加倉井加代子とは、名探偵コナンのアニメ第1010話『笑顔を消したアイドル』に登場したゲストキャラクターである。ここでは彼女が登場した『笑顔を消したアイドル』についても解説する。
CV.佐藤聡美
概要
アイドルグループ「DDPP」に所属するアイドルの1人。20歳。 同じくゲストキャラクターである山里太志(CV.岸尾だいすけ)の推しアイドルでもある。
笑顔がかわいくグループの中でも特に爆発的に人気で、握手会の時も加倉井の前だけ大行列だという。
そのため他のメンバーから妬まれ、足をわざと引っかけられたり、事前の仕事が押してダンスレッスンに遅刻した時には無視されたり、化粧室で大量のタワシを雨あられと投げつけられるなどのいじめを受けていたという。
その一連の出来事で加倉井の表情から笑顔が消え、最終的には救急車で緊急搬送されたという。
そんなある日、毛利探偵事務所でのんびりしていたコナンと小五郎のもとに本日から米花四丁目交番に勤務となった巡査の山里太志が小五郎に相談するためやって来たところから本編が始まる。
山里の話では、食い逃げ事件が発生したが、自分が駆け付ける前に犯人である金髪の女性が母親に連れられて謝りに来ていたという。
また、今回と同じような事件が3ヶ月前に杯戸町のラーメン屋でも発生し、金髪の女性が姉に連れらて謝りに来ていたという。
だが、山里は食い逃げした女性が「加倉井加代子に似ていた」という発言を聞く。
加倉井は現在他のメンバーからいじめを受けたことで心労がたたり病院で静養中であり、静養中の加倉井が変装して病院から抜け出し食い逃げをしているのか推理してほしいという依頼だった。
だが、小五郎は酔っぱらって居眠りしてしまったため、急遽コナンが小五郎の代わりに推理することになる。
そんな中、蘭が帰って来るが、蘭から加倉井加代子が米花公園でロケをしているという話を聞き……
事件の真相
山里の推理通り、金髪の女性と加倉井加代子は同一人物であり、彼女は本当に食い逃げをしてしまったのだ!!
3ヵ月前、緊急搬送された加倉井は山里の推測通り、病室で目を覚まし空腹に耐えかねて金髪の女性に変装して病院を抜け出し、食事をしたのは良いのだが、財布を忘れてしまい、気が動転してしまった彼女は逃げてしまい、食い逃げ事件を起こしてしまったのだ…
山里『それじゃ、加倉井加代子はただの天然ってことですか!?』
おっちゃん(の声を変声したコナン)『そうかもしれない…』
山里の脳裏には、「天然」の二文字をバックにハリウッド映画冒頭のロゴのライオンのように吠える加倉井、ジャングルでターザンのように吠える加倉井のイメージがよぎる。
天然なアイドルなど珍しくもないと思うが、山里的にはナシだったようで
「私の加倉井加代子は天然じゃない!」と言い始める。
そして、山里はあまりにも気が動転していたのか、小五郎の缶ビールのプルタブに指をかける。
山里『私も飲みたくなった~~!』
おっちゃん(の声を変声したコナン)『勤務中だ!山里巡査!』
そして、コナンは山里にアイドルは強くなければならないと語った。
コナンは蘭が目撃した加倉井の笑顔の練習は、逆に笑顔を消す練習だったのかもしれないと語った。
これは笑顔だけ取り柄の加倉井ではなく、新しい加倉井になろうとしていると推測する。
それこそ、DDPPの他のメンバーの妬みにも負けない強さを持っているとコナンは語った。
事実、加倉井には演技力があるとコナンは語る。
2回の食い逃げ事件で、マネージャーはそれぞれ「母」と「姉」と別々の立場でありながら、加倉井の行動によってそう見えたこと。
そして、ホールスタッフが加倉井に似ていると話していたにも拘らず、お金を持って来た時は別人に見えたこと。
その出来事から、加倉井は杯戸町では妹を、米花町では娘を演じていたとコナンは推測する。
そのため、加倉井には確かな演技力を持つ演技派であり、新たなる加倉井加代子になろうとしていると語った。
…… 加倉井の演技力に目が行きがちだが、それに合わせるマネージャーの演技力もすごいんじゃないのか…?
