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前後のストーリー


1993年12月25日放送。

脚本:平野美枝、監督:村石宏實


予告編集

武史「あ…」

カーンデジファー「お前などもういらん!」

失敗ばかりくり返す武史に愛想を尽かしたカーンデジファーは武史を捨て、一人で戦い始めた

そして、地球人類に最大の危機が迫ってきた!

次回、電光超人グリッドマン『危うし地球!』

君も、アクセスフラッシュ!


あらすじ編集

その日、桜ヶ丘町はゴミ処理場の原因不明の故障によりゴミが回収されず、町にはゴミがあふれかえり蠅がたかり、悪臭が漂っていた。

馬場家でもゴミを捨てようとしたものの、ゴミ捨て場はすでにゴミの山。挙句はジャンクのある地下室がゴミ捨て場にされる始末だった。

当然こんなことをしているのは藤堂武史カーンデジファー。ゴミと人間が切っても切れない関係にあるとした武史は、最高の自信作だという悪臭怪獣スカボーンをゴミ処理場のコンピューターワールドへ送り込み焼却炉がゴミを焼き始めるとすぐさま反応して、体から高熱と凄まじい悪臭を放するよう仕向け、さらには焼却炉温度制御プログラムのバグにカモフラージュし、グリッドマンにも気づかれないようにしていたのだった。


町中を歩く直人、ゆか、一平。ジャンクの部屋をゴミ捨て場にされたことを愚痴る一平。ゆかも悪臭に耐えきれないというと、ガスマスクをつけた武史が現れた。


武史「こ、これを!」

一平「……何だ、こいつ?」

武史「強力な防臭マスクですよ!」

ゆか「わぁ~、すごいタイミング!」

武史「そんなに感心しないでほしいなぁ~!まぁ、僕ほどの天才は……」


自分に酔って気取る様子の武史を尻目に、ゆかは直人に話しかける。


ゆか「マスクの話をしてたところなのよね、直人」

直人「ちょうどいいじゃん。ゆか、貰っとけよ」

ゆか「でも、私にだけなんて……」

直人「まぁ、いいから」

ゆか「でも、大げさすぎない?」

直人「そんなことないって!」

武史「マ、マ……」

一平「『マスクをあげた僕の立場はどうなんのぉ?』」


一平が武史を茶化し始めた。


一平「わかってるって。俺もいつも独りぼっちよ」

武史「……わかるもんか!君なんかに、僕の気持ちが!!」


武史は逃げ去っていった。自宅に戻った武史は怒りのあまりスカボーンに指示を送る。

武史「くそっ!ジワジワなんて甘いことはやめて強烈に臭い思いをさせてやる!井上ゆか、君が悪いんだからな!」


姿を隠していた怪獣スカボーンが、実体化した。


武史「悪臭怪獣スカボーン、隠密作戦は変更だ!思いっきり暴れてやれ!!」


実体化したスカボーンがコンピューターワールドで暴れ始めた。それと同時にゴミ処理場の煙突から強烈な悪臭を放つ赤い煙が噴き出し始める。

悪臭の原因が煙突であることを知った直人たち。Gコールが鳴り、怪獣が現れたことを察知した直人たちはジャンクの部屋へ向かった。

場所が桜ヶ丘ゴミ処理場のメインコンピューターであることを突き止めた直人はグリッドマンと合体し、スカボーンと戦い始める。

しかしもともと隠密活動用に作られたスカボーンは弱い。グリッドマンに徐々に追い詰められていく。


武史「ああっ!何をしているスカボーン!馬鹿!スカボーンの馬鹿!!」

カーンデジファー「馬鹿は貴様だ!貴様こそ何をしているのだ武史!」

武史「ぼ、僕……」

カーンデジファー「スカボーンを暴れさせる計画はなかったはずだ!だからこそグリッドマンにも気づかれぬはずではなかったのか!?」

武史「そ、それはその……」


グリッドマンの一方的な攻撃にスカボーンは叩きのめされるばかりだった。


デジファー「ぬうっ、計画が台無しではないか!どうせまた一時の怒りに我を忘れたな?うつけ者が!!」

武史「井上ゆかが悪いんだ!……」


町中で人々が悪臭に倒れ、尼崎巡査ら警察が必死に人々を救おうとしている。


スカボーンは得意の悪臭を放ってようやく苦しめるものの、たいしてダメージは入らず一平とゆかが送ったダイナドラゴンのダイナロアーで尻尾を破壊され、さらに合体したガスのきかないキンググリッドマンによって徹底的に叩き潰された。


