概要
1951年〈昭和26年〉2月16日生まれ。東京都杉並区荻窪出身。本名：大内 薫（おおうち かおる）
1974年（昭和49年）、東京駅付近でアルバイトをしていたところを鈴木則文監督にスカウトされ東映と契約。
デビュー作となる『聖獣学園』の役名多岐川魔矢と鈴木監督がたまたま読んでいた女性週刊誌に載っていた懸賞の一等当選者の名前裕美から芸名が付けられた。
1975年（昭和50年）は千葉真一主演の『けんか空手シリーズ』の藤巻智八子役、渡哲也主演の『仁義の墓場』の破滅に向かうヒロイン・石川地恵子役、『続・愛と誠』での影の大番長・高原由紀役などで好演した。
1976年（昭和51年）に梶芽衣子に代わって女囚さそりシリーズの『新・女囚さそり 701号』で主演の松島ナミ役に起用されるが、梶ほどの個性を発揮するに至らず次第にテレビ作品へのシフトを目指す。
そんな中で東映から三船プロダクションへの移籍を図るが、岡田茂が難色を示したため移籍に2年を費やした。
1978年（昭和53年）に出雲阿国に扮した『柳生一族の陰謀』、特に『芝生は緑』・『七瀬ふたたび』のヒロイン・火田七瀬は当たり役となり、青少年の心をガッチリ掴んだ。
1979年（昭和54年）には『俺たちは天使だ!』でクールながらもコミカルな一面を持つ秘書を演じた。しかし同年には移籍したばかりの三船プロで分裂騒動が起き、田中寿一によって田中プロモーションに移籍することになった。
1980年（昭和55年）には、早大生の人気投票第一位になるなど清純派スターとして売れていった。しかし『聖獣学園』でヌードを披露したことを巡って「鈴木監督に騙されてヌードになった」という発言が週刊誌に掲載され鈴木監督から「告訴も辞さない」と猛烈な抗議を受ける。これで『聖獣学園』が再び注目を集め『狂い咲きサンダーロード』との併映という形でリバイバル上映につながった。
1984年（昭和59年）にマネージャーだった阿知波信介と結婚、一人娘の多岐川華子を儲けるが、1997年（平成9年）に離婚。しかしその後もアクターズプロモーションの所属タレントとしての関係は阿知波が死去するまで続いた。
その後もテレビ・映画・舞台で活躍。2022年（令和4年）には『カムカムエヴリバディ』でNHK連続テレビ小説に初出演を果たした。
