概要
2023年7月8日放送。
脚本はコナンアニオリ回で毎回トンチキな話を展開させることで有名な浦沢義雄。
あらすじ
新装開店した駄菓子屋にやってきたコナンたち少年探偵団。チンドン屋が演奏しており、開店祝いなのか駄菓子のスモモが配られる。初めての駄菓子に夢中になる歩美、光彦、元太だったが、コナンは『駄菓子は所詮子供の……』と興味がなさそうだ。そんなコナンに対して『大人ぶって思い上がってる！』と怒る元太。2人はケンカになり、コナンは1人で帰る事にする。その道中、路地から飛び出してきた老紳士が『オムライスの死体を見た！』と助けを求めてきて……！？
登場人物
ご存知主人公であり、今回の事件（？）の元凶。いつも通り冷めた態度を取ったことが今回の事件を引き起こす……（？）
駄菓子屋から貰ったスモモを『所詮子供が食べるもの』と言って食べなかったコナンの態度に元太は『大人ぶるんじゃねぇよ！』、光彦も『そういうのを思い上りって言うんじゃないんですか？』と険悪な雰囲気になってしまった。今回灰原は不在。灰原がいたら彼女はどんな評価を下していたのだろうか···
ご存知ヒロイン。本人に悪気は全くなかったが、彼女が後述のレストランにコナンを連れてきたこともきっかけの一つになっているため、ある意味もう1人の元凶と呼べる人物……とは言え、彼女自身は後述の聚楽大のお子様ランチについては褒めており、コナンの言動にも光彦同様に注意しているので、一概に元凶と呼ぶべきではないのかもしれない。
今回のゲストキャラ。今回の事件（？）の黒幕にして最大の被害者。
レストラン『聚楽大』のオーナーシェフである天才料理人。世界的にも有名で、特に彼が作る『特製お子様ランチ』は星5と評価される程評判が高い。また、お子様ランチだけでなく、レストランの内装もサーカスや遊園地っぽくし、UFOキャッチャーが遊べる、フライパンや皿をジャグリングするなど、天才お子様ランチ料理人と呼ばれるだけあってか子供を楽しませる工夫も凝らしている。しかし、レストランを訪れたコナンの『いくら特製だからって、所詮お子様ランチはお子様ランチだよ』と言う一言にプライドをズタズタにされてしまい、それが料理にも微妙に影響して、味も微妙に落ちてしまい、大繁盛していた店の人気も微妙に落ち続けてしまい、店をたたむ事を余儀なくされた。こうした経緯から、子どもでありながら大人ぶって思い上がった発言をしたコナンに恨みを抱く様になり……
余談
これまでも、事件の犯人が(殆ど逆恨みではあるが)、コナンこと工藤新一、或いは他のメインキャラやサブキャラクターに恨みを抱いて犯行に及んできたが、明確にコナンに対して恨みを抱いて（しかも本当にコナンの発言が原因となって）騒動を起こした人物はおそらく聚楽大が初である。
ストーリーの流れ～衝撃の結末（ネタバレ）
Aパートで元太達とケンカ別れしたコナンが、謎の老人に因縁をつけられ、Bパートでその老人の正体がコナンによってプライドを傷つけられた聚楽大である事が判明。
大はレストランが潰れた恨みを晴らすべくレストランのスタッフ達と共に珍妙な格好とレストランのアトラクション（？）を用いてコナンを追い詰めるも失敗（この際、コナンをずっと「お子様」呼びし続けているのもシュール）。
しかし、自分の言動を反省したコナンから『今度来る時は特製お子様ランチを食べる』と約束され、一応（？）和解。
そして、ED終了後のエピローグ。駄菓子屋に集まっていた少年探偵団のもとにやってきたコナン。今度は自分からスモモを買い、そして……
コナン「それにしても、酷い夢だったな…」
そう…なんと、今回の話は夢オチだったのである！！！ もう、訳がわからないよ…
総評
総じて言うと、このエピソードはこれまでの浦沢回どころか、アニコナオリジナルエピソード史上ぶっちぎりのカオスなストーリーとなっている。
ストーリーだけならまだしも、同等にヤヴァいのが中盤回想シーン等での営業時レストラン内の演出。
普段であれば途中の何でもないシーンに伏線・ヒント等を織り込んだりと極めて論理的かつリアルな演出構成が成されているところが、こちらは『論理性』『リアル性』『利便性』『安全性』等あらゆる意味における説得力をガン無視しただファンシーさのみに特化させた、明らかに『コナン』の世界観とは違和感が生じるモノ。
普段のつもりで視聴していた者には意味不明を通り越して恥ずかしさすら感じてしまうレベル（一応この非現実的さ自体が『夢オチである』というラストへの伏線だったりするのかも知れないが途中のシラけっぷりは取り返せないし、何よりそもそも夢オチ自体が求められていないのだからどうしようもない）。
ただし、（失礼な言い方にはなるが）元太の口から「思い上がっている」という言葉がポンと出てくるとは非常に考えにくい為、最後の夢オチで納得した視聴者もいた。
この為かこの回を視聴した多くのコナンファンからも『意味不明』、『酷すぎる』、『一体何を見せられているんだ…？』、『コナンはあんなこと言わない』、『スタッフ疲れているのか？』、『もう浦沢に脚本書かせるな』と酷評の嵐で、中にはアニコナ史上最悪のエピソードだという人もいる。
しかし、全員が上記の意見を持っている訳ではなく、中には、あまりにもぶっ飛んだゲストキャラやトンデモすぎるストーリーから腹筋を破壊された人もおり、このエピソードを（ネタとして）好むファンもいる。
また、キャラ崩壊に関しては本作だけでなく別のアニコナオリジナルエピソードでも発生しているが（例として、このエピソードでのコナンなど）、浦沢脚本ではゲストキャラが明らかに濃すぎるのが特徴であり、本作の次に放送された『4人だけの同窓会』ではコナン達のキャラ崩壊は発生していない（というより、終盤になるまで浦沢脚本と気づかなかった視聴者もいた）。
なお、放送の数話後に彼の弟子であり、同じくアニコナオリジナルエピソードを多く手掛ける大和屋暁がとんでも回を執筆している。
更なるオチ
それは本編後のEDや次回予告や恒例のNext_Conan's_HINT後のミニコーナーで起こった。
音声のみだが、コナン達少年探偵団はあの後本編ラストで言っていた通りにレストランに行ったらしく、みんな揃ってお子様ランチを注文していた…が、そんな中元太だけはいつものごとくうな重を注文しており、コナンを「えっ？」と呆然とさせた（たぶん多くの視聴者もだろうが、笑った方もいるであろう）。
関連タグ
風邪ひいた時に見る夢：一言で表すとコレ。ただし当のコナンは風邪はひいてはいない。
世にも奇妙な物語：コナン版のこれと言っても差し支えない。
言葉は刃物：ある回の前半の犯人が残した台詞であり、今回のコナンにドンピシャに突き刺さることとなった（コナンは劇場版第15作『沈黙の15分』にてこの台詞を発しているが、本作では特大ブーメランとなっている）。
B'z：発売を控えていたシングル『STARS』の、この日限定のCMが放送されたのだが、松本孝弘と稲葉浩志が楽屋でCDの特典として付いてくるバランスゲームで遊ぶという、これまたシュールな内容であった。