カーンデジファー「武史!最高の自信作だと!?これがか!?馬鹿者めが!!」


やがてキンググリッドビームを受けスカボーンは消滅した。


カーンデジファー「ぐぬぬ……今度という今度は愛想が尽きたぞ、この能無し!」

武史「ど、どうかお許しを!」

カーンデジファー「貴様の顔など二度と見たくない!出ていけ!


デジファーの電撃で武史がパソコンから吹き飛ばされた。


カーンデジファー「お前などもういらん!!」

武史「そ、そんな!か、か、カーンデジファー様……ど、どうかお許しください!僕を見捨てないで!」

カーンデジファー「くどい!」


電撃が何度も炸裂する。


カーンデジファー「失せろ!!」


武史は思わず逃げ出した。


カーンデジファー「イライラする奴め!もはやあんな能無しの手を借りずとも、コンピューター操作など、ワシ1人で出来るのだ!」


武史のパソコンがひとりでに動き始める……


無事にスカボーンを倒したことで、町のゴミは処分され始めた。一安心する直人たちは、公園で武史を発見する。

マスクをくれたことへのお礼を言うゆかだったが、武史は泣いていた。


「……僕を見るな!見ないでくれぇ!!」


武史が頭を抱えて逃げ出す。心配になったゆかはそのあとを追いかける。直人たちもそれに続く。


カーンデジファー「人間どもの世界など、すでに熟知しておる!グリッドマンさえ亡き者にすればワシの望み通りになるのだ。グリッドマン、楽しみにしておれ!フフフフ……」


町はずれで泣いている武史。それを心配する直人たち。


武史「うっ、うっ…… つ、次こそ最強の怪獣を、カーンデジファー様……」

直人「えっ!カーンデジファー!?」

一平「ああ、確かにそう言ったぜ!」

ゆか「どういうこと?」

直人「おい!カーンデジファーがどうしたって!?」


うずくまって震え、何も答えない武史。


一平「はっきり答えろ!!」

武史の胸倉をつかむ一平。武史は泣くばかりで何も答えない。

一方、デジファーはテレビをジャックし人間たちに宣戦布告していた。すべてのコンピューターワールドを支配すると。


混乱する直人たち。テレビも臨時ニュースを流し、カーンデジファーの電波ジャックのニュースを報道していた。


武史は自嘲するように言う。

武史「僕こそ天才・藤堂武史が、魔王カーンデジファー様の頭脳だったんだ!」

一平「何てこった!それじゃ今までコンピューターワールドで暴れまくっていた怪獣は、全部……お前が作ったってのか!?」

直人「そうか!カーンデジファーは君のパソコンに巣食っていたのか!」

ゆか「……わかった!」

一平「何が?」

ゆか「カーンデジファーが『すべてのコンピューターワールドを支配した』って言った意味よ。つまり、彼のパソコンがホストステーションになってるってことよ!」


その時再びGコールが鳴り、危機を知らせる。


一平「直人、早く行け!俺はこいつの部屋のパソコンの電源を切ってから行く!」

直人「わかった。急ごう、ゆか!」

ゆか「えぇ!」

一平「さぁ、案内しろよ!」

武史「嫌だあ!カーンデジファー様に怒られる!!」

一平「馬鹿野郎!早く!」


一平に引っ張られ、自宅に戻らされる武史。ジャンクの部屋に行った直人とゆかをグリッドマンが待っていた。今あらゆるコンピューターワールドで異常が起こっている。カーンデジファーが武史のパソコンにいることを教えた直人はグリッドマンと合体し、武史のコンピューターワールドへと向かった。