そのコナンの推理を聞き、山里は涙を流しながら「素晴らしいご推理です」と褒めたたえるのだった。
その後、小五郎にお礼を言って立ち去ろうと山里に、コナンは交番勤務は大丈夫なのか聞かれる。
だが、山里は慌てる様子もなく、もうとっくに勤務時間外だと話し探偵事務所を後にした。
なお、今回のコナンの推理はあくまでも話を聞いただけの推理になるため、コナンの推理が正しいのかは不明(そもそも山里の語る情報も週刊誌のゴシップがソースと思われるものも多いし… )。
また、コナンは山里が帰った後に「やっと帰ったよ…」と疲れ切っていた。
その後、米花公園のドラマのロケ現場で、マネージャーや付き人が見守る中、ドラマのロケが開始された。
その際、加倉井は監督から「太陽にほえろ」という指示を受け、その指示通り太陽に向かって『うおおおおおおおおおおおおおおっ!!!』と見事な雄たけびを上げていた。
周りのギャラリーが驚く中、米花公園を通りかかった山里だけは小五郎の推理を聞いて新しい加倉井加代子になろうとしているのだと納得した顔をしていた。
そして、山里が制帽を外すと「加代子 LOVE」のハチマキが巻かれており、雄たけびをあげる加倉井に向けて静かに敬礼をするのだった。お前それで仕事してるのか…
余談
この回の脚本家はコナンアニオリ回では毎回カオスな内容に定評のある浦沢御大。
そのため、以前の『東京婆ールズコレクション』や、『スマイルの里の陰謀』などと同じように普段のコナンとは一線を画したトンデモ回となっている。
なお、勘の鋭い視聴者は、
①冒頭からやたら登場人物たちが童謡「赤い靴」を鼻歌で口ずさんでいたこと
②妙に物々しい演出で食い逃げの瞬間を描いたこと
③山里が自転車を飛ばして毛利探偵事務所の前に停車する際に某AKIRAの金田のバイクの停車みたいなポーズをとったこと
といった理由からかなり序盤で一部の視聴者は「この回は何かオカシイ」「この回絶対に浦沢だろ!!」と気付いたようで、良くも悪くもSNSを賑わせた。
さらに一部の視聴者は前週の次回予告の時点で感づいたという。
加倉井加代子役の佐藤聡美女史は今回でコナン初登場であるが、なんとまともな台詞が一切存在せず、いじめで苦悶したり謎の雄叫びを上げるだけである。まさに声優の無駄遣い…
このエピソードと直接的な関係はないが、原作者の青山氏は彼女の代表作であるけいおん!のファンでもある。(アニオリとはいえ)だったらもうちょっとまともな台詞をあげてやれよ…
また、同じくけいおん!のメインキャラを務めた寿美菜子女史と日笠陽子女史も、それぞれ第859話『暗闇の山岳ルート』と第1028話『ケーキを愛する女のバラード』と言うアニメオリジナルエピソードにゲスト出演したのだが、こちらの2人はまさかの犯人役であった。青山先生、貴方、本当にけいおん!が好きなのか…?
因みに寿女史が演じた犯人は『恋人を死へと追いやった女への復讐』であり、犯行に至った経緯も多少は同情が出来るものであったが(とは言え、アリバイ工作の為に歩美を利用していたので完全に同情出来るかと言えば難しいが…)、日笠女史が演じた犯人の犯行動機は『自分が秘書として働いていた大好きな洋菓子店が和菓子も扱うようになることが許せなかったから』と言う、理不尽かつ身勝手な理由で殺人を犯している。お互い犯人役とは言えなんなんだこの扱いの差は…
なお、『ケーキを愛する女のバラード』は浦沢氏の脚本だった為、けいおん!声優2人が浦沢脚本でゲストキャラを演じた事になった。おまけに「ケーキを愛する女犯人が被害者の顔をあんこに押し付けて殺害する」、「タバコ臭い親父の推理ショーが犯人とのワルツ」、「犯人が洋菓子が好きすぎて最後に周りの人間全てが洋菓子に見えてしまうようになる」など、あっちもあっちでかなりのカオス回となっている。
2010年4月17日に発売されたOVAであり、劇場版天空の難破船の後日談である『名探偵コナン MAGIC FILE4 大阪お好み焼きオデッセイ』では、同じくけいおん!声優である竹達彩奈女史もゲスト出演しているが、こちらはモブキャラとしての出演である(オマケにこのOVAでは事件らしい事件も一切起こっていない)。モブではあるが、台詞がまともになかったり、台詞はあったけど犯人役だった上記3人よりはまだマシな役、だろうか…?
けいおん!声優で唯一名探偵コナンのアニメに出演していないのは、主人公の平沢唯を演じた豊崎愛生女史だけだが、果たして今後彼女に出演の機会はあるのか?そして、どのようなキャラクターを演じる事となるのだろうか…?
大量のタワシを投げつけられるシーンを、放送後に検証や実験をした猛者(視聴者)が現れたらしい。
関連キャラ
中居芙奈子/フナチ:同じく、名探偵コナンのアニメオリジナルキャラクター繋がりの女性キャラ。彼女が登場した回もかなりのカオス回として知られている。こちらの彼女は加倉井が全く台詞がなかったのに対し、兎に角テンションが高く喧しい厨二病キャラと言う、ある意味真逆の立ち位置となっている。
関俊成: 加倉井同様、声優があてられているのに全く台詞がないキャラクター繋がり。中の人本人からも『「僕の台詞のほとんどは『!』と『っ』と『…』です。』と言わしめた程。しかも彼は主人公である。