き取っている。
小杉ミーナの前の主人とされる人物。当時21歳。職業はプログラマーで駅前のマンションで一人暮らしをしている。ミーナの事を冷酷に扱っているという設定の架空の人物。
用語
- 一条ロボティクス株式会社 ミーナシリーズやミマモリウスなどのロボットを取り扱っている企業 小杉拓馬宛てに贈られた荷物の電話番号には080-5XX8-3069と書かれており、ミマモリウス3世のテレビ通販の専用ダイヤルは012X-540-X68となっている。
- ミーナシリーズ 家電ロボットの一種。クラウドコンピューティング機能標準搭載。
- ミマモリウス3世 「大事な人を、見守ります。」がコンセプトの高齢者見守り介護ロボット。スマートウォッチ相当の性能のセンサーを搭載している模様。
クラス
ロボットが施設を利用する際、事前に行政機関で判断能力等を検査して貰う必要がある。個体のクラスと施設の定めたクラスによっては……(下記)
クラス | 能力 | 施設利用 | 本編該当個体 |
---|---|---|---|
0 | して良い行動とそうでない行動の判断が不可能 | 所有者同伴でも利用不可の場合もある | なし |
1 | して良い行動とそうでない行動の判断がある程度可能 | 所有者同伴ならほぼ利用可 | 小杉マモル |
2 | 社会性・協調性共に人間とほぼ同等 | 単独の利用も可 | 小杉ミーナ |
3 | 極めて高い状況判断能力 | 人間が危険な場所に入るにはクラス3のロボットを同伴が条件 | なし |
テレビアニメ
手塚プロダクションによってテレビアニメ化されており、2024年夏アニメとしてTOKYOMX、AT-XおよびBS朝日のほか、MBSとCBC(いずれもTBS系列局)で放送される。
アニメ制作スタッフ
監督 | 吉村文宏 |
---|---|
シリーズ構成 | 広田光毅 |
キャラクターデザイン | ウクレレ善似郎 |
色彩設計 | 古谷恵 |
美術監督 | 河野次郎 |
撮影監督 | 伊藤佳恵 |
編集 | 田村ゆり |
3Dディレクター | バイブリーアニメーションCG北京写楽美術芸術品有限公司 |
音響監督 | 伊藤巧 |
音響制作 | HALF H・P STUDIO |
音楽 | 佐久間奏、中村巴奈重、田渕夏海、櫻井美希 |
音楽制作 | 日音 |
アニメーション制作 | 手塚プロダクション |
音楽
第一話
関連動画
PV
関連タグ
サイエンスフィクション ロボット三原則 異種間恋愛 日常系 人工知能
ちょびっツ:本作と同じく人間と「人型のパソコン」との生活を描いた作品。アニメ化された事があるうえ、MBSとCBCで放送された実績あり。
ココロのプログラム:本作と同じく人間の少年とロボットの少女の交流・恋愛模様を描いた作品。本作がタイトルにあるようにロボットのミーナ本人は「感情がない」と断言しているのに対し、こちらは「制作者がロボットに与えた人間のココロに相当するモノは、造られたプログラムに過ぎないのか?」という視点で描かれる。
ATRI:同時期にアニメ放送された、ヒロインがロボットの女の子という共通点を持つ作品。こちらはポストアポカリプス。