カーンデジファー「フフフフ……対決の時が来たなグリッドマン!」

グリッドマン「カーンデジファー、逮捕する!!」

カーンデジファー「何?出来ると思うのか…… ハイパーエージェント!!」

グリッドマン「それが……私の使命だ!」


そのころ、武史の家にやってきた一平。武史のパソコンが歪み、不気味な姿に変形し、画面からは不気味なツタが生えていた。

ツタは火花を散らしながら二人に襲い掛かった。たまらず逃げ出す二人。


カーンデジファーは目からデジファービームを発射。グリッドマンはジャンプで回避しネオ超電導キックで反撃するも、デジファーは体をバラバラに分解し手回避する。


一平は武史を連れてジャンクの部屋に帰ってきた。武史のパソコンはもう触れることもできない状態になっている。信じられない様子のゆか。


デジファー「グリッドマン、貴様をこの世から抹殺してやる! ぬああああっ!!」


カーンデジファーの強風攻撃デッドスパイラルが炸裂。ジャンクの警報音が鳴り響き、火花が散る。


ゆか「あぁっ!グリッドマンのエネルギーが!」

一平「やばい!」

武史「こ、ここはグリッドマンの基地か!?」


一平とゆかは武史を無視してグリッドマンを応援。


ゆか「グリッドマン、しっかり!」

一平「がんばってくれ!負けるわけにはいかねぇんだよ!」

武史「こ、これが……これが、僕の敵だったというのか?こんな、こんなボロいコンピューターが……?」


今まで自分の怪獣が手作りのオンボロコンピューターに負け続けてきたことにショックを受ける武史。


一平「ジャンクに触んな!俺たちの命だぜ!?」

武史「ふん……グリッドマンはカーンデジファー様に負けるさ」


ゆかが武史に、平手打ちを見舞う。


ゆか「目を覚ますのよ、武史君!」

武史「……ぶったね?…僕をぶった!!」

ゆか「あなたが本当に天才ならカーンデジファーに操られたり、地球を征服されて平気なわけがないわ!」


カーンデジファーの連続攻撃にグリッドマンは苦しむ。額のパワーランプが点滅。活動限界が近い。

ジャンクの警報音も、ますます激しく鳴り響く。


一平「そんな馬鹿、ほっとくんだ!」

ゆか「私……つい、直人が……私たちがどんな気持ちで戦ってるのか、わかってもらいたくて……」

一平「エネルギーが足りない。グリッドマンを呼び戻さなければ!」

ゆか「わかったわ。グリッドマン、還って来て!このままじゃ消去されちゃう!」

一平「緊急避難だ!地球のために戻るんだ!!」


パサルートが開き、グリッドマンが武史のコンピューターワールドから飛び去る。


デジファー「むっ!逃げるのか、グリッドマン!?」



武史「……井上ゆか」

ゆか「何よ……」

一平「……この野郎!」


武史につかみかかる一平。


武史「やっぱり、君は……僕のことを……」

ゆか「私が?何なのよ」

武史「君のビンタに……愛を感じた!」


この期に及んで意味不明なことを言い出す武史。

グリッドマンから分離した直人がジャンクの前に現れ、息を切らしながら崩れ落ちる。


直人の汗を拭うゆか。

一平は再び武史に食って掛かる。


一平「何が愛だよこのノーテンキ野郎!お前なぁ、今がどんな時だかわかってんのか?」

武史「どいてくれ!僕はゆかさんにお話が……」

一平「直人を見ろ!あいつが命賭けてんのがわかんねぇのか?いつだって、どんな怪獣と戦う時だって、直人は必死に戦ってきたんだ!」

武史「僕はゆかさんに…」

一平「馬鹿野郎!」


ついに一平は武史に鉄拳制裁を食らわせた。


ゆか「一平、やめて!」

武史「ぼ、僕は……僕は……僕はずーっと独りぼっちだったんだ!!うっ、うぅっ……」


子供のように泣き出す武史。



カーンデジファー「おのれぇグリッドマンの息の根を止め損ねたか……だがこれでワシの天下だ……フフフフ、偉大なる魔王・カーンデジファー様の力、思い知ったか、人間どもよ!フフフハハハハハ……!!」




ナレーター「グリッドマンは、カーンデジファーの地球征服を、阻止出来るのだろうか?」

      我々人類の未来はどうなる?

      危うし、地球!」

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