概要
「不能」とあるがあくまでも地理的な点であり、物理的には到達例がある。このため「到達困難極」とか「到達至難極」と呼ぶこともある。
陸上の主なものとしてはユーラシア大陸と南極大陸にある。ユーラシア大陸の到達不能極はウルムチから北におよそ320km離れた場所で、1986年に人間が2人到達している。なおこの場所はオビ湾を河川として扱い、陸の一部として求められた場所であり、オビ湾を海の一部として含め直すとカザフスタンとキルギスタンの国境に近い山中とウルムチの北174km地点の2箇所がユーラシア大陸の到達不能極となる。
南極大陸では海岸線を地面の縁とするか、氷の縁とするかという考え方の違いなどから様々な地点が到達不能極とされている。ギネス世界記録ではソ連が建設した到達不能極基地を南到達不能極としている。
勿論その他の大陸でも到達不能極は存在する。
そして日本にも到達不能極がある。場所は長野県佐久市田口字榊山209-1が海までおよそ115km離れており、到達不能極となっている。
海の到達不能極は北極海のエルズミーア島とゼムリャフランツァヨシファから1,094km離れた地点と南太平洋のピトケアン諸島デュシー島、イースター島の属島モトゥ・ヌイ、南極のマリーバードランド・サイプル島沖のメイハー島から2,690km離れた地点とされる。
南太平洋の到達不能極はポイント・ネモと呼ばれ、ミッションを終えた人工衛星やロケットなどのスペースデブリの落下地点としてよく選ばれている